Manegy
(画像=Manegy)

2020年5月19日配信記事より

コロナ感染拡大の影響を受け、急遽テレワークを導入した企業も多かったようですが、テレワーク導入による企業にとってのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

テレワークがもたらす効果

新型コロナウィルス感染予防対策として、全都府県に緊急事態宣言が発令されました。感染をこれ以上広げないため、人との接触を「最低7割、極力8割削減」するというのが、緊急事態宣言に伴う外出自粛要請です。

不要不急の外出を、なるべく減らすということは、誰もが実践しているでしょうが、仕事があるため、人との接触を8割も減らすというのは、現実的ではありません。毎日、満員電車で通勤し、社内はもちろん、外部の人とも接触するわけですから、いくら休みの日に外出を自粛しても、焼け石に水といえるでしょう。

そこで、テレワークを導入する企業が増えているわけですが、テレワークを導入することで、企業にはどのような効果があるのかを、改めて見つめ直してみましょう。

まず、業務の生産性向上とコスト削減、そして働きやすい環境整備、ワーク・ライフ・バランスの向上、さらに、災害時にも事業の継続性を確保することが可能になるなどが考えられますが、それぞれについての効果を見ていきましょう。

生産性向上とコスト削減

テレワークの一番わかりやすい効果は、いつでも、どこにいても働けるため、フットワークが軽くなることです。

たとえば、営業に寄せられる顧客からの技術的な問い合わせには、これまでは後日、技術者を伴って顧客を訪問するか、技術担当者から顧客へ連絡するといった対応です。しかし、テレワークなら、他部門への連絡もその場で行うことができます。

また、テレワークを活用して在宅勤務となる場合は、外部からの電話や来客、同僚との無駄話に時間をとられることなく、集中して仕事に取り組むことが可能となります。

各種調査を見ても、テレワーク実施後は、約9割の企業が「生産性が向上した」「変わらない」と答えています。「コミュニケーションが取りづらく、生産性が下がった」は1割程度ですから、無駄な作業と時間の短縮により、生産性を上げていることがうかがえます。 また、交通費や残業代の節約にもつながります。テレワークを導入した多くの企業では、残業代が10%以上減少しているそうです。

極端なケースですが、全社員がテレワーク可能な企業なら、オフィスそのものが不要となります。そうなると、オフィスにかかる家賃も水道光熱費、備品も必要ありませんから、大幅なコストダウンとなります。

働きやすい環境整備とワーク・ライフ・バランスの向上

テレワークは、働き方改革によって各企業が取り組んでいる、働きやすい職場環境の整備にも、大きな効果を発揮します。

遠距離からの通勤者にとっては、朝早くから出勤する必要がなくなります。また、介護が必要な高齢者を抱えている人や、育児をしながらの就労も、職種によってはテレワークで可能になります。

多様な働き方が尊重される時代です。通勤に要した時間を、自己啓発や趣味に費やすことも、健康管理に役立てることもできるようになるでしょう。そして、家族と過ごす時間が増え、従業員のワーク・ライフ・バランス向上には、とても効果的な働き方です。

さらに、ワーク・ライフ・バランスに力を入れている企業の従業員は、仕事に対する満足度や意欲の向上にもつながり、企業ブランド・イメージもアップすることから、優秀な人材も集まるようになるのではないでしょうか。

事業継続性の確保にも効果

新型コロナウィルスの感染拡大によって、需要増加の傾向を見せているテレワークですが、ここ数年、台風や大雨などの自然災害が多発し、事業活動にも深刻な事態を及ばしている現状を見れば、テレワークが事業継続性の確保にも、効果があることがわかります。 昨年も、自然災害によって交通網が寸断されたことが何度かあり、その都度、帰宅困難者のために会社近くのホテル確保や、出勤時間や退社時間の変更、休日扱いにするといった対応に管理部門は迫られました。

しかし、日ごろから、テレワークで業務を行っている場合は、そういうその場しのぎの緊急対策に翻弄されることがなくなります。今回のコロナ危機をきかっけに、まだテレワーク導入していない企業は、真剣に検討されてはいかがでしょうか。

まとめ

テレワークには多くのメリットがある一方、デメリットもあります。自社の業務を点検し、導入が可能で効果の方が大きいとの判断に至れば、早急に導入を検討することをおすすめします。