目的に合った弁理士を選ぶ方法

一般的に弁理士の国家試験は難易度が高いと言われるが、就業した弁理士の実力は個々人によって大きく異なる。また、得意分野やこれまでの経験も弁理士ごとに異なるので、自社に適した相談先は慎重に選ばなくてはならない。

では、具体的にどのようなポイントを意識すべきなのか、ここからは最適な相談先を選ぶコツを紹介していこう。

1.経験豊富な弁理士が多く在籍している事務所を選ぶ

弁理士の相談先を選ぶうえで、「経験の量」と「弁理士の在籍数」は確実にチェックしておきたいポイントだ。訴訟を含めたさまざまな案件を経験しており、かつ弁理士の在籍数が多い事務所であれば、あらゆる知的財産権をカバーできる。

なお、近場に小規模な事務所しかない場合は、自社のニーズとマッチするかをしっかりと見極めたい。仮に経験や在籍数が少なくても、業務範囲が自社のニーズとマッチするのであれば相談する価値は十分にある。

特に海外進出を検討している企業は、事務所の規模よりも現地に関する知識や出願経験を重視しよう。

2.アドバイスの具体性や妥当性を判断する

優秀な弁理士は、相談者の不安や悩みをしっかりと理解した上で、具体的かつ的確なアドバイスをしてくれる。一方で、アドバイスの具体性や妥当性が乏しい弁理士に依頼すると、こちらの相談内容や希望を理解してもらえない恐れがある。

そのため、無料相談などを活用する際には、担当者にできるだけ多くの質問を投げかけることが重要だ。質問に対する回答の内容から、アドバイスの「具体性」と「妥当性」の2つを冷静に見極めていこう。

3.料金体系から費用対効果を判断する

仮に優秀な弁理士を選んでも、報酬が相場より高ければ企業にとっては痛い出費となる。そのため、自社に最適な弁理士を選ぶ際には費用対効果にも着目しなければならない。

日本弁理士会によると、標準的な特許出願の料金は25万円~35万円が相場とされている(※)。ただし、弁理士業界には標準価格や低下といった概念は存在しないため、実際の料金体系は事務所によって異なる。

(※参考:日本弁理士会「出願に必要な費用はどのくらいでしょうか?」)

特に注意したい費用としては、審査結果によって発生する中間費用や、権利取得時に支払う成功謝金がある。標準の依頼料金とあわせて、これらの費用がかかるかどうかも確認しておこう。

弁理士のスムーズな探し方は? 現代ではネットの活用が便利

弁理士にはさまざまな探し方があり、方法によってかかる時間や見つかる事務所は異なる。最適な弁理士をスムーズに見つけたいのであれば、各方法の特徴をしっかりとつかんでおくことが重要だ。

では、具体的にどのような探し方があるのか、メリットと合わせて簡単に紹介していこう。

○弁理士の主な探し方

弁理士の主な探し方

上記のうちネットを活用した【4】と【5】は、弁理士探しの手間を大きく省ける方法だ。インターネット上には膨大な情報があり、かつ端末があればいつでも情報収集できるため、ネットを活用する方法はぜひおすすめしたい。

ちなみに、「弁理士ナビ」は日本弁理士会が運営するデータベースであり、ネット環境さえあれば無料で利用できる。相談内容や専門分野をはじめ、地域に関する条件も指定できるので、スムーズに弁理士を探したい経営者は積極的に利用していこう。