11月25日、「お〜いお茶」のCMでお馴染みの伊藤園 <2593> の株価が一時8380円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年3月13日の安値3910円から8カ月で約2倍になった計算である。背景には新型コロナ禍で健康志向「ウェルネス」の高まりに加え、高血圧や認知症などに効果があるという機能性表示食品、お茶カフェブームへの期待が高まっていることなどが指摘されている。

今回は伊藤園の最新動向をお届けしよう。

伊藤園、第1四半期決算で「悪材料出尽くし」か?

伊藤園,株価
(画像= taka15611 / pixta, ZUU online)

伊藤園の株価が動意づいたきっかけは、9月1日の2021年4月期・第1四半期(5〜7月)決算までさかのぼる。同期の売上は前年同期比13.5%減の1127億円、本業の利益を示す営業利益は32.1%減の42億円だった。ちなみに、伊藤園の連結決算は、伊藤園本体(単独)の他に、国内ではカフェチェーン大手のタリーズコーヒー、ヨーグルトのチチヤス、海外では米国事業、中国事業などが対象となる。同期は新型コロナ禍の緊急事態宣言などが直撃し傘下のタリーズコーヒーが43.0%減と大きく落ちこんだ。しかし、その一方で伊藤園の単独売上は11.2%減と限定的な落ち込みとなった。都市部を中心としたコンビニ、交通機関、観光施設、オフィスなどの自販機が落ちこむ一方で、スーパーや量販店が好調に推移したことが売上減少に歯止めをかけたと見られている。同様に米国事業は14%減、中国事業は5%減といずれも新型コロナ禍にありながらも限定的な落ち込みとなった。

翌9月2日の伊藤園の株価は終値で1.7%高の6500円と堅調だった。マーケットは同決算内容について「悪材料出尽くし」とポジティブに受け止めたようだ。伊藤園の株価は9月28日の高値7680円まで4週間足らずで18%上昇、その後10月27日の安値6440円まで16%反落したあと、11月25日の高値8380円まで30%切り返している。

「ウェルネス関連銘柄」としても人気化?