2021年10月27日10時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
国内では週末31日(日)の衆議院議員総選挙に注目が集まっているが、海外勢の興味は第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)。それにむけてジョンソン英首相がコメントしている。
------------「石炭火力全廃を」日本に圧力------------
今週末31日(日)にCOP26開幕となっているが、議長国である英国が日本に決断を促し「日本が国内の石炭火力を廃止する方針を打ち出すことを望む」とジョンソン英首相は先々週13日(水)、岸田首相との電話協議でこう求めた。この要請は英国側の発表には明記されたが日本側の公表資料に記載はない。石炭火力は発電時の二酸化炭素(CO2)の排出量が多い。温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」は、地球の気温上昇を産業革命前から1.5度以内に抑える目標を掲げる。国連は目標達成には50年ごろのカーボンゼロ(実質的な炭素排出ゼロ)が必要で、「実現には石炭火力の早期廃止」(グテレス事務総長)が不可欠とみる。(出所:日経新聞)
------------
ベースロード電源確保のために、石炭を減らすのであれば、当然LNGの需要は増える。LNGの需要が増えれば、豪ドルに需要が増え豪ドル/円が上がるのかという印象。どちらにせよこれは円安要因。
現在の為替相場の戦略やスタンス
トレーダーの間でひとつ話題になっているのはスコープ3。スコープ3とは脱炭素の範囲を原材料の仕入れや下請けの組み立てにまで拡大したもの。日本の企業ではこのスコープ3の対策の遅れが懸念されている。日経新聞によるとこの点で進んでいるのが、AppleとMcDonald's。中期的な話になるが、このあたりの日本企業の遅れが後々株価に効いてくるかもしれない。視点を直近のFXマーケットに戻すと、カブール陥落以降、豪ドル/円は大きな押し目もなく8円急騰し、目標値であった85円にあっという間に到達。資源国通貨の中では、オプションマーケットで極めてロングが積み上がっているNZドルだけは反落に要警戒。結果、豪ドル/NZドルは上昇トレンドとなっている。豪ドル/円は先週は86.25円まで暴騰した反動で今週は調整局面入といえるが、豪ドル/円は押し目買いスタンス継続。米ドル/円も113.00円をサポートとして押し目買いで臨みたい。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。