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家電産業が抱える課題

2014年の世界の家電産業の市場規模は1兆555億ドルと前年に比べ1%減少する見込みとなっています。スマートフォンやタブレットの出荷台数は高い伸びが続くものの、普及価格帯商品の増加により単価は下落傾向にあるため金額ベースである市場規模は伸び悩んでいる。そこで各社が新たな市場として注目しているのが4Kテレビとウエアラブル市場だ。今回は、家電業界の各社の新商品の紹介をしつつその動向に付いてみていく。


拡大傾向にある世界のテレビ市場

独調査会社であるGfKによると、2014年の販売台数を2億4700万台と予測しており、テレビ市場には薄明かりが差し始めている。テレビ市場において世界的な現象と言われる理由として画面の大型化があげらる。先進国でも発展途上国でも消費者は大きい画面サイズを求める傾向にあることから、GfKは2010年前後までは30インチ台前半だった世界の液晶テレビの平均画面サイズが今後は30インチ台後半に達すると予測されている。


4Kテレビの市場成長予測と各社の対応

画面が大型化することによって像の粗さが目立ってしまい、技術をより高精細なものにすることが求められ、このようなニーズに応えるため各社が力を入れ始めたのが、従来のフルハイビジョンテレビの4倍の画素数がある4Kテレビだ。今月7日に幕張メッセで行われた国際見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン2014」においても、各社が火花を散らせた。

GfKは米国における4Kテレビの市場規模が、2013年に5万7000台だったのに対し、2014年には8.5倍の48万5000台に拡大、そして2017年には290万台に達すると予測している。

しかし4Kテレビ市場に各社が一斉になだれ込んで、高画質を単純に謳うだけでは、かつて液晶テレビの普及期に繰り広げられた熾烈な価格競争を繰り返すだけであり、今年の1月におこなわれた「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では日用品化による価格下落を食い止めるため、4Kテレビに新たな付加価値を加えようとする動きが目立った。

CESでサムスンとLG電子の韓国勢がそろって出展したのが、4Kテレビでも画面を凹型に湾曲させたものです。臨場感を高めるために画面を曲げるという手法はトレンドとして昨年から続いていますが、サムスンはCES開幕に先立って6日に開いた記者会見で、観る人がその場の状況に応じて画面を平面から曲面に変形できる「Bendable(ベンダブル)TV」の試作機を発表し、報道関係者らを驚かせました。

パナソニックもラスベガスで行われたCESでは米モジラ・コーポレーションと提携し、インターネットサービスとの連携機能を高めた新たな4Kテレビを開発すると発表した。また、第3のOSの1つとして注目を集めつつあるFirefoxOSをテレビに搭載し、4Kテレビの新たな使い方を提案した。先日行われた、シーテックジャパンでは多様なサイズとシリーズで展開する4K対応ビエラを発表した。

シャープは国内で液晶テレビ首位であり、4Kテレビでも先行している。そして今回のシーテックジャパンではシャープの誇る高精細な8Kのディスプレイを参考出展して、話題を呼んだ。8Kテレビは東京五輪を見据えて、16年に試験的に放送される予定だ。