ZUU onlineが開催している、経営者が知っておくべき「新型コロナウイルス後の○○」をテーマにしたZoomによるウェビナー。5月7日(木)13時からは、マーケットリバー 代表取締役、元楽天IR部長の市川祐子氏に「有事のIR・コーポレートコミュニケーションー楽天IRの戦いから得られたことー」を聞いた。
※本記事はウェビナーの収録内容をそのまま書き起こしたものです。
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GMO インターネット、電子契約サービスをお客様に無料提供
市川:もう一つは GMO インターネットさん。決算発表は来週なんですけれども熊谷CEOがこのコロナ関連の情報発信というのを積極的に行っていらっしゃいます。この状況が2年続く前提ですべてを変えるとおっしゃっていらっしゃって、在宅勤務もいち早く1月26日から始めています。
市川:ほとんどが在宅勤務の中で最後の課題は印鑑であると。これはインターネット企業みんなが思っていることなんですけれども、まずは自社のサービスで銀行・証券も印鑑を廃止する。GMOさんならではだと思うんですが、GMOの電子契約サービスをお客様に提供すると、無料提供する。将来のビジネスのチャンスにもなりますよね。今非常にいろんなことが変わっていることをご自身で発信されていらっしゃいました。
市川:もうひとつ印象に残ったお言葉が「来るべき未来がコロナのおかげで早まっただけだ」という風におっしゃっていて、こういう情報発信っていうのも非常に役に立つんじゃないかなって思いました。一番大事なことではあるんですけども、なんでこれを3つ目に持ってきたかっていうことをちょっとお話ししたいと思います。株式評価のモデル、 PER とか DCF とか色々ありますけれども今日は PBR プライスブッキングバリュレシオですね。一株当たり純資産と倍率なんですけれども、最初にお話ししたのは1番目この右下の不安とかリスクです。純資産と倍率が株主の取り分と倍率なんですけれども、この倍率っていうのは計算だけじゃなくて比較的目に見えない不安とか期待でも上がったり下がったりするんですね。不透明な状況だと不安で倍率がキューってちっちゃくなって、それに合わせて株式評価もキューってちっちゃくなる状況です。
まず不安を正常化し、変化への対応によって期待・評価へ
市川:まずこの不安を正常化する、そして株主の取り分である純資産がちゃんと守られるということを最初に分かってもらってからじゃないとなかなか成長とか期待っていう3番目の所に気持ちが行かないですね。人間の心理としてそういうことだと思うんですけれども、そういうことでいうとまずデータとかキャッシュとかデータでちょっと冷静になってもらって安心してもらって、それから成長の話、シナリオの話いうところに持って行ってもらいたいという風に思っています。ということで3つ目のポイントは変化への対応。これによって期待そして評価を得るということをトーキングポイントとしてもらいたいと思います。質問とかもしあれば。
斎藤:視聴者の方からは入っていないんですけれども、あの結構すごく高度なコミュニケーションだなっていう風にちょっと思ってまして。変化への対応って結構皆さん不安の中で対応、自身も不安の中で対応していると思うので。その対応そのもの、例えばZUUの観点で言うと、デジタル店舗っていうことをやっていたりとか、このウェビナー自体も今までやっていない初めての取り組みだったりするんですね。じゃあそれをどう表現していけばいいのとか、期待につなげていけるのか、あるいは逆の防いでいくことにつながるのみたいなものがもしお聞かせいただけるとと思いますね。
市川:はい。あのさっきので言うとですね。短期のところを一生懸命多分行っていらっしゃるなと思うんですね。ZUUさんの場合でもこういう風にオンラインでいっぱいウェビナーをやる事っていうのはまず上の方のことをだと思うんですよね。下の方はもうちょっとよく考えないと出てこないか、外にいう段階ではないかもしれない。であれば全部いっぺんに出す必要はないので、まずその短期のウェビナーを沢山やってます。多い日は日に3コマもやってますと、その結果として、もしかすると新しいビジネスが見えてくるかもしれないのでもう少々お待ちくださいでもいいんですよね。
市川:3か月後の決算発表のときに、まあ3か月やってみた結果、次ちょっと有望なのがこれとこれとこれで、この中で手探りでやっていきますっていう、そういう継続的なコミュニケーションにつなげていくのでも十分いいと思います。
市川:質問の見え方がわかりました。
斎藤:質問が入って、コロナ以降に悪手だと感じるようなIRを出されたところはありますかと。企業名はちょっと控えたほうがいいかなと思うんですが。何でも具体名言えるんだったらもちろんどうぞ。
市川:今悪いとか良いと判断出すの難しいと思うんですよね。もうちょっと1年くらい経たないと良いとか悪いとか言えないかなという風に思っています。まあ一つ言えることで言うと業績予想を出す時に最初申し上げましたけど無理に出してそれを守らなきゃいけないっていう風な思いにとらわれすぎるのは多分よくない。出さないのが良いのか悪いかもちょっと分からなくて、業績予想を出さない場合には何らかの考え方を示すとか、例えば先行指標でこれを見ていますとかっていう風に言えばいいと思うんですけども。
市川:出す場合には、それにとらわれないっていうことが良いことかなとも。もう一つ悪いのは全然出さなくなっちゃうていうのが多分一番良くないですね。本当に決算に必要なことしか出さない。決算の取りまとめに時間がかかるのでいつもより1週間ぐらい遅くてで、その時も必要な必要最低限の情報しか出さないっていうのも、それが一番良くないと思います。
斎藤:タイムリーじゃない情報を出していくってのが一番悪手だなっていう感じですね。
自信がない時に自信がなさすぎる態度は良くない
市川:自信がない時に自信がなさすぎる態度が良くない。人間のコミュニケーションで、スライドが良いとか悪いとかじゃなくて、自信のなさを表に出さしすぎるのはあまり良くない。
市川: 4つ目のポイントに行きます。4つ目はステークホルダーとの関係です。顧客、従業員、取引先への対応です。いつも株主からはあんまり聞かれてないことなのかもしれないんですけれども、去年辺りから欧米機関投資家でもステークホルダーをもっと重視しようをみたいな流れがあって、そこにコロナがあって株主還元を無理にしなくても従業員の支援をしたほうがいいよっていう人も出てきているぐらいなんですね。配当ゼロにしていいよとか、そういうことというよりは、むしろこの会社が、会社ってのは株主の物ですから、持続的な成長するためには従業員であったり取引先であったり、お客さんっていうの大事にしないと回っていかないよねっていう、そもそもの会社の存続の問題。こういうことをきちんとやってると社会に必要な会社なんだよねっていう風に思ってもらえるって言うことが重要です。
市川:たとえば従業員の支援としては、テレワーク体制を導入するにあたってパソコンとか買うので支援したり、危険手当みたいなものを出したり、お客様にサービス提供遅れたら、それに対して何かやるとか、そういったことでもいいと思います。
SHIFT、決算発表で人事戦略と中計を発表
市川:事例としてシフトさん挙げたいと思います。この会社は、もともとソフトウェアのバグ取りから始まった会社なんですけれども、エンジニアをいろんな企業に派遣しています。いろいろな企業に派遣しているっていうことは、在宅勤務のあり方ってちょっとバラバラなんですね。社内外の感染防止策っていうのは結構難しい状況です。オンサイトであったり、顧客側のオンサイトであったり、シフトの会社の中の拠点であったり、在宅勤務も色々あるんですけれども、まずお客様に3段階で在宅勤務を提案しています。それからどうしても在宅できないエンジニアには危険手当を出すことをしています。これは4月9日に決算発表を行ったんですが、この時に一緒に人事戦略と中計を出しています。
市川:決算が良かったこともあって発表後の株価は7000円ぐらいから9000円ぐらいには急激に上昇して、今も大体9000円前後を推移しているということで、この事例は先ほどご紹介したスチュワードシップ研究会でも機関投資家から取り上げられてちょっと話題になりました。
斎藤:すごいですね。30 %上昇できる決算発表って言うのは、なかなかそんなに多くない。30 %はないなと思います。素晴らしいですね。
市川:なかなかない。私も20%もないなと思います。
ステークホルダーとの関係を開示しサステナビリティ強調を
市川:4つ目のポイント、ステークホルダーとの関係をきちんとご紹介・開示することによって、サステナビリティというのを強調することができます。最後のポイントは社会貢献です。社会貢献。単なるいいことをするっていうことよりは本業の事業基盤を通じた社会貢献というものが受け入れられやすいです。 CSV っていうクリエイティングシェアードバリュー、これ社会的利益と経済的利益の共通化みたいなことを言うんですけれども、こういう事業を通じて社会的にも良いとされる活動するっていうのが比較的受け入れられやすいし、やる意味があるという風に思われています。
市川:ちょっとシャープさんのマスクを紹介していますが、こういうマスク作ったりするの多いですよね。これはシャープさんと言うか、鴻海さんが始めたことだと思うんですけれども、非常に良いことだと思います。一見全然関係ない会社もマスク作ったり防護服作ったりするっていうのが、わっと広がっていっているわけなんです。私、一つ重要だなと思ってるのは、これを公表しているっていうことなんですよね。公表したことによって、いろんな会社にその共通の良い行いの輪みたいなのが広がっていくってことが非常に良い効果なんじゃないかなっていう風に思っています。
市川:どうしても日本人っていうのは良い事っていうのは黙ってやるもんだみたいなところがあるんですけれども、コロナの影響で言うと、どちらかというとネガティブな情報ばかりハイライトされてしまって、ちょっと震災の時と比べるとみんなで頑張ろうっていう雰囲気がちょっと出てないような気がするんですよね。そういう意味では、良いことって発表するっていうのは社会を正常化していくことに重要なんじゃないかなと思っています。もう一つ、自治体とかステークホルダーと一緒にやるっていうのは意味があるんじゃないか。先ほどの印鑑もそうじゃないかなっていう風に思っています。
善意の輪、事業を通じた社会貢献で共通善へ
市川:最後の事例、古巣の楽天を持ってきました。楽天は宿泊予約サービス楽天トラベルで契約している宿泊施設のうち、確か3―4万あったと思うんですけれども、全国800施設において新型コロナ感染者のうち、軽症者と無症状者の受け入れを取りまとめて、こういうサイトを作っています。全国のうち宮城県、野球の本拠地では特に関係ができているので、県と施設と楽天との3者で感染者受け入れ準備とそれから運営、終了後の集客などに共同で取り組むことに合意しています。
市川:皆さんもしかしたらご存知かもしれませんが、楽天の会長兼社長の三木谷さんは個人で所有している大阪のホテルを提供するって言うのを、これより少し前に発表しています。これは聞いた話ですけれども、それを発表した理由っていうのは、別に USJ の隣にでっかいホテル持ってることを自慢したいわけではなくて、それは今までわりと伏せられてたんですけれども、自分がそういう施設を提供するってことを発表すると、それに続いてくる人がいるんじゃないかということで発表したと聞いています。実際この800施設まで手を挙げましたし、他のアパホテルさんも色々やっているので、実際に補助金とかがもし出るのであれば、それは小さなホテルとかにお譲りすると言っているので、三木谷さんのホテルが使われるかどうか分からないそうなんですけれども、善意の輪が広がっていくってことを期待していいんじゃないかなと思ってます。
市川:5つ目のポイント、事業を通じた社会貢献で共通善というものが広がるという風に私は思っています。実際、私が経験した中で言うと東日本大震災の時というのは、こういうその事業を通じた社会貢献というのがとても見直された気がします。若干ちょっと戻っちゃった気がするのが、このコロナになって震災の時以上に注目されているという風に感じています。5つのポイントまとめます。データ、現金、変化ここまでで冷静になってもらって安心してもらって期待を感じてもらって評価につなげる。ここまではちょっと右脳というより左脳的な感じですけれども、それからステークホルダー、社会との関係、少し情緒的なことを伝えることによって、この会社結構いい会社だな、好きな会社だな、前半で価値があるかなっていう風に思ってもらって、共感を醸成していくってことをつなげて行ってもらいたいと思ってます。
窮地の時こそ共感の資本主義
市川:共感のゴール、私のノートにも共感の資本主義っていう記事を書いたんですけれども、いくら安くても共感しない会社にやっぱり投資してくれないんですよね。この会社がいいなっていう風に思ってもらう、価値を感じてもらう、計算もしてもらうんですけど、両方してもらうんですけども、それをやってもらってこそ安心して保有してもらう、そして株を買ってもらう、ここをゴールにしてもらいたいと思ってます。株を買ってもらう。実は上場企業にはこれはちょっと見えづらいことなんですね。未上場の場合だとVC どこが買ってくれたってわかるんですが、上場していると分かりにくいです。
市川:ミーティングのクロージングには投資家に質問してみてください。これが最後です。投資方針にまず変化がありましたか、これは質問しやすいですよね。現金保有比率あげてますとか、あるいはそのアセットオーナーどういう意向がありますか、コロナであっても投資したい企業を聞いてください。最後にどう思いましたかって聞いてみるんです。どう思いましたかって聞くと、まあこういう条件があれば買ってくれますって言ってくれるかもしれないし、引き続き見ておきますぐらいでもいいですけど、そういうちょっとフィードバックを得るっていうのが最後に行って欲しいことです。今日のポイント、窮地の時こそ共感の資本主義です。
斎藤:今お話しいただいてる間に2つほどご質問がたまっているところがありますのでそちらについてちょっと話しを聞きたいと思います。明瞭で事例もありとても分かりやすく勉強になります、市川様が IR を発信する上で最も大切にされているものは何ですか。
市川:そうですね。本にもいろいろ書いたんですけれども、優等生的に言うと正直さと言うか、integrity ていますか、英語で言うと integrity で、日本語で言うと高潔さと言うか透明性の高さみたいな所をまずベースにおいた上で、それからその自分の会社を好きになると言うか、業績が悪い時とか特にそうなんですけれども自分の会社に対してずっとネガティブなことを言っているとも誰も投資したくなくなっちゃうんですよね。なのでこうちょっとこの先3か月全然何も見えないと言う状況であっても自分の会社嫌いにならないで、きっとこれこれいいことがあるはずだという風な思いでやっていました。そういう風にできたことは幸せだったのかもしれないしね。そう思えたっていうことは。
斎藤:楽天さんでも結構そういうピンチだって思うような事ってあったりするのですか。
市川:ピンチばっかりですかね。ライブドアショックの直前に入ったので、三木谷逮捕みたいなスレッドがいっぱい立つわけですよ。ネット上に。それでニューヨークのヘッジファンドから電話かかってきて、東京地検が入ったって聞いたんだけど本当かみたいなの来たりとか。何ですかね。価値があるのかどうかよくわかんない会社とか買収するわけなんですけど、中には全然私が思ってもみないすごい価値を上げた会社とかあるんですね。でもその時は、こんな会社買ってもどうせ後で減損するとか思った会社が後で良くなったりするんですよ。もちろん減損しちゃったこともありますけれども。そういう時はこんな会社買ってどうすんだろうと心の中で思いながらも、これこれこういうことで買う理由があるんですとかっていう風に。自分以外の人はやっぱり肯定してくれないんですから、もう肯定すると、何かあるはずだということでやってました。
市川:もちろんも立場がもうちょっと上で CFOクラスだったらおかしいと思うことはしっかりと社長とかあと経営陣で議論するっていうことをやるのであれば外に対して僕はこういう風に思って社長に言ったんだけど社長はこういう意味があるって言ってるからまぁそれで賛成したっていう風にそういう風に言ったほうがいいと思います。あんまり自分が経営に関わってないのに会社の悪口を言っても良くないという風に思います。
斎藤:次の質問、三木谷さんどんな人ですか。
市川:やっぱり天才なんですけども、時々ついていけないのが正直なところ。天才だと思う瞬間が何回もあって、株主総会の取り回しとかホントこの人天才だなと毎年思うんですけれども、個人の株主さんって、全然斜めの方向から質問してきたりとかするんですけども、それをうまく収めて最後拍手とか起こっちゃうんですね。本当、天才だなと思う時もありもあれば、もうさっきみたいになんでこれやるのか、全然分からなみたいなこともたくさんありました。
斎藤:あまり説明をしてくれない感じなんですか。
市川:説明してもらってもわかんない時もありました。説明する時間がないっていう方かな。
斎藤:結構、飛び回っている感じですか。
市川:そうですね。なので短い時間で察してという感じですね。 斎藤:次の質問、コロナ下だからこそ、効果が高まりそうな情報発信の手段・手法っていうのはありますか。
市川:決算説明会はこの4月、5月の開催は9割がオンライン開催になったそうなんですね。ただそのオンライン開催にも色々あってこういう風にライブで質問ができるパターンと、動画でバーっとやって質問なしで終わりいっていうのもあると思うので、できれば双方向の関係をできるだけ持った方がいいんじゃないかなと思います。
斎藤:SNSはどうなんですか。
市川:SNSはすごく活用できてる会社もあって、最初の事例でいうとサイバーエージェントさんは、色んな SNS で発信していて、中の人みたいなことをするのではなくて、どちらかいうと決算発表でこんなことを出しましたとかですね、こんなニュースを出しましたっていう、割と淡白な感じなんですけども、それでいいと思うんですよ。そういうものでもいいんじゃないかなと思います。
斎藤:淡々とした情報の発信ですね。
市川:それがどれが効いてるのか、ちょっと聞いてないのでわかんないんですけど。やってもいいんじゃないかなと思います。
有事のIR、予定している資金調達計画や支出削減計画の報告を
斎藤:ありがとうございます。せっかくなので少しだけお時間いただいて、オリエンタルランドのようなコロナの影響をダイレクトに受けていながら現金保有率が高い企業であればプラス材料になりうると思いますが、そうでない企業は事実をありのままに伝えるとかえってネガティブな評価をされると思います。観光、レジャー、運輸、ウエディング等の非常にダイレクトに影響を受けている企業にとって、有事の IR では何を心がけるべきでしょうか。
市川:そうですね、気持ちは分かります。ネガティブな影響を受けていて、かつ現預金の状況も薄かったりすると、どうすんだよっていうことですよね。まずそうは言ってもBS の情報は出さないといけないと思います。キャッシュフローの状況も出さないと、そうかキャッシュフローは四半期は出さなくていいですかね。でも計算できますからね。そうするとBS とキャッシュフローの計算できてあるのに、それに対し何も説明しないっていうのはあまり良くないと思います。紙で書かなかったとしても定性的にこれをやろうと思っているって事を口頭で説明するとか。あるいは定性的な文言だけでも紙に書くとか、バランスシートの状況をべろって出す、どっちにしろ短信に出すので。
市川:それに加えて予定している資金調達、あるいは検討中の資金調達計画、例えば政府の緊急保証制度を活用予定とか、今どこまで進んでいる、例えば何か8000万ぐらい申し込んでいて、そのうち何割ぐらいは出来そうだとか、回答はいつぐらいとかっていう、そういう進捗報告でもいいので出しておいた方がいいんじゃないかなと思います。
市川:あともう1つ、支出を下げる、そっちをやってるって言うのもいいかもしれないですね。結局は、現金が尽きてしまうことが問題なので、いつも発生している支出を大幅に下げることができるみたいな、そっちを説明するでもいいと思います。
斎藤:ありがとうございます。最後ですね。コロナウイルスのように、いつまで影響が続くかわからないイベントの定量的なインパクトを見るのは相当難しいと思います。定性的な影響だけでも先に開示すべきなのでしょうか。
市川:定性的な影響を先に開示したほうがいいと思います。ただ出来ることと出来ないことがあると思いますので、定性的な影響、例えばセグメントが2つか3つあって、1個だけはすごくマイナスとか、もしくはその3個あるうち2個はプラスで1個はマイナスとか、売り上げのこの部分に効くけど、こっちの部分には効かない、コストはむしろ減らせますとかっていう、そういう言い方でもいいんじゃないかなと思います。
市川:考え方とか、それも分からないんだと思います。外から見てる人っていうのは。セグメント3つあって1個、これ海外だからすごく受けてんじゃないんですかとかいう質問があっても、実はあんまり受けてなかったりするので、これは海外なんですけどそんなに受けてないんです、そんな言い方でもいいと思います。あと開示するっていうことも、フェアディスクロージャーの範囲で、紙に書くこととOne on One とか説明会で答えることとか口頭で答えることとかという風にレベルを分けるっていうのは、それはフェアディスクロージャールールでも大丈夫なことなのでやってもいいと思います。
斎藤:ありがとうございます。非常に明快に具体的にお話を頂いたんじゃないかなと思います。多くの方にお集まり頂き、質問もかなり盛り上がったのでちょっと時間をオーバーしてしまい、こちらで時間を終了したいと思います。
市川:皆さん、ご参加ありがとうございます。
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