新型コロナの発生は、賃貸住宅市場にも影響を及ぼし始めている。賃貸住宅に対する需要は堅調かと思われるが、住む場所に求める条件に違いが生じてきている。賃貸不動産投資に重要なのは、入居者のニーズを把握すること。コロナ禍での賃貸住宅入居者たちのニーズの変化を探っていきたい。

第3波で「ステイホーム」へ回帰し、
賃貸住宅に求める条件にも変化が!

ウィズコロナ時代の賃貸不動産投資#2
(画像=まちゃー/PIXTA、ZUU online)

北半球が冬のシーズンを迎えるにつれて、世界的に新型コロナウイルスの感染が再び大幅に拡大している。欧州では春先の第1波を超える規模の感染者が出ており、特に深刻なフランスはまたしても都市封鎖(ロックダウン)を余儀なくされた。

こうした現象は決して“対岸の火事”ではなく、日本国内でも新規感染者数が過去最多を更新し続けている。日本は春先に続いて夏場に感染の第2波が到来しており、今回は第3波ということになる。

冷え込みや空気の乾燥が本格化するのはこれからなので、第3波は第2波を上回る規模になる可能性が十分に考えられよう。政府による緊急事態宣言の再発令があるかどうかはともなく、感染者が激増するニュースを耳にすれば、多くの人々が外出をできるだけ控えて「ステイホーム」のモードが再来しそうだ。

このコロナ感染第3波の発生は、賃貸住宅市場にも少なからず影響を及ぼすことになるはず。巣ごもり生活が中心となってくるだけに、賃貸住宅に対する需要自体は堅調かと思われるが、住む場所に求める条件に違いが生じてきているようだ。

家賃収入を目当てに賃貸マンションや賃貸アパートに投資する際には、当然ながら入居者たちのそういったニーズの変化を把握しておくべきだ。そこで、今回はコロナ禍で賃貸住宅の入居者たちがどのようなことを求めているのかを探ってみたい。

持ち家派のニーズは、立地的な利便性から
住まい自体の快適性へとシフト

賃貸住宅で暮らす人たちの意識変化にスポットを当てる前に、まずはマイホームの購入や建築を検討中の人たちの動向から紹介しておこう。ほとんどの人たちはローンを組んで生涯にわたって暮らす家を手に入れようとしており、住まいに対する意識の変化がより色濃く表れているように思われる。

リクルート住まいカンパニーが2020年5月に首都圏在住の男女を対象に実施した「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」では、住宅に求める条件の変化について質問している(複数回答可)。最も多かったのは「仕事専用スペースが欲しくなった」(25%)で、次いで「宅配ボックス・置き配ボックスを設置したくなった」(24%)、「通風に優れた住宅に住みたくなった」(23%)だった。

仕事専用スペースは、明らかにテレワーク(在宅勤務)の導入がもたらしたニーズの変化だろう。また、宅配ボックス・置き配ボックスは“巣ごもり消費”でeコマースの利用が急増していることが背景にあるはずだ。

一方、広さと駅からの距離のどちらを重視するかという質問に対しては、「ぜったい広さ」(12%)と「どちらかといえば広さ」(40%)の合計が過半を占め、前回調査(2019年12月)の42%から10ポイントも増加していた。逆に「ぜったい駅からの距離」(5%)と「どちらかといえば駅からの距離」(25%)の合計は、前回調査よりも10ポイントの減少を示している。

通勤時間について尋ねた質問への回答においても、前回調査では35%に達していた「徒歩・自転車で15分以内」が28%に減少し、代わって前回調査で24%だった「公共交通機関利用で60分以内/公共交通機関利用で60分超」は34%に増加。持ち家派たちのニーズは、立地的な利便性よりも住まい自体の快適性のほうにシフトしているようだ。

賃貸派の間では快適性を求める一方で、
立地については異なる傾向も…

このように、コロナの感染拡大前後では持ち家派の意向は大きく変化しているが、賃貸派にも同じような傾向がうかがえるのだろうか?同じくリクルート住まいカンパニーが2020年5月に実施した「コロナ禍住宅検討者調査 賃貸検討者版(全国)」に注目したい。