ウエアラブル端末 各社の色濃い製品続々

今回のシーテックジャパンでは、東芝がメガネ型ウエアラブル端末機器、皮膚から自然放出され、体脂肪の燃焼指標となる生体ガス成分のアセトンをウエアラブルデバイスではかることができるという、世界初のものも体験できるなどウエアラブルの将来性が感じられる内容だった。

CESではウエアラブル端末について、ソニーは新たな戦略を提示しています。加速度センサーなどを組み込んだウエアラブル端末向けモジュール「Core(コア)」を発表し、リストバンドなどに装着することで移動距離や歩数、睡眠時間などの行動履歴を記録させられます。さらにスマートフォンと連携させることによってデータを基に行動パターンを予測し、タイムリーに様々な情報を消費者に届けることが可能です。

リストバンド型の完成品ではなく、あえてモジュールの形でこの分野への参入を発表した背景には、外部にモジュールを販売し、多種多様な使い方をパートナーに考案してもらうことによってウエアラブル端末市場における新たなエコシステムを立ち上げる狙いがあるとみられます。

このようなウエアラブル端末向けのモジュールを発表したのはソニーだけではなく、インテルもウエアラブル端末向けの超小型コンピューター「Edison(エジソン)」を発表し、センサー内蔵のベビー服や腕時計型端末など、搭載する試作品も併せて披露しています。このエジソンは、サイズがSDカードと同じでウエアラブル機器向け半導体「Quark(クオーク)」に加えてフラッシュメモリーや無線通信機能などを載しています。

日本企業も負けておらず、ウエアラブル端末の新製品で注目を集めるのはセイコーエプソンです。同社が発表した透過式のメガネ型端末「MOVERIO(モベリオ)BT-200」は、2011年11月末に発売したメガネ型端末の後継機種で、重さが88gと従来機種の3分の1まで軽量化されています。さらにエプソンは腕時計型の「PS-500」とリストバンド型の「PS-100」の2つのウエアラブル端末を披露し、脈拍計や加速度計を備えており消費カロリーや歩数を計測することが可能です。


最後に

今後、家電メーカーが過当競争を抜け出すためには自動車などをはじめとした異業種との連携が不可欠となっているといえ、家電メーカーの置かれた環境を再認識することが必要となるだろう。新商品や異業種との連携などでさらに便利で楽しめる提供を行ってくれることを家電産業に期待したいところだ。

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