台風や地震などの自然災害が増加する中、太陽光パネルをはじめとした発電設備に被害が及んでいます。2018年の西日本豪雨では19件、同年の台風21号では23件、太陽光発電設備に土砂崩れによる設備の損壊、強風によるパネルのひび割れなどの被害が発生しました。ただし太陽光パネルが破損する要因は自然災害だけではありません。パネル内部に問題があるケースもあります。

この記事では、太陽光パネルが破損する要因や自然災害による被害、パネルやパワーコンディショナーが壊れたときの対処法・対策を紹介します。

太陽光パネルが破損する2つの原因

太陽光
(画像=andrei-merkulov/stock.adobe.com)

太陽光パネルが破損する原因には、外部要因と内部要因の2つがあります。外部要因は自然災害やカラスなど野生動物からの攻撃といった外側からの被害、内部要因は太陽光パネルそのものに問題があるケースです。また輸送中や施工中に破損してしまうケースもあります。

1.自然災害・獣害などの外部要因

「外部要因」とは、台風が来て物が飛びパネルが傷ついたり、カラスがパネルを壊したりするなど外部からの影響で太陽光パネルが破損してしまうことを指します。近年多い台風や豪雨といった自然災害をはじめ、カラスやシカ、クマなどの野生生物からの攻撃、イタズラで壊される被害も少なくありません。カラスはフンによる被害もありパネルが汚れてしまう事例が見受けられます。

また近隣の住民が太陽光パネルの設置に反対している場合、イタズラされて壊されてしまう場合もあるようです。場所を決める際には現地に足を運んで様子を視察し、災害に関するリスクは自治体が公表しているハザードマップで事前に確認しておきましょう。

ハザードマップポータルサイト

2.太陽光パネルの内部要因

太陽光パネル内部に問題があるパターンです。太陽光パネルで発電した電気を家庭用電気に換えるパワーコンディショナーの故障や太陽光パネルそのものが壊れてしまうこともあります。太陽光パネルが壊れると発電量が減少するだけではなく場合によってはパネルが燃えて火災が起きてしまうことも否めません。

しかし例えば「発電量を定期的にチェックする」「業者にメンテナンスを依頼する」などを行うことでリスクが回避できます。

上記の2つの原因に加えて「施工中に業者がパネルを傷つけてしまう」「パネルを輸送中に振動で傷つけてしまう」という事例もあります

自然災害による太陽光パネルの破損と影響とは

近年世界中で台風や地震、豪雨などの自然災害が急増しています。太陽光発電装置が自然災害により壊れてしまった事故も増えており「台風でパネルが損傷・発火した」「パワーコンディショナーが損壊した」などの被害も少なくありません。台風・豪雨・地震・雪災・ひょう災による設備への被害について見ていきましょう。

台風

台風による暴風、豪雨でパネルや配線が被害に遭ってしまうケースはよくあります。例えば「強い風で物が飛ばされパネルを直撃した」「パネル本体が飛ばされてしまった」などの事例です。近隣の家や人にも被害が及ぶケースもあります。またパネルと架台の接合部の強度が不十分で留めていたネジやクリップが外れてパネルが吹き飛ぶ事例もありました。

2018年に近畿地方を襲った台風被害では、ネジが外れずパネルだけが引きちぎられたり強風でパネル表面のガラス部分が破損したりする事例が数多く発生しました。中には発火したパネルもあったようです。このような事故は、損害保険や賠償責任保険に加入しておくことで被害を受けた際に保険金が下りる可能性があります。

豪雨

報告されている自然災害による事故で台風と並び破損の被害が多いのが豪雨です。特に海や川が近い地域では注意が必要でしょう。2018年7月の豪雨災害では、水没被害のあった21件のうち約6割の12件がハザードマップ上の浸水想定区域で発生していました。

地震

太陽光発電装置は、精密機器のため揺れや衝撃に弱いとされています。事故例としては「地震の衝撃で太陽光パネルやパワーコンディショナーの内部に異変が起こる」「地盤が割れて破損する」「配線が断絶しショートしてしまう」などです。地盤が割れると設備の土台から崩れてしまうこともあるため、「太陽光パネルをすでに設置している」「これから設置する予定」という人は、地盤をチェックしておくことをおすすめします。

雪災・ひょう災

積雪が多い地域では、雪の重みによってパネルが壊れてしまうことがあります。またひょうが強く打ち付けることでパネルが破損してしまうケースもあるでしょう。パネルのひび割れから劣化が進み何らかの原因で火災につながることもあるため注意が必要です。

太陽光パネル破損による影響

太陽光パネルは、すべてのパネルがつながり発電を起こすシステムのため、1枚に不備があると他のパネルの発電量まで下がってしまいます。発電量は下がるとはいえ急にゼロになることはありません。しかし発電効率が悪くなったり発火してしまったりする可能性があるため、早目に修理・交換を依頼しましょう。

ガラスにひびが入った程度では発電量に影響はありませんが、雨水が侵入して中の機械部分を壊してしまうことがあります。大きな被害を防ぐためにも太陽光パネルは定期的なメンテナンスと発電量のモニタリングを行うことが重要です。

太陽光パネル・装置の過去の被害事例

2018年の夏は、西日本の豪雨被害や近畿地方に大きな被害をもたらした台風21号、北海道地震、九州から東北を縦断し広範囲に被害が及んだ台風24号と自然災害の多い季節でした。経済産業省が2018年夏に起こった太陽光発電設備の事故の特徴を取りまとめ、今後の対策を検討した資料を参考に2018年夏の事故による被害事例を見ていきましょう。

50 kW以上の事業用太陽光発電は事故報告義務があり、被害状況は上の表の通りです。台風では、強風・高潮により部品が損傷していますが、豪雨では水没・土砂崩れが原因となっています。台風による被害はパネルが最も多いですが、豪雨ではパネルをはじめパワーコンディショナーの損壊が目立つ傾向といえるでしょう。
一般的にパネルのほうがパワーコンディショナーより高価です。そのため台風でも特に強風被害では被害額が大きくなることを覚えておきましょう。

太陽光パネルが破損した際の対処法・対策

太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設備が破損・故障したときには、早めに業者に修理を依頼しましょう。修復不可能な場合には、産業廃棄物として業者に廃棄処理を依頼することになります。中には許可を得ず業者を名乗っている会社もあるため、自治体の名簿に載っていることを確認してから依頼することが大切です。

自然災害による被害は予測が難しいですが「事前に地盤を確認する」「ハザードマップで自然災害が起こる可能性を調べておく」など対策を講じておきましょう。またパネルやパワーコンディショナーの修理、人的被害の補償は決して少額ではないため、太陽光発電向けの火災保険・地震保険や賠償責任保険に加入しておくと安心です。

現地の周辺状況を確認し「カラスやクマなど野生動物による被害はないか」「住民とのトラブルが起こる可能性はないか」を確認することも忘れないようにしましょう。太陽光発電をはじめ投資にはリスクが伴いますが、できるかぎりの対処を行いリスクの少ない事業経営を心がけていきましょう。(提供:Renergy Online