新規上場企業トップに聞く

ランサーズ,秋好陽介
(画像=THE21オンライン)

日々目まぐるしく変化するビジネスの世界で、成功・成長している企業はどのような仕事をしているのか。仕事を依頼したい企業と受注したい個人をつなぐサービスで事業を拡大し、上場へと導いた経営トップに、その成功・成長の秘訣を聞いた。

「誰でも、どこでも働ける」大学生時代の原体験

当社は12年前に、仕事を頼みたい企業と仕事を受けたい個人(ランサー)をネット上でマッチングするサイトを、日本で初めて立ち上げました。これまでにご利用いただいた企業数は約35万社。登録ランサー数は100万人を超えています。

このサイトを立ち上げたのは、企業と優秀なフリーランスの間のギャップを埋めれば、世界を変えられると考えたからです。

私は大学生時代に旅行サイトを運営していて、広告収入を得ていました。大阪府の田舎のほうに住みながら、会ったこともない東京の企業の方と大きな金額が動く仕事をしていたのです。ネットを使えば、個人でも、どこでも働けることに驚きました。

ところが大学卒業後、大手IT企業でネットサービスの仕事を始めると、発注先は大手企業ばかり。フリーランスに頼むほうが割安で、納期までの時間も短いと言っても、当時はオンラインマッチングサービスが出始めたばかりで、先進的なことでしたので、「個人への発注はリスクが高い」と言われ、なかなか話が通りませんでした。

しかし、フリーランスに発注するリスクというのは、きちんとした仕組みを作れば、大してないのではないか。フリーランスと企業をつなぐサービスがあれば、フリーランスに発注する企業はあるはず。デジタルデータでの納品ならネット上で仕事を完結できますから、山奥に住みながら東京の大手企業と仕事をする人も現れるでしょう。これが実現できればすごいことじゃないかと思いました。

当時はまだそうしたサービスは見当たりませんでした。ならば自分がそんな世界を作ろう、と考えたわけです。