(本記事は、阿比留 眞二氏の著書『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』ワニブックスの中から一部を抜粋・編集しています)
人間関係、能力、成果は三位一体
社会人になると、様々なストレスを抱えることになります。皆ストレスを抱えながら、ある種それを原動力にしながら仕事に打ち込んでもいます。
しかし、過度なストレスを抱え込んでいると、能力が下がり仕事に支障が出てきます。
仕事で大きなストレスを抱える原因に、人間関係があります。もっと言えば、人生の中での大きなストレスも人間関係が原因です。
「上司との人間関係」「部下との人間関係」「同僚との人間関係」、これらはビジネスパーソンのストレスの原因になっていることが多いものです。また、それだけではなく、社外の関係者、お客様などとの人間関係からもストレスを抱えている人はいるでしょう。
ストレスを抱えると、精神状態が悪くなります。イライラしたり、感情的になってしまったり、ひどい場合は、うつぎみになってしまうこともあるでしょう。
また、ストレスのせいで、本来持っている能力をうまく引き出せないこともあります。
集中力が下がり、仕事でミスをしたり、ぼんやりしてしまうことも多くなってしまいます。
そもそも仕事には、人間関係がとても重要です。仕事はひとりで完結させられるものばかりではなく、むしろ人と人との関係から成り立っているものが多いからです。誰かと協力することで、うまく回っていくものです。
ほとんどの仕事には人間関係がヒモづいているので、どうしても人と良い関係をつくることが必要になります。
仕事上の人間関係がうまくいかなければ、チームワークも崩れますし、社外の関係者との連携もうまくいかなくなってしまいます。
ボロボロになったベテラン社員の場合
私がコンサルをしている会社に、30代の男性ベテラン社員Cさんがいます。
その人は、一生懸命働いているのですが、社長がメモを取れと言っても一向に取らないので、注意されることが多くなっていました。あるとき、みんなの前で強く叱責(しっせき)されました。
メモを取らないこともいけないことではあるのかもしれませんが、そのせいで彼は強いストレスを抱えたのです。
そうこうしているうちに、仕事をする気力がわかなくなってしまいました。
私は社長とCさんの関係改善を試みました。
以前、Cさんが「もっと製品の質を高められる会社だと思っているから、頑張りたい」と言っていたのを思い出し、社長に伝えてみたのです。会社のことを考えて働いていると伝えたのです。
第三者から社長に伝えることで、社長も姿勢を変えるようになり、今では良好な関係に戻りました。
私が伝えたからだけではなく、Cさんの努力や周りの人の取りなしもありました。
人間関係の悩みがひとつなくなったCさんは、それからは仕事に熱心に取り組めるようになりました。
人間関係の悪化は、このように大きな悩みとなります。でも、原因をつきとめて改善さえすれば、良い状態で仕事に邁進(まいしん)することができるようになります。
だからこそ、人間関係を良好にすることは、社会人として大切なことです。
人間関係のせいで、意欲が下がり、仕事に行きたくなくなる、能力が発揮できないということは避けるに越したことはありません。
人には、様々な人間関係のストレスがあると思いますが、課題解決の技法を使って自分に合った改善策を考えてほしいと思います。
嫌いな人、苦手な人とのコミュニケーションを改善するには?
私がコンサルの現場に行き、社員の人々と実際に話して感じたのは、人間関係のストレスの原因には大きく3つがあるということです。参考にしてみてください。
- 価値観が合わない
- 世代間のギャップ
- 自己肯定感の低下
です。
相手を嫌いだ、苦手だと感じてしまう要素としては、このようなことがあります。こういった原因のせいで多くの人が悩んでいるように感じました。
人は今まで生きてきた中で、そして仕事を通じて、自分の価値観が形成されています。
その価値観に合わない人とは、なかなかいい関係を結べないのです。自分の価値観から外れている人は、嫌いであったり、苦手な人だと認識してしまいます。
そして、世代間のギャップでも、皆苦しんでいました。それぞれの年代で、時代の雰囲気というものがあり、また仕事のやり方も違います。そうした違いからすれ違いが起こり、人間関係がこじれていることが多いのです。
また、自己肯定感が下がると、ちょっとしたことで感情を乱したり、内にこもるようになり、コミュニケーションがうまくいかなくなってしまいます。
しかし、相手との協力と歩み寄りがなければ、ビジネスはうまくいきません。
もし、今人間関係に悩んでいるのなら、課題解決のステップに従い解決していきましょう。