日産のルノーの関係は、今後どうなるのか

「名経営者」はどこで間違ったのか ゴーンと日産、20年の光と影,法木秀雄
(画像=THE21オンライン)

1月8日に行われたカルロス・ゴーン氏の会見には、日本のみならず世界中のメディアが集まった。その発言内容には賛否が飛び交っているが、世界の注目を集めたことは紛れもない事実だ。

では、彼のこの行動は、今後の日産に対してどのような影響を与えるのか。「少なくとも、ルノーは歓迎しているに違いない」と指摘するのは、著書『「名経営者」はどこで間違ったのか ゴーンと日産、20年の光と影』にて、日産とルノーのいびつな関係を指摘した法木秀雄氏(元日産自動車北米副社長・早稲田大学ビジネススクール元教授)だ。それはどういうことなのだろうか。法木氏にうかがった。

ルノー出身のゴーン氏だが、すでにルノーは見切っている?

1月8日、レバノンで行われたカルロス・ゴーン氏の会見において、彼は自分を陥れたとして、日産の経営陣を名指しで批判した。ゴーン氏は会見で日産への思いを強調していたが、これが日産に与える負の影響は計り知れないだろう。

もっとも、日本の法律を破り海外へ逃亡した人間に、人を批判する資格があるとは思えない。

私は日産に長年勤め、名指しされた人の中では西川廣人前社長と川口均前副社長を直接存じ上げているが、ゴーン氏とは比べ物にならない倫理観を持った人物だと断言できる。

ゴーン氏はルノーの出身であり、2005年からは日産のみならずルノーのトップも兼任していた。そんなルノーにとっても彼の暴走はいい迷惑かといえば、そうとは限らない。私はむしろルノーは、今回の事件を好機ととらえていると思う。