(本記事は、阿比留 眞二氏の著書『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』ワニブックスの中から一部を抜粋・編集しています)
【一流の常識】ロジカルな判断と行動が最適解
社会人になると、いきなり仕事で成果を出すことを求められます。
学生時代とは違い、答えのないビジネスの世界で、答えをつくり出さければならなくなるのです。
課題解決という言葉は、時折耳にすることがあるでしょう。しかし、課題解決の意味をしっかりとわかっている人は少ないものです。
私が申し上げたいのは、社会に出るとそのテクニックも知らないまま、課題解決を求められるということです。
当然、課題解決の方法を知っている人は少ないので、経験であったり、思いつきで仕事を進めることになります。
これは、非生産的です。
ビジネスでは正解はありませんが、ロジカルな判断をしていくことが、成果を出す近道と言えます。
ロジカルに考えて、行動して、お金を得ることが社会人としての絶対的条件です。感情や感覚のみで動くということは、勘でお金を得ようとしていることだからです。こんなことは、社会人には許されません。
だからこそ、ひとつでもいいのでロジカルに動くための技術を知ることにメリットがあります。
本書を選んでいただけたということは、私の課題解決の技法を選んでいただいたということで、本当に感謝しています。
もちろん私の技法を使っていただくことはありがたいのですが、そうではないとしても、ロジカルな判断をして行動する技術を、ひとつは知っておくべきだと思います。
うまくいかない理由を考え、解決するべき課題を設定する。課題解決の技法に自分の状況を当てはめ、解決していってほしいと思います。
自分の中にひとつの型を持っておくことで、行き当たりばったりであったり、経験のみを基にして行動し、失敗することが避けられます。
型に当てはめなければ非論理になる
冷静に物事を判断して、ロジックに沿って課題と解決策を考える。フレームワークで考えることで、成果が出せる可能性は高まります。
自分自身で考えれば、もちろん課題も解決策も納得したものとなります。それもロジカルな形のものです。
自分がロジカルに考えられていなければ、他者を動かすことなどできません。自分ひとりで解決できない課題に向かうときに、人に協力してもらうためにもロジカルに説明する必要があります。この技法を使えば、その説明もスムーズにできるようになるでしょう。
そして何よりも、自分主体の仕事をつくり上げることができます。自分がどうしたいのかを明確にし、ロジカルな解決策をつくり、実行する。こうすることで仕事は楽しくなります。
ロジカルに考えるには、型が必要です。ロジカルかどうかは、自分自身ではなかなか確認することが難しいものです。だからこそ、ロジカルな型を使って、それに沿って思考し、行動することをおすすめします。
自分は正しいと思って突き進んでいても、全くロジカルではなかったということはよくあります。
課題解決の技法は、1〜7のステップを踏みます。
研修で、まずはこの技法を伝えずに、好きに課題の設定と解決策を考えてもらうと、1、7のみの順序を踏む人が多く出てきます。2、3、4、5、6を抜かしてしまうことで、非論理的になってしまうのです。
これは、論理の飛躍であり、成果につながることはなかなか難しいと言えます。
だからこそ、ロジカルな課題解決の技法を知り、実行してもらいたいと思っています。
では、次から具体的にステップを見ていきましょう。
課題解決の技法―― シンプルなステップ
課題解決の技法は、1〜7のステップで成り立っています。初めのうちは少しステップが多いと思うかもしれませんが、一つひとつのステップは時間がかかるものではありません。
また、研修を何度か受けて慣れた方では、1、2、3をまとめて行なうことができるようになり、短時間で完了することもできるようになりますので、あなたも同じようにできるようになるでしょう。
繰り返しますが、この課題解決の技法は、花王の社員時代に私たちのチームが開発し、14年間改良を加えたので、シンプルで効果的なものに進化しています。
やるべきことが明確になり、動きにムダがなくなるように工夫しました。
やるべきステップは次のようなことです。
- ❶ 第一の課題を挙げる ❷ その課題を生み出している事象や困っている状況を挙げる ❸ 事象と困っている状況をグループ分けして整理する ❹ 真の課題を設定する ❺ 「WHY」を4回繰り返す ❻ 解決策を見つける ❼ 具体的なアクションプランを考える
このような流れを行なうことで、本当に解決すべきことが見つかり、効果的な行動を明確にすることができます。
ロジカルな手法です。論理の飛躍も起こりにくく、適切な判断ができるので、成果を出しやすくなります。
ぜひ、仕事を自分事に変化させ、主体的に動けるようになってください。