(本記事は、たぱぞう氏の著書『40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資』の中から一部を抜粋・編集しています)

日本の投資信託では儲からない理由

40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術
(画像=drobot-dean/stock.adobe.com)

投資信託(ファンド)は「インデックスファンド」「アクティブファンド」に分けられます。私が勧めるのはインデックスファンドですが、順番に説明していきますね。

インデックスファンドとは、運用目標(ベンチマーク)を、たとえば「東証株価指数(TOPIX)」や「日経平均株価」などの「指標(インデックス)」にしている投資信託・ETFです。指標に連動する運用成果を目指す投資手法にのっとっています。

「指数」とはなにかというと、ある地点の株価を基に、株式市場が買われているのか、売られているのかを表す数値のことです。

指数はいろいろあるのですが、とりあえず代表的な日本のよく知られる株式指数を2つご紹介しますね。たぶん、ニュースなどで一度は耳にしたことがあるはずです。

東証株価指数(TOPIX:トピックス)

東京証券取引所第一部(以下「東証一部」)に上場しているすべての企業の株価の時価総額から毎日計算されている指数。

日経平均株価

東証一部に上場している会社のうち、取引が活発で売り買いしやすい225社を選定して算出している指数。「日経225」とも呼ばれます。

簡単に説明すると、インデックスファンドは、こういう指標の変化で儲かったり損をしたりする商品です

たとえば日経平均株価をベンチマークに設定しているインデックスファンドを買うと、日経平均株価に投資しているのと同じといえます。日経平均株価が上がれば自分も儲かる、下がれば損をする……という感じですね。

日経平均株価に連動したインデックスファンドを買うだけで、日経平均株価を構成している225社に分散投資しているのと同じ、と表現してもいいです。

225社の株式を全部持っておくにはそれなりに資金がいります。が、インデックスの投資信託やETFを買えば、それがお手軽にできてしまうわけです。

日本の株式市場にはびこる〈ゾンビ企業〉たち

ただし、これまで述べてきているように、私は日本の株式を買うことは勧めません。

それは日本企業の個別株だけではなく、日本のインデックスをベンチマークにしている投資信託やETFでも同じです。

理由は以下の2つです。

1 日本株市場が長期のボックス相場にあるため

ボックス相場とは、「上下の値動きがある一定の幅に収まっている相場」という意味です。ボックス相場では、安いときに買って、高いときに売るなどのスキルが求められます。

インデックスファンド選びの基本は、「右肩上がりの市場」のインデックスをベンチマークにしているか否か。ですから、上がったり下がったりをただ繰り返すだけの日本の市場ではなく、米国株投資、あるいは国際分散投資が基本です。

2 日本株市場には〈ゾンビ企業〉が多いため

日本の株式市場には、買ってはいけない銘柄が多数含まれています。それは利益の出ていない、本来であれば市場から退場すべき株式銘柄です。これを〈ゾンビ企業〉と呼びます。

東証の時価総額(株価×発行済株式数)が過去最高レベルなのに、ベンチマークとなる株価がイマイチで、ボックス市場になっているのは、この〈ゾンビ企業〉が残っているのが1つの原因です。

なぜ日本の株式市場には、多数の〈ゾンビ企業〉が居残っているのでしょうか。それは、東証は上場の基準に比べて「退場の基準」が甘いからです。上場した時点での業績が維持されなくても、極端に業績が悪化しても、東証一部に居座り続けることが可能な仕組みになっています。

実際に、ほかの市場、東証二部などと比べても、東証一部の企業数は圧倒的に多くなっています。だから時価総額だけは大きくなっているのです。

日本株のインデックスファンド、あるいはインデックスETFが本当に買えるものになるには、指数改革が必須です。

たとえば、「毎年売り上げが年率で〇%伸び続けている」「営業利益率が〇%以上を維持している」「営業CF(キャッシュフロー)が〇%伸びている」「ROE(自己資本利益率)が〇%以上」など、定量的な項目をいくつか設け、それに定性的な評価を加えた、既存のものとはまったく別の指数が必要です。

その目線に合致した企業のみで構成する指数をつくれば、話は変わります。インデックス投資は「右肩上がりで伸びる指数に投資する」のが基本ですから、現状の日本株インデックスでは買えないということですね。

40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資
たぱぞう
月間100万PV 超の投資ブログ「たぱぞうの米国株投資」の管理人。
2000年からなけなしの初任給で日本株を買い始めたのが投資歴の始まり。
リーマン・ショックなどを経つつも辛うじて退場を免れる。
為替が1ドル80円を切ったことから、米ドルに投資資金を切り替え、米国株投資を同時に開始。
途中、奥さんの病気に伴う介護、育児、家事、仕事に追われる。資産以前に私生活が四散寸前になる。
その時に支えてくれた職場の仲間に深く感謝する。
しかし、支えてくれた職場の若い人たちが仕事に熱心で、老後資産など考慮した資産運用をまったくしないことに危機感を感じる。
今考えるととんでもなくおせっかいだが、ともかくそうした現実を目の当たりにし、ささやかな恩返しの意味で人生を豊かにする手間のかからない基本的な資産運用術をブログで綴ることを決意。今に至る。
その時の思いを大切に、「誰もができる投資術の提案」をモットーとしている。
ブログを書きつつ投資顧問にてアドバイザーをしたり、セミナーをしたりして米国株投資広めている。
現在は独立し、資産管理会社経営。

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40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資
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