ロボットアドバイザー(通称:ロボアド)とは、利用者が年齢、資産状況などの簡単な質問に答えるだけで、それぞれの人に適した資産運用を提案してくれるサービスだ。加えて、最適なポートフォリオを自動的に構築してくれる。よって、投資に関する詳しい知識がない初心者でも手軽に始めやすいため注目を集めている。ロボットアドバイザーの種類によって、手数料や取り扱う金融商品が異なるため、始める前に事前に比較検討することが重要だ。

ロボットアドバイザー3社を比較

ロボットアドバイザー, 資産運用
(画像=PIXTA)
  運用
手数料
入金・出金
手数料
取り扱う
金融商品
最低
投資金額
積立金額 積立投資 分配金の
再投資
リバランス
Wealth
Navi
(ウェルスナビ)
預かり資産
3,000万円まで:
1.10%
(年率・税込)
預かり資産
3,000万円超:
0.55%
(年率・税込)
※「長期割」あり
無料
※クイック入金、
自動積立の場合のみ。
金融機関から
振り込む場合は
手数料がかかる
・日欧株
・新興国株
・米国債券
・物価連動債
・金
・不動産
10万円 1万円
〜/月
自動 自動 自動
THEO(テオ) 預かり資産
3,000万円まで:
0.715%〜1.10%
(年率・税込)
預かり資産
3,000万円超:
0.55%
(年率・税込)
無料 世界の債券・
株式・
不動産・
金に関する
最大30種類以上のETF
(Exchange
Traded Fund=
上場投資信託)
1万円
※2020年4月7日
12:00以降に
口座申込した場合、10万円
1万円
〜/月
自動 自動 自動
LINE
スマート
投資
預かり資産
3,000万円まで:
1.10%
(年率・税込)
預かり資産
3,000万円超:
0.55%
(年率・税込)
※2019年
4月25日~
2020年
4月30日は
無料
無料 NYSE
(ニューヨーク
証券取引所)
又は
NASDAQに
上場している
ETF
500円 500円
〜/週
自動 自動 自動

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ロボットアドバイザーを比較する3つのポイント

比較する前に確認したいロボットアドバイザーの特徴

ロボットアドバイザーの特徴は「長期・積立・分散」投資が簡単に行えることだ。「長期・分散・積立」投資とは、さまざまな金融商品に投資した上で、短期的な価格の上げ下げを乗り越えて、投資した資産が本質的に生み出すリターンを長期的に得ることを目指す投資手法だ。

定期的に一定の金額で金融商品を買い続ける長期投資を行うことで「ドルコスト平均法」と呼ばれるリスク分散の効果が得られて、短期的な値動きに左右されない投資が可能になる。

また、投資する金融商品を国内の株式や、海外の株式、海外の債券や不動産などに分散させることで、特定の金融商品に依存せずにリスクも分散される。

ロボットアドバイザーを比較する際は「長期・積立・分散」投資をどのように行えるという観点から考えるのが重要だ。

比較ポイント1. 自動で積立投資やリバランス、分配金の再投資が行われるか

ロボットアドバイザーのメリットは、投資家が時間をかけなくともロボットが自動で「長期・積立・分散」投資を行ってくれることだ。「長期」と「積立」を自動化可能かどうかという観点では、一定期間ごとに積立可能かどうかという点でロボットアドバイザーを比較する必要がある。また「分散」という観点では、リスクを適切に管理するために各金融商品に投資する金額の調整が可能かどうかが重要だ。このような金融資産の投資金額の調整を「リバランス」と呼ぶ。

また、投資した金融商品から定期的に分配金(配当金)が発生する。この分配金を現金のままにせず金融商品に再投資した方が、現金ではない金融資産が増える。投資の元手が増えるので、分配金を再投資しないよりも多くのリターンが出る可能性がある。

比較ポイント2. 投資できる金融商品のラインナップ

「長期・積立・分散」投資の中でも「分散」という項目に主に関わるのが、ロボットアドバイザーを通じて投資できる金融商品の幅だ。

金融商品はさまざまな観点から分類することができるが、商品の種類(株式や債券、不動産、金など)と国・地域(日本、アメリカ、ヨーロッパなどの投資対象国)が、分散投資の際には重要である。

株式と債券でいえば、株式の方が価格の上下が大きい傾向にあるなど、商品によってリスクやリターンの性質が異なる。リスクの異なる商品たちをそれぞれどの割合で投資するのかによって、ロボットアドバイザーによる投資から期待できるリターンが変わってくる。

日本など特定の国の株や債券に投資している金融商品もあれば、世界各国に分散投資している金融商品もある。特定の国に投資している場合、その国の経済情勢の良し悪しが、該当する金融商品のリターンに大きな影響を与える。

例えば、新興国は、経済が発展途中である反面、経済や社会情勢が急に変わるなど、将来的な予測がつかないマイナスな側面がある。基本的には、投資対象が新興国である程に「ハイリスク・ハイリターン」、国内や先進国であるほどに「ローリスク・ローリターン」の傾向があると考えられる。

比較ポイント3. 運用手数料

ロボットアドバイザーの運営会社は、基本的に投資家から運用手数料をもらうことで収益を得ている。基本的には手数料が低い方がよいが、手数料が高い場合、質の高いサービスを提供している運営会社もある。

手数料にはいくつか種類があるが、主には運用手数料・入金手数料・出金手数料の3種類がある。

運用手数料は、基本的にはロボットアドバイザーが自動で金融商品を売買することに対する手数料だ。入金手数料とは、ロボットアドバイザーが投資するための資金を運営会社に入金する際にかかる手数料である。出金手数料とは、ロボットアドバイザーの運用によって発生した収益や運用を終了した場合の資金を自身の銀行口座に現金として振り込む場合にかかる手数料を指す。

以上の比較ポイントを踏まえながら、ロボットアドバイザーを比較していこう。

WealthNavi(ウェルスナビ)

  WealthNavi(ウェルスナビ)
運用手数料 預かり資産3,000万円まで:1.10%(年率・税込)
預かり資産3,000万円超:0.55%(年率・税込)
※「長期割」あり
入金・出金手数料 無料
※クイック入金、自動積立の場合のみ。
金融機関から振り込む場合手数料がかかる
取り扱う金融商品 ・米国株
・日欧株
・新興国株
・米国債券
・物価連動債
・金
・不動産
最低投資金額 10万円
積立金額 1万円〜/月
積立投資 自動
分配金の再投資 自動
リバランス 自動

WealthNavi(ウェルスナビ)の特徴は他社と比べて圧倒的な実績だ。2020年2月13日時点で28万口座の開設、預かり資産2,300億円以上を突破している。

住信SBIネット銀行やソニー銀行、JAL、ANAなどと提携しており、優遇プログラムやポイント還元などのメリットがある。

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THEO(テオ)

  THEO(テオ)
運用手数料 預かり資産3,000万円まで:0.715%〜1.10%(年率・税込)
預かり資産3,000万円超:0.55%(年率・税込)
※3,000万円以下でも預かり資産に応じた割引あり
入金・出金手数料 無料
取り扱う金融商品 世界の債券・株式・不動産・金に関する最大30種類以上のETF
(Exchange Traded Fund=上場投資信託)
最低投資金額 1万円
※2020年4月7日12:00以降に口座申込した場合、10万円
積立金額 1万円〜/月
積立投資 自動
分配金の再投資 自動
リバランス 自動

株式会社お金のデザインが提供するTHEO(テオ)の特徴は徹底した分散投資である。投資対象は株式(国内、先進国、新興国)、債券(国内、先進国、新興国、外国社債)、不動産(REIT)、金、林業など幅広い。投資先の国・地域も⽶国、欧州、アジア、アフリカと世界86ヵ国に及ぶ。

また「毎月積立投資をしている」「出金をしていない」の2つを条件に、投資金額に応じて運用手数料が最大35%OFFとなる。

運用手数料 割引率 預かり資産の
時価評価額
1.10 %
(税込・年率)
- -
0.99 %
(税込・年率)
10%
OFF
1万円以上
50万円未満
0.88 %
(税込・年率)
20%
OFF
50万円以上
100万円未満
0.77 %
(税込・年率)
30%
OFF
100万円以上
1,000万円未満
0.715 %
(税込・年率)
35%
OFF
1,000万円以上

LINEスマート投資

  LINEスマート投資
運用手数料 預かり資産3,000万円まで:1.10%(年率・税込)
預かり資産3,000万円超:0.55%(年率・税込)
※2019年4月25日~2020年4月30日は無料
入金・出金手数料 無料
取り扱う金融商品 NYSE(ニューヨーク証券取引所)又は
NASDAQに上場しているETF
最低投資金額 500円
積立金額 500円〜/週
積立投資 自動
分配金の再投資 自動
リバランス 自動

LINEスマート投資は、LINE上で500円から始められる手軽さが最大の特徴だ。スマートフォンで完結する本人確認などによって、最短で翌営業日に口座開設が完了する。投資未経験者でも、お試し感覚で始められる。