三菱UFJ銀行が2020年12月24日に代表取締役の異動を発表しました。2021年4月1日付で就任する新頭取は、国民になじみ深い「あの苗字」を持つ半沢淳一氏。56歳で異例の出世を遂げた半沢次期頭取にはさまざまな困難が待ち受けているようです。

半沢新頭取の輝かしい経歴

三菱UFJ銀行,半沢新頭取
(画像=yu-photo/stock.adobe.com)

1965年生まれ56歳の半沢氏は、1988年に東京大学経済学部を卒業した後、株式会社三菱銀行に入行します。2010年には千住中央支社の支社長に就任し、2014年には執行役員を、2018年には常務執行役員兼名古屋営業本部長に任命されています。

2019年は取締役常務執行役員 CCO(コンプライアンス統括部・グローバル金融犯罪対策部担当)、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、執行役常務 グループCCOとして同行に貢献してきました。

これまで、三菱UFJ銀行の頭取は副頭取から昇格するのが通例でしたが、半沢氏は異例の「常務から」頭取に出世を果たしたやり手の銀行マンです。

トップの若返りで時代の変化に対応

近年、大手金融機関でトップの若返りが進んでいます。これまで大手金融機関のトップは60歳前後で就任することがほとんどでしたが、50代がトップとなる例が増えています。

56歳の半沢氏を次期頭取に据えた三菱UFJフィナンシャル・グループも、2020年12月24日の会見で「人事の狙いは世代交代による若返り」と明言しており、半沢次期頭取に大きな期待を寄せている様子がうかがえます。

IT技術の発達によって金融業界には改革の波が押し寄せており、大手もデジタルへの対応とそれにともなった構造改革は喫緊の課題です。

また同グループは2019年に純利益を大きく落としており、次期頭取にはコロナ禍という厳しい状況の中でも収益を伸ばさなければならないという大きなプレッシャーがのしかかっていることでしょう。

未使用口座に手数料、インターネットバンキングでポイント付与-新たな制度も

新人事の発表から2日後の26日、三菱UFJ銀行は2021年7月から未使用口座に手数料を課す仕組みを導入すると報道各社が報じました。これには休眠口座の不正利用を防ぐ目的があります。

新たに口座を開いたのち、2年以上入出金が行われなかった口座に対しては「未利用口座管理手数料」として年間1,320円を課し、残高不足であれば自動的に解約されるようになるとのことです。

2021年6月からは、インターネットバンキングの利用者にはコンビニで使えるポイントを付与するサービスも開始されます。ローンや公共料金の引き落とし、年金の受け取り等に口座を利用すると利用に応じてポイントが付与されるなど、ユーザーの視点に立ったサービスを拡充する予定です。

収益向上とともにコスト削減も急務

三菱UFJフィナンシャル・グループでは、2015年から2018年にかけて経費率が右肩上がりに伸びてしまっているという現状がありました。2015年に62.3%だった経費率が2018年には71.0%にまで膨らんでおり、コスト削減は急務となっています。

24日の会見で半沢次期頭取は、経費率が高い要因について聞かれると、「語り切れない」と話すにとどめました。すでに店舗数を大幅に減らすなどしてコストカットに取り組んでいる三菱UFJ銀行。新人事をきっかけとして大胆な構造改革に踏み切る可能性もありそうです。(提供:YANUSY

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