(本記事は、阿比留 眞二氏の著書『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』ワニブックスの中から一部を抜粋・編集しています)
速さが生産性を決める
「仕事が終わらない……」「上司から仕事が遅いと言われてしまう……」「他の人たちよりも、仕事が遅いような気がする……」「定時に帰ってゆっくりしたい、スキルアップの時間に当てたい……」
社会人になると、仕事のスピードが求められます。そのため、仕事が遅いことが悩みとなっている人は多くいます。
仕事のスピードアップについてお話ししていきたいと思います。
仕事のスピードを上げるためには、それを妨げる理由を知ることです。多くの人に共通する悩みを知ることで、突破口が見つかります。
どこをどう改善すると、仕事がスピードアップするのか――。
これも、課題解決の技法を使うことが効果的です。社会人に共通する仕事のスピードを妨げる原因を知ることで、自分にふさわしい課題を見つけ、解決策を探ります。
最近では、残業をしないことが推奨(すいしょう)されており、定時で帰宅する人も多くなってきていることでしょう。
しかし、家にやり切れなかった仕事を持ち帰る人も多くいます。また、残業ゼロが叫ばれていますが、それでも会社に残らざるを得ない人もいます。
だからこそ、生産性アップが重要視されるようになりました。この生産性アップに欠かせないのが、仕事のスピードです。
単純に考えると、1時間かかる仕事を30分で終わらせれば生産性アップになります。早く終わらせることで余った時間が、のちのち他者との差を生むことになるのです。
速さのメリット、遅さのデメリット
仕事が速くて正確であれば、当然、評価が高いものです。そして、何より余った時間で仕事のアイデアを考え、他の仕事に手をつけることができます。
定時までにしっかり仕事を終わらせることができれば、スキルアップの時間を十分に取ることも可能です。
逆に、スピードが遅いとデメリットばかりです。
当然、多くの仕事をこなすことができません。
行動よりも考えている時間が長い人は、仕事をしていないと思われるので評価が下がります。
また、仕事が遅いと関係者に迷惑をかけてしまいます。
一般的に仕事のスピードが早い人は、仕事の質も高いものです。なぜなら、仕事を何度も回転させることができるからです。回転させていく中でブラッシュアップされていき、質が高まります。そして、成果につながるのです。
自分の理想に近づくためには、定時に帰って、自分の将来を考えたり、スキルアップを行なうことも大事です。
また、成功者は皆リラックスの時間を持っているものです。著名な経営者の多くが散歩をしたり、休息の時間を確保していることはよく聞きます。
仕事が早く終われば、ゆったりと過ごす時間がつくれます。そして、この時間にアイデアがわくことは多いのです。たとえば、シャワーを浴びているときなどに、アイデアはよく生まれます。
しかし、時間が足りなければ、こういうリラックスタイムをしっかり設けることもできません。
仕事のスピードを上げ、生産性を上げることは、様々なメリットがあるのです。
スピードを妨げる3つのこと
では、仕事のスピードアップのためには、どうすればいいのでしょうか。これは、逆説的ですが、次の3つのことを克服すればいいのです。
- 能力不足
- 段取り下手
- 他者をうまく使えない、動かせない
仕事が遅い人は、このような悩みを抱えています。
自分がどの悩みに該当するかを考えてみて、課題を設定し、改善することをオススメします。
能力不足では、当然、仕事のスピードは上がりません。処理スピードがそもそも遅ければ、時短で仕事をすることは不可能です。
段取りが下手では、行き当たりばったりで仕事をすることになり、効率的にやるべきことを進めることができません。できる人ほど、仕事の流れを考えていますし、アクシデントに備えています。
人を使ったり、動かすことができない人は、コミュニケーションがうまくいっていないと言えます。自分が作業を終えたとしても、関係者が動いてくれなければ仕事は滞ります。また、ひとりで仕事を抱え込んでしまえば、時間がかかるのは当然です。
仕事のスピードを妨げる、この3つの理由を克服すれば生産性は高まります。
自分がどれに当てはまるかを考えてみてください。もし当てはまらないとしても、より強化したい部分があれば、そこを課題解決の技法で伸ばしてみましょう。