(本記事は、加藤俊徳氏の著書「脳が若返る最高の睡眠 寝不足は認知症の最大リスク」小学館の中から一部を抜粋・編集しています)

ワーカホリック
(画像=Altitude Visual/Shutterstock.com)

死ぬ気で働き続けるな!

今、若い医師のうつ病が増えています。長時間の不規則労働に加えて、経験は浅いが責任のある立場、医療行為自体への不慣れなどのプレッシャーがあります。しかし彼らを追いつめる最大の原因は、寝不足です。強いうつ傾向は、若い医師の約20〜30%に見られるという調査も出ています。

自殺する者も少なくありません。私はここまで医師として何とか乗り切ってきましたが、明らかに私もおかしくなった時期がありました。

医学部を卒業した20代後半には、研修医(当時は制度化されていませんでした)として、時間的に大変不規則な、医局勤務を経験しました。朝8時から夜8時まで12時間勤務した後に、当直医として夜通し12時間働き、そのまま、翌日の朝8時から夜8時まで12時間勤務するのです。つまり36時間の連続勤務です。宿直中は、急な患者さんがいない場合は、2時間ほど眠れる場合もあるのですが、何回も起こされることが多く、眠れないことがほとんどでした。

この36時間勤務がほぼ休みなく続きます。この過酷な長時間勤務は、非常にきついものでしたが、実際は、「きつい」と自覚している暇も余裕もありませんでした。

若く、経験の少ない医師が寝不足の中で生命を預かる仕事をするのですから、その緊張感はものすごいものがありました。そのために、勤務後に与えられる短い時間帯での虚脱感と疲労感も大きく重いものでした。

若い医師だけではありません。電通の女性新人社員が不眠不休で働き、上司のパワハラも加わって自殺した事件や、NHKの女性記者の過労死は社会的に大問題に発展しましたが、これらのケースも氷山の一角に過ぎません。寝不足から自殺に至るケースはありますが、一般的に自殺まで追いつめられる場合のほとんどはうつ状態にある可能性が高いと考えられます。

英国オックスフォード大学自然研究センターのホートンらは「うつ病は自殺のリスクを高めるか」というテーマの研究報告の中で、重いうつ病、絶望感や不安障害などの併存障害は女性より男性で自殺のリスクが高まると指摘しています。寝不足が脳の働きを低下させて、考える力や生きる力を奪ってうつ病が重くなっていくのです。うつ病を放置すれば、自ずと自殺の確率は高くなります。

「ショートスリーパーは優秀」という迷信

「ショートスリーパー」という言葉がありますが、欧米でも睡眠時間が短くてよく働く人は、少し前まで、尊敬の的になっていました。

ナポレオンは、3時間の睡眠で、活躍したと言われています(※1)。発明王のトーマス・エジソンも、4〜5時間の睡眠で、その後の世界を変える多くの発明をしました。英国の首相だったサッチャーも、短い睡眠であることを公表していました。

少し前まで、日本でも世界でも、睡眠時間を削って、夜遅くまで勉強する、仕事をすることは、頑張っていることと同じ意味を持っていました。

中でも、勤勉な日本人にとって、眠らないで努力することは、道徳的にも正しい行為でした。バブル時代には「24時間戦えますか」というキャッチコピーのCMが流行語になったくらい睡眠の大切さが軽視される傾向さえありました。今でも一部の職場では、「俺なんか、何時間しか眠っていないよ」と、睡眠時間の短いことを自慢するような風潮が残っています。

また、1日徹夜をすると大瓶ビール1本を飲んだ時と同じくらいにパフォーマンスは低下します。日本人は世界でも生産性の低さがたびたび話題に上りますが、こういうところにも原因の一端が隠されているような気がしてなりません。一昔前の根性論、精神論ありきという弊害です。まずはその意識を変えていくことが大切です。

数々の科学的な発見をしたアインシュタインは9時間以上眠るロングスリーパーとして有名でしたし、世界有数の富豪でもあるアマゾンの創始者ジェフ・ベゾス氏も8時間睡眠の必要性を訴えています。ショートスリーパーほど優秀だというのは幻想に過ぎないのです。

(※1)  もっとも彼の側近であったブーリエンヌが書き残した回顧録によると、ナポレオンは1日に昼寝を含めて、合計6〜8時間ほど眠っていたという説もあります

寝不足が続くと認知機能の低下が始まる

50歳を過ぎると一日一日と気になるのは、自分の脳の衰えです。一晩寝て、朝起きてスッキリしていれば、昨日よりも一歩進んで成長した気になります。しかし逆に、寝不足だったり、夜間中途覚醒して目覚めが悪い朝は、昨日より一歩も二歩も後退して、自分が認知症に向かっているのではないかという漠然とした不安が脳をよぎります。

私が睡眠時間を削るようになったのは、中学時代からです。その頃は、睡眠を削ってまで、深夜に筋トレや柔軟体操など数々の自作メニューをこなしていました。さらに、夜中遅くまで勉強する習慣は、医学部入学を目指し始めた高校時代から徐々に加速し、2年間の浪人生活で完全に身についてしまいました。そして、50歳過ぎまで、ずっと寝不足を続けてきました。その間、短い睡眠時間に対する疑問を、全く感じていなかったのです。

しかし数年前から、私は、一生懸命に学び、仕事をしているのにもかかわらず、記憶力が悪くなっただけでなく、日々の生活実感が薄らいできました。さらに昼間、人前で立って講義しているのに眠くなるという事態にまでなり、自分自身の睡眠状況を詳しく分析することにしました。すると、1週間に睡眠時間が5時間未満の日が3日、5時間以上6時間未満の日が4日という結果に驚きました。つまり6時間以上眠っていないことが常態化していたのです。まれに7時間以上眠れた日は講演で地方のホテルに滞在した時だけでした。

これまで私は「脳科学は人格形成の修業である」と考えてきました。脳科学は知識を学ぶものではなく、自分で実践して体得するものであるという信念で研究・治療を進めてきました。しかし、脳科学を研究する身でありながらも、自分自身の睡眠のための脳の使い方には、大きな失敗をしていました。

世の中には、寝不足によって恩恵を受け取れない人=「寝損する人」と、十分に眠ることで恩恵を受け取れる人=「寝得する人」がいます。

下図1に示すように寝損する人では年齢とともに脳の認知機能が下がり、寝得する人では認知機能が上がるか、下がりにくくなります。寝損タイプの人たちは、もっと眠って認知機能が向上する生活に変える必要があります。寝不足を放置すれば、現在は健康な脳の状態であっても、認知機能の低下が始まります。そして、自分では何だか脳がおかしいと感じる自覚的認知機能低下(SCD)のステージにいきます。SCDの段階で認知症の検査を受けても、ほとんどが問題なしの結果となり、健康と言われます。SCDのステージからさらに認知機能低下が進むと、軽度認知障害(MCI)のステージに入ります。ここで初めて、認知機能の低下、特に記憶障害が、検査結果として出てくるのです。

脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク
(画像=脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク)
図1

寝不足で起こる5つの脳ダメージ

医療テクノロジー
(画像=PIXTA)

睡眠は、人の脳を守る重要な働きをしています。寝不足による主な脳へのダメージは次の5つです。それぞれを簡単に説明していくことにします。

①脳の老廃物を効率よく排出できない

睡眠が、脳の掃除の主な役割をしていることが明らかにされつつあります。2013年、この脳の清掃、排出作用に関する新発見がありました。それは、米国ロンチェスター大学医療センターのネデルガードによって示された「グリンパティック(glymphatic)システム」の発見です。

その発見とは、「脳のごみ処理」のことで、日中に比べて睡眠時に、脳の老廃物の清掃より効率的にしているというものです。脳の「グリア細胞」は神経細胞の働きを助けています。神経細胞の活動が低下している睡眠中には日中よりグリア細胞が縮み、リンパの流れを増やして脳から老廃物を効率よく排出する働きをしています。

この脳の掃除により、脳内に残っているAβやタウタンパクなどの老廃物が洗い流され、覚醒時の約1.6倍の効率で、脳をキレイにしてくれます。この掃除がしっかりされると認知症のリスクが軽減できます。

脳は頭蓋骨(ずがいこつ)に守られ、硬膜(こうまく)・くも膜・軟膜という3層の膜に覆われ、その中で髄液に浮かんでいます。髄液は、約99%が海水のような成分の液体です。一方、脳は脂質やタンパク質でできていますので、油のかたまりが水に浮いているような状態です。

脳はブドウ糖を消費して活発に働いています。脳の重さは全体重の約2%なのに、全身のエネルギーの約18%を消費します。そして、その結果、大量の老廃物が出るので、睡眠中に清掃を行っています。ですから、寝不足があれば、脳のお掃除タイムが取れないということになります。たとえば、家や会社の下水がもし詰まったらどうなるでしょうか。

寝不足による影響は、まるで脳の下水が詰まるようなものなのです。

②海馬を傷つけて記憶力が低下する

記憶の定着は、睡眠中にも行われます。

次のようなドイツ・リューベック大学のディケルマンらの報告があります。

入眠直後に脳波は、覚醒時の状態とほぼ同じで、12Hz(ヘルツ)以上のβ波を示していますが、睡眠が進むと徐波と呼ばれる0.5〜4Hzのデルタ波(※2)が出現します。この徐波睡眠(ノンレム睡眠の中で、大脳まで休息する深い睡眠のこと)のステージが一時的な記憶を保持している脳のネットワークから長期的な記憶保存をするほかのネットワークへ記憶の転送を促進していることが分かってきました。

つまり、徐波睡眠という深い睡眠がとれないと、長期記憶が形成されないのです。記憶の定着は、浅い眠りのレム睡眠時に行われるという考えが、これまでは一般的でしたが、深い睡眠も必要であることが分かってきたのです。

記憶の定着には、海馬が関与していますが、海馬は、寝不足によって傷付き、萎縮が起こります。この海馬を萎縮させないためには、レム睡眠も徐波睡眠も必要、ということになります。

つい最近、私の妹から「実家を整理していたらお兄さんの枕が出てきたよ。でも、なんか重いと思ったら、枕の中に、本が入っていたの。これって、お兄さん流の頭の良くなる方法?」と連絡が来ました。

当時、必死に受験勉強をしていた私は、寝る時間も惜しくて、寝ている最中に覚えたい内容が書かれている本を枕の下に入れたのです。ところが、枕の下だと本がずれるので、枕の中に入れて寝ていたのです。その本を取り出すのをすっかり忘れていたようです。

話が逸(そ)れてしまいましたが、寝ている最中に記憶力が強化されるのは事実です。

読者のみなさんもテストの前夜に、「一夜漬け」をしたことがあると思いますが、テストの前日までに大量の知識を繰り返し覚えて、試験前日にはしっかり眠ることが大脳生理学的に最も記憶の効率が上がります。

(※2)  脳波計によって計測される高い振幅でゆっくりとした脳波であり、徐波睡眠と関連付けられています

③成長ホルモンが出ずに若さを失う

深い眠りの徐波睡眠では、脳や体で、ホルモン物質の変動が起こります。人の脳内では、夜9時頃から睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が分泌され、入眠します。徐波睡眠に入ると、脳の視床下部↓下垂体を経て副腎(ふくじん)から分泌される抗ストレスホルモンの「コルチゾール」(※3)の働きが低下します。「コルチゾール」は、朝5時〜9時頃までの間に最も多く出るのですが、夜間には徐波睡眠とともに低下します。そして、人を動かす脳内物質の「ノルアドレナリン」の活性も徐波睡眠とともにも低下します。

さらに入眠時にはメラトニンが十分に出た後で、成長ホルモンの放出が急に起こります。徐波睡眠は眠りの深さによって、1〜4の段階があり、「レベル1」は一番浅く、「レベル4」は一番深い睡眠です。この睡眠のレベルが3〜4の時に、成長ホルモンは大量に分泌されるのです。

成長ホルモンは、全身の細胞をつくる命令を出すホルモンです。

「成長」という言葉がついていますが、成長期だけでなく、全人生において、骨・筋肉・臓器・血液など、全ての細胞をつくる指令を出しています。

つまり、成長ホルモンの分泌が悪いと、新しい細胞がつくりにくくなるのです。

この成長ホルモンは、入眠後の最初の深い睡眠で強く分泌されますが、浅い睡眠ではほとんど分泌されません。

脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク
(画像=脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク)
図2

また、成長ホルモンの分泌は睡眠の時間帯に限定されています。夜10時から夜中3時頃までの睡眠では大量に分泌されますが、この時間帯をはずすと分泌量は大幅に減少します。

成長ホルモンが少ないと、体の修復が十分にはできません。古くなった細胞、傷付いた細胞のつくり直しが不十分になるのです。結果として、活動後の回復が難しくなり、疲労が蓄積します。全身の細胞の新陳代謝が遅くなり、老化も早まります。

成長ホルモンが出る時間に深い睡眠を取ることは、若さを保つ秘訣でもあるのです。

睡眠が邪魔されれば、脳波は、覚醒時と同じβ波のままでとどまり、深い眠りのデルタ波に変化しません。そのために、副腎皮質(ふくじんひしつ)からのコルチゾールの分泌が低下せず血圧を下げる効果も低下します。深く眠れない人は血圧も高くなるのです。

(※3)  炭水化物、脂肪、及びタンパク代謝を制御する生体にとって必須のホルモン。ストレスを受けた時に分泌が増えます

④早朝にドーパミンが出ず、やる気が起きない

しっかり睡眠がとれた脳は、朝目覚めると、クリアな状態で活動を開始できます。

この朝の脳を活性化する要因が脳内神経伝達物質「ドーパミン」の分泌です。ドーパミンは、嬉しい時に脳内で分泌される物質で、やる気を出させ、人を覚醒させます。

スペイン・バルセロナ大学のゴンザレスらは、睡眠調節の制御におけるドーパミンの新しい機能を発見しました。メラトニンは入眠時・睡眠時には必要なホルモンですが、朝起きるときに残っていると、目覚めを妨げます。そのメラトニンを止める効果が、ドーパミンにあったのです。朝、ドーパミンが分泌されることでメラトニンの分泌を止め、脳や体を覚醒させます。この働きによって、概日リズムを守り、脳の活動をその日の時間に適応させることを可能にしているのです。

早朝の脳が高性能であることを知っている人は多く、有能な経営者や人気作家、エリートビジネスマンなど、早朝に難解でクリエイティブな仕事をする人は多くいます。しかし、しっかり早朝にドーパミンが出なければ、早朝覚醒が悪いまま午前中を過ごすことになります。これでは、いつまでたっても勉強や仕事に集中できません。

こうした早朝覚醒がうまくいかず寝損する人たちは、ADHDと呼ばれる発達障害や、うつ病の人に多く認められます。

発達障害では、寝不足が継続すると症状が出やすくなります。特に、ADHDでは、昼間の覚醒が低下しやすいので、寝不足は天敵です。ADHDの素因に寝不足が加わると症状が重くなる傾向があります。また、大人のADHDの中には、子どもの時には認められなくても、40歳代、50歳代になり、寝不足から発症するケースがあります。

また、うつ病の初期では寝不足になっていることが多く、「寝不足はうつ病に直接つながっている」と考えられています。うつ病には、日本人の100人のうち15人、つまり15%の人が、一生に一度はかかります。女性の場合は4人に1人です。

⑤脳と体に炎症を起こす

睡眠が免疫機能(めんえききのう)を調節していることは、多くの研究で明らかにされています。免疫には、体内に入ってくる細菌やウイルスを倒す役割がありますが、この免疫の力は睡眠によって強化され、維持されています。「寝不足の時に風邪をひきやすくなる」のはこのためです。

そして、免疫の問題は、他の重大な問題にもつながっています。それは炎症です。炎症反応は、免疫が機能して、ウイルスや細菌と戦っている時に起きます。皮膚などが赤くはれて熱感がある状態です。

また、この炎症は、細胞を傷付けたりした時や、細胞に強いストレスがかかった時にも起きます。そして、炎症の中には、長く続く慢性のものがあります。この慢性炎症は、非常に危険なものです。多くの生活習慣病やアルツハイマー型認知症が悪化する原因になっている可能性が指摘されています。

寝不足は、この慢性の炎症を引き起こすのです。長い間睡眠時間が短い状態で過ごしていると、コルチゾールとカテコールアミン・サイトカイン(IL‐6、TNF‐α)の血中濃度の増加によって、ストレス性の炎症反応を引き起こします。

また、これと同様に、加齢で睡眠時の徐波睡眠の時間が減少するケースでも、免疫機能が低下したり、全身に軽い炎症反応が起こりやすくなると言われています。通常、病院の外来では採血によってC反応性タンパク質(CRP)を調べます。この値が高ければ、全身に炎症が起きていることが判明します。米国アリゾナ大学のパルタサラティらは、血清中のCRPを調べて、不眠症と炎症反応の関係を調べました。そして、持続的不眠症ではCRPが高く炎症反応が起こっていると報告しています。(図3)こうした炎症性の反応が、脳でも起こりアルツハイマー型認知症の発症に関与していると考えられています。

脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク
(画像=脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク)
図3

さらに、前出のパルタサラティらは、成人を20年間追跡して、不眠症が生命予後にどれだけ関係しているかを調べています。そして、このCRPの値が生命予後に強く関係していると指摘しています。下図4を見てください。不眠症なしと断続的不眠症に比べて、持続性不眠症では、累積生存率が、年を経るごとに大きく下がっていることが分かります。これらの研究からも、睡眠中の徐波睡眠が、免疫反応を調整し、炎症をおさえるために重要な働きをしていることが分かります。このような正しい睡眠ができていれば、体を守る働きが強くなり、脳の疲れも睡眠によって回復します。

脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク
(画像=脳が若返る最高の睡眠: 寝不足は認知症の最大リスク)
図4

また、寝不足によって、体の代謝が上がり、体温も上がります。心拍数も増加しますが、必要以上に体の免疫系を動かしてしまい、免疫細胞と呼ばれる白血球の中のナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを低下させることも知られています。

腸のことだけ考える』
加藤 俊徳
1961年、新潟県出身。医学博士。脳内科医。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。株式会社「脳の学校」代表。発達脳科学・MRI脳画像診断・認知症などの専門家。1991年に開発した脳活動計測「fNIRS法」は世界700カ国以上で脳研究に使用されている。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像法の研究に従事。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、1万人以上の診断、治療を行う。

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