FX取引を始めるには、まず口座を開設しなければならない。各FX口座で申し込みから口座開設までどのくらいの日数がかかるのだろうか?必要書類は何が必要なのか?あらかじめ知っておくことでスムーズにFXを始めることができるはずだ。

1,FX口座開設にかかる日数は?即日可能口座や早く取引を始めるためのコツも

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(画像=wong yu liang/stock.adobe.com)

1日でも早くFX取引を開始させたいとき、口座開設にどれくらいの日数を必要とするのか気になるだろう。まずはFX口座開設にかかる時間と、少しでも早く口座開設するための方法を紹介しよう。

FXの口座開設にかかる日数 即日〜1週間程度が目安

FXの主要10社の口座開設にかかる日数の目安を比較していこう。

FX会社 口座開設にかかる日数 備考
DMMFX 最短1時間で取引開始
※DMM FXの申込で『スマホでスピード本人確認』
を利用した場合(休業日を除く)
土日は対応不可
スマホの場合は即日、
アップロード・メール・
FAX・郵送で提出する場合は
最短で発送日の翌日
SBIFXトレード 目安日数は非公表
外貨ex byGMO 最短即日~1営業日
外為どっとコム 最短で翌営業日
FXプライムbyGMO 最短3日ほど
GMOクリック証券 最短当日〜翌営業日 スマホ:最短当日
ICカードリーダー:最短翌営業日
みんなのFX 最短即日 スマホで申し込んだ場合
FXブロードネット 最短で翌営業日
マネーパートナーズ 最短で翌日
楽天FX 最短で翌営業日 アプリでマイナンバーを提出した場合
(※各社の公式サイトを元に筆者作成)

ほとんどが1週間以内には開設可能だが、本人確認書類の提出方法によっても口座開設にかかる日数は異なる。

近年では、オンラインで本人確認ができる「eKYC(イーケーワイシー)」の導入を進めているFX会社もある。スマホアプリやブラウザーからオンラインで本人確認書類を提出できた場合は、翌営業日や即日開設も可能である。

一方で、郵送の場合は最大で7日程度はかかるようだ。

早く口座開設するための方法 15時までに申し込む

より早く口座を開設したいならば、最短で即日に口座開設が可能なFX会社を選ぶといいだろう。上記で 挙げた中では

DMM FX
外貨ex byGMO
GMOクリック証券
みんなのFX

の4社は、即日に口座開設が可能である。

また、申し込んだその日にFX取引を始めたい人は、当日の15時までに申し込みを完了させておくのがベターだ。15時以降だと、FX会社の審査や手続きが間に合わず、口座開設が翌日になってしまう場合もある。

2,FX取引の口座開設に必要な2つのもの 本人確認書類とマイナンバー

FX口座開設を申し込む前に、必要な書類は事前に把握し、そろえておきたい。FX口座を開設するために必要な書類は、

・マイナンバー確認書類
・本人確認書類

2種類だ。

必要なもの1,マイナンバー確認書類

2016年1月にマイナンバーの交付が始まって以降、マイナンバーの記載はFX口座の開設において義務付けられている。証券会社やFX会社への支払調書の提出に必要だからだ。マイナンバーの関係書類として認められるのは下記のものである。

マイナンバー確認書類
マイナンバー(個人番号)カードの裏面
通知カード
個人番号(マイナンバー)付き住民票の写し

マイナンバー確認書類はどれを提出するかで、本人確認書類の提出数が変わってくる。例えば、SBI FX トレードでは、マイナンバー確認書類として通知カードを提出する場合は、本人確認書類は2点必要だ。

必要なもの2,本人確認書類

銀行の口座開設と同じように、FXの口座を開設する上でも本人確認書類の提出が求められる。FX取引で得た利益を反社会的勢力の活動や犯罪に利用されることを防ぐためだ。本人確認書類の提出は義務であり、申告した内容と本人確認書類の内容に食い違いがあった場合、口座の開設はできない。

参考までにみんなのFXで必要な本人確認書類と認められるものを挙げておこう。

顔写真ありの書類
運転免許証
マイナンバーカード(表面)
パスポート
住民基本台帳カード
在留カード
特別永住者証明書
顔写真なしの書類
健康保険証
住民票の写し
印鑑登録証明書

本人確認書類は顔写真があるか、顔写真がないかによって、提出する数が変わってくることが多い。みんなのFXでは、上記の「顔写真ありの書類」の場合は1種類のみ提出、顔写真なしの書類の場合は2種類を提出する必要がある。

本人確認のための提出書類は、ほとんどのFX会社で上記のような仕組みが多い。

マイナンバーだけでFX口座開設が可能な会社も

FX会社によっては、マイナンバーカードのみで本人確認書類とマイナンバーの提出を兼ねられる場合もある。

2020年11月時点では、

・GMOクリック証券
・みんなのFX
・FXブロードネット
・楽天FX

などはマイナンバーのみで本人確認できる。

3,FX口座開設を6ステップで解説

FX口座の申し込み方法は会社によって異なるが、口座開設までのステップはほとんど同じだ。
1.口座開設の申し込み
2.本人確認書類やマイナンバー提出
3.FX会社による審査
4.ログインIDやパスワードの送付
5.入金
6.ログイン・取引開始

このステップを具体的に紹介しよう。

ステップ1,口座開設の申し込み

まずは、口座開設の申し込みだ。近年は、ネットで申し込みから開設完了までを行えることがほとんどなので、ネット上でFX口座を選んで申し込みをする。

必要事項の記入のみネットで行って必要書類の提出は郵送としている会社もあれば、必要書類の提出もそのままWebサイトで行える会社もある。SBI FX トレードの場合は、法人口座、未成年の口座開設には必ず郵送での申し込みとなる。

必要事項の記入はこの後の審査に大きく関わるため、間違わずに慎重に入力しよう。記載内容に不備があると、審査に通過できなかったり、審査に時間がかかったりする場合もある。

ステップ2,本人確認書類やマイナンバー提出

必要事項の記入が完了したら、本人確認書類とマイナンバーを提出する。「eKYC」を導入しているFX会社であれば、Webサイトやアプリから本人確認書類とマイナンバーを提出することが可能だ。スマホのカメラで撮影した画像を添付することも可能だが、画像が鮮明に映るように注意したい。

例えばGMOクリック証券は「スマホでスピード本人確認」という名称で、ヒロセ通商は「スマホで簡単本人確認」といった名称で同サービスを導入している。

コピーをとって郵送で送る場合にも、書類の画像が鮮明であるかどうかを確認すべきだ。顔写真が見にくかったり、マイナンバーカードに記載されている肝心のマイナンバーがつぶれて見えなくなっていたりすると、再提出を求められることもある。

特に即日開設をしたい場合は、再提出によって余計な日数がかかってしまわないように気を付けよう。

ステップ3,FX会社による審査

必要事項を記入した後、本人確認書類とマイナンバーの提出が完了すると、FX会社による審査が始まる。審査には数日かかる場合もあれば、即日で終了することもある。

口座開設の際の審査はFX会社によって異なり、基準は公開されていない。審査基準や審査手続きフローによって、申し込みから口座開設まで各社で日数が異なる。その理由は主に、

・申込者本人は実在するのか?
・行為能力はあるのか?
・同一会社でFX口座をすでに持っていないか?

などの点を調査しているようだ。

また土日も審査対応をしているFX会社もあれば、土日は審査対応をしていないFX会社もある。土日の審査に対応していない場合、金曜日の15時以降の申し込みは週明けに受理される場合がある。

いち早くFXの取引を始めたい人は、月曜日のFX会社の営業時間から金曜日15時以前(祝日除く)に申し込むようにしよう。

平日に申し込んだとしても、提出書類に不備があると審査に時間がかかることもある。本人確認書類の名義人と口座名義人の名前が一致していなかったり、スマホで提出した本人確認書類がうまく読み取れなかったりすると、審査に時間を要するので注意が必要だ。

ステップ4,ログインIDやパスワードの送付される

無事に審査に通過すると、口座を利用する上で必要となるログインIDやパスワードが送付される。

注意したいのは口座開設自体が即日で完了しても、ログインIDとパスワードの送付に時間がかかる可能性もある点だ。

ステップ5,入金

口座が開設できて、ログインIDとパスワードが到着したら、あとはFX口座に入金すれば、取引する環境が整う。銀行口座と連携してインターネット上で入金可能としている会社もあれば、専用アプリを銀行口座と連携させてアプリから入金手続きが可能な会社もある。

また、24時間入金可能のところもあれば、入金可能な時間帯が決まっている場合など、会社によってさまざまだ。即日口座開設、即取引がしたい場合は、口座開設の所要日数だけでなく、入金可能な時間帯もしっかりと把握しておこう。

ステップ6,取引開始

入金が完了すれば取引を開始できる。FX取引でうまくいっている人や同じFX口座を利用している人など、成功体験を積んだ先輩方の意見を参考にしながらFX取引を始めよう。

4,FX口座開設に関する5つのQ&A

ここまでFX口座の開設に必要な日数や書類、ステップを紹介してきたが、FX口座の開設に関してよく挙がる質問をピックアップし、Q&A方式で回答していこう。

Q1,誰でも口座は開設できるのか?

ーA.成人ならばFX口座の開設に特定の資格などは必要ない

FX口座の開設にあたっては、成人であれば特定の資格や職種などが問われることはない。FX口座の開設には、クレジットカードの審査のように収入を証明する書類を提出する義務がなく、収入状況や金融資産についても自己申告制だ。

ただし前述の

・申込者本人は実在するのか?
・行為能力はあるのか?
・同一会社でFX口座をすでに持っていないか?

に加えて、

・投資経験の有無
・余裕資産の有無

もやはり審査基準といわれている。これはFXの内容やリスクをしっかりと把握できているか?資金を借り入れしなくても原資はあるか?ということを見ているためだ。

そういった観点から、原則満20歳に満たない未成年者は口座を開設できないことが多い。SBI FX トレードなど一部の会社では未成年者でも口座開設は可能だが、その場合は法定代理人に関する書類が2種類、法定代理人の同意書が1種類と、提出する書類が多くなる。

Q2,FX口座を開設するのに料金はかかるのか?

ーA.ほとんどの会社では、無料でFX口座を開設できる

以前は口座を開設する際に手数料を徴収していたFX会社もあったが、現在はほとんどの会社で口座開設料が無料となっている。

ただし注意したいのはいくつかのFX会社では、初回入金額を設定している。外貨ex byGMOは1万円以上、マネーパートナーズは4,000円以上の初回入金が必須条件となっており、いわば初期費用がかかる場合がある。アイネット証券、FOREX EXCHANGEなどは初回入金額が10万円以上と高額な設定だ。

これはFXのトレードに利用できるお金なので、手数料とは異なるが、FX口座を開設にあたっては、初回入金額もしっかりとチェックしていこう。

Q3,複数のFX口座を開設することはできるのか?

ーA.多くのFX会社では複数の個人口座開設はできない

多くのFX会社の口座を複数持つことはできない。しかし、別々の会社ならばそれぞれ口座を開設することはできる。

複数の口座を持つメリットは、どちらかで損失を被ったときにもう片方でカバーできたり、自分に合う方を主口座に設定したりといったことが可能だ。デメリットは収益の管理が大変になる点や、通知が多くて負担になる点である。

利点・欠点の両方があるが「情報量が増える」「リスクを分散できる」などのメリットがあることからも、複数のFX口座を持つことはおすすめできる。このときに重要視したいのは組み合わせだ。

例えば、「国内の取引実績が首位で信頼性の高いGMOクリック証券」と、「スワップポイントが高く1,000通貨から開始できるLIGHT FX」と違った特徴の2社を組み合わせると、投資環境が整備できる。

Q4,審査に落ちたらどうすればよいのか?

―A.他のFX会社で申し込むのも手

FX口座開設の審査に落ちてしまう理由はいくつかある。申込書類の不備や、すでに口座を所有しているFX会社に申し込んでしまった、年齢が成人に達していないなどだ。

一度落ちてしまったFX会社では審査に通過する確率が低くなるため、別のFX会社でリトライするのがいいだろう。

また自分の金融資産額が心配な場合は、最低取引単位が小さいFX会社に申し込んでみるのもひとつの手だ。投資経験がまったくない人の場合は、現物株で経験を積んでから、時間を置いてリトライするのもよいだろう。

Q5.外国籍や海外在住でも口座開設は可能か?

ーA.可能なFX会社もある

基本的に日本に住んでいるのであれば、外国籍であっても口座開設は可能だ。必要書類さえそろえれば、ほぼ全てのFX会社が外国籍の人の口座開設を許可している。ただし、全ての表記、書類、サポートなどは日本語であるため、日本語のコミュニケーションが円滑にできること、在留カードや特別永住者証明書を提出できることが条件となる。

海外在住の場合、ほとんどのFX会社が「口座開設の条件に日本在住であること」と明記していることからも、口座開設できるFX会社は限られている。

海外居住者でも口座開設できる日本のFX会社はヒロセ通商・LIONFX、セントラル短資FXの2社。ただし、これらの会社でFX口座を開設するには原則的に日本の銀行口座が必要となるため、海外居住者はその点に注意が必要だ。

5,早く口座開設をしたい場合は「eKYC」を導入したFX会社を選ぼう

FX口座の開設にかかる日数と、開設する際に注意すべき点について解説してきた。

より早く口座を開設するためには、必要書類や申し込み条件を事前にしっかりと確認し、審査に落ちてしまったり書類の不備で再申し込みになったりすることを防ぐのが重要になる。

「eKYC」を導入したFX会社を選べば、さらに早い口座開設が可能となるだろう。FX口座開設に日数をかけたくない人は、参考にしてほしい。

監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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