(本記事は、阿比留 眞二氏の著書『紙1枚で仕事の課題はすべて解決する』ワニブックスの中から一部を抜粋・編集しています)
理想のキャリアを見つける3つの輪
では、自分の理想のキャリアを形作るにはどういった視点を持つことが必要でしょうか。自分の理想がわからないという人もいるでしょう。
アメリカに、エドガー・シャインという心理学者がいます。その人は、3つの輪という考え方を提唱しています。
自分のキャリアを形作るときに、3つの観点から考えようというものです。
- あなたのやるべきこと
- あなたのできること
- あなたの好きなこと
「やるべきことの輪」「できることの輪」「好きなことの輪」の重なり合う部分に、自分に適したキャリアがあるというのです。
これを真剣に考えていくと、多くの道が自分の前に広がっていることがわかります。
もし、迷った場合は、「自分のやるべきこと」を最優先に考えて、キャリアを決定してみてください。
「やるべきこと」への思いが強ければ、心のバックボーンになるからです。これ があると、挫折することはありません。とにかく、自分自身で納得できるキャリアを進むことです。キャリアのために、自分を成長させ、人生を豊かにしましょう。
キャリア形成には、社内で頑張る、転職する、独立するなど、大きくは3つの道があります。働き続けるための選択肢はこれだけあるということです。
予測には意味がない!ブレずに必要な力をつける
将来のことを考えるのは、楽しいですが、難しいことでもあります。
社会の変化はなかなか読めません。
だからこそ、自分がブレずにやれることを見つけるしかありません。自分主体で生きることが正しいのです。自分が充実感を得られていれば、長く活躍できますし、稼ぎ続けることができます。
自分の将来への欲求を知り、それを達成するために成長していきましょう。自分を知ることで、自分のなりたい姿が明確になり、なんの力を伸ばしていけばいいのかも明確になっていきます。自分の興味があることや、自分に必要なこと、やりたいことを選択することができます。
そして、ひとつでも二つでも手をつけておくのです。早い段階から、キャリアを意識することで、自分に要な力もつけられます。
多くの人が、会社から与えられたキャリアを無意識に歩みます。しかし、終身雇用や年功序列は終わりを迎え、個人の力が注目されています。
実力がより重視される時代だからこそ、理想のキャリアに必要な能力を明確にして、身につけていってください。
キャリアパスに乗るのではなく、自分自身がやりたいことを実現するための勉強になる仕事を選んでいってください。
理想の自分のイメージをブレさせないことです。
もしかしたら、理想の実現までに時間がかかるかもしれませんが、焦らないでください。自分主体の人生を楽しみながら、歩んでください。
あらゆるものから自由に動けるまでは時間がかかるかもしれません。
私自身、今のキャリアを築くまでに、嫌なことも数多く経験しました。
ですが、課題解決のコンサルタントになるとブレなかったので、実際になれているのです。
どうなるにしても会社とはいい関係を保つ
理想のキャリアを歩むためにといっても、今いる会社をやめて外に出なさいと言っているわけではありません。
必ず転職しなければならないわけでも、独立しなければならないわけでもありません。
多くの人が、今所属している会社に愛着があるはずです。しかし、あらゆる可能性を残しておく必要はあります。
そこで、今の会社で、理想のキャリアに必要な能力を磨きつつ、様々なことに対応できるようになりましょう。
理想のキャリアを想像すると、努力するべき部分が見えてくるはずです。
理想のキャリアをつくるために、今の会社の待遇に反発する必要はありません。敵をつくるのは得策ではありません。私自身、独立した後も、前の会社の人々と交流を続け、情報交換をしています。
会社と摩擦を起こすのではなく、会社の枠から一時的に離れて考えるのです。会社の用意したキャリアパスを歩むのではなく、自分が必要なスキルを身につけるように動くのです。
ある職位になるために、定型の経験や順序に乗るのではなく、理想を実現する力を磨くのです。
会社にいながら主体的にキャリアをつくるには、どう動けばいいのか、誰とつながればいいのか、と考えるクセをつけてください。