等価交換方式のメリット・デメリット

土地の活用方法や目的別の用途などを説明してきましたが、その中で等価交換方式による活用をここではもう少し詳しくみていきたいと思います。

メリット
1. 無理のない資金計画で活用可能
すでに所有している土地を譲渡するので、新たな資金の借入れが不要となり、低リスクで活用できます。

2. 評価額を下げられる
土地・建物が貸家建付地での評価額となり、約20%評価額が下がりますので相続税対策に効果的です。例えば1億円の土地が更地の場合の評価額は1億円ですが、貸家建付地の評価では7,900万円になります。

3. 税務上の特例が受けられる
土地を売却した場合は、土地譲渡益に対して譲渡所得税が発生します。等価交換方式の場合は立体買換えの特例があるので、譲渡所得税を100%繰り延べることができます。

4. 遺産分割に便利
一つの土地を複数の相続人で分ける場合は、分け方で揉めたり、分割によって価値の減少を招きかねません。等価交換方式で土地を建物に変えておけば、例えば9室のアパートを3人で相続する場合、一人3部屋づつ所有するなど不動産を分けるのに便利です。

5. 自分の住まいを確保できる
等価交換方式で得た建物の一部を、自分たちの住まいとして確保できます。

デメリット
1. 所有権
それまで全部自分にあった所有権が、デベロッパーとの共有になりますので、事実上所有権が失われてしまいます。

2. 減価償却
持分を賃貸した場合、建物の減価償却は受けられません。

3. 収益性
一般のワンルーム投資などと比べると、収益性がやや下がります。

以上のように等価交換方式にはメリットやデメリットはありますが、土地の有効活用という視点でみてみれば、非常にバランスのとれた事業方式であるといえます。

土地の有効活用を成功させるためには、市場動向を見据えた建設計画、無理のない資金計画、綿密なシミュレーションに基づく収支計画が必要となってきます。ポイントを踏まえながら、その土地に適した活用方法を選択していくようにしましょう。

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