個人投資家が株式投資を始めるきっかけとして多いのが、株主優待です。「投資信託には優待がないから魅力に欠ける」と思う人もいるでしょう。しかし、少数ですが投資信託にも投資主優待を実施しているファンドがあります。本記事では、投資信託を保有するとどのような優待が受けられるのかをご紹介します。
個人投資家に人気の株主優待
個人投資家が株式投資を始める理由として多いのが、株主優待です。三菱UFJフィナンシャルグループが実施した「口座開設を検討した目的」というアンケートで、「株主優待等の特典を得るため」という回答が22.3%を占め、「短期的な利益を得るため」(22.2%)を上回っています。
株式投資には、配当金と株主優待を現金換算した金額を合計して株価で割る「総合利回り」という指標があります。「総合利回りが4%を超えていたら買い」などと基準を決めて、投資する銘柄を選ぶ考え方です。株式は株主優待がある分、他の投資よりも有利と考える個人投資家は多いようです。
実は投資信託にも優待制度がある
株主優待を目的に株式投資している方は、「投資信託には優待がないから魅力に欠ける」と思うかもしれません。実は「投資信託に優待はない」というのは誤解で、上場不動産投資信託(J-REIT)のなかには「投資主優待」を実施しているファンドがいくつかあります。
不動産投資信託らしく、優待の内容は運用しているホテルや介護施設などの料金割引が中心です。ユニークなところでは、人気のJリーグ観戦チケットが抽選で当たるという優待もあります。介護施設では、前払い金が30万円割引になるというメリットの大きい優待もあります。その施設に入居したい人にとっては、利用価値が高い優待といえるでしょう。
どんな投資主優待があるのか
では、投資法人が実施している投資主優待の一部をご紹介しましょう。
1.ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
- 優待対象保有口数:10口以上
- 優待内容:指定ホテルの素泊まり料金で、予約時点で最も安い「ベストレート」からさらに10%割引が受けられる宿泊優待券5枚、利用料金から10%割引が受けられるレストラン優待券5枚
2.ヘルスケア&メディカル投資法人(3455)
- 優待対象保有口数:1口以上
- 優待内容:運用している介護施設などの各種料金割引(前払金30万円割引、初月利用料の10%割引、体験入居1泊2日無料、昼食付無料見学、入居月額利用料家賃相当額3%割引、介護相談2回無料など、施設ごとに異なる優待を実施)
3.いちごホテルリート投資法人(3463)
- 優待対象保有口数:1口以上
- 優待内容:サッカーJリーグ観戦チケットを抽選で贈呈。J1・J2・J3合計で年間4,000枚を予定※
※いちご株式会社(2337)、いちごオフィスリート投資法人(8975)、いちごグリーンインフラ投資法人(9282)の株主優待と、投資主優待の合計招待枚数
株式に負けない、優待・分配金・売却益のトリプルメリット
株式投資では、株主優待と配当金を受け取りながら、株価が上がれば売却益も得られるというトリプルメリットを狙うことができます。これは、株式投資ならではのメリットです。しかし、上場不動産投資信託でも優待・分配金・売却益のトリプルメリットを得られるとなれば、投資信託も選択肢に入ってくるでしょう。
安定した資産運用には、分散投資が欠かせません。J-REITを購入すれば、間接的に不動産に投資することになります。投資主優待銘柄への投資を機に上場不動産投資信託をポートフォリオに組み入れ、資産運用の幅を広げるのも一案です。
※この記事は2020年6月15日現在の情報を基に構成しています。優待内容は変更される場合がありますので、購入の際は各法人のホームページなどで実施状況をご確認ください。
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