本記事は、大橋弘明の著書『サラリーマンの副業の税金が全部わかる本』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています

サラリーマンの副業5
(画像=PIXTA)

Q:ふるさと納税って、お得な制度なの?

A:寄付先の市区町村から返礼品をもらえた上で、ふるさと納税した額のほとんどが税金で還付されるのでお得だよ

ふるさと納税をした場合には、寄付金控除の適用を受けることができ、所得金額から所得控除を差し引くことができます。具体的には、次の計算式で計算した所得控除額を所得金額から差し引くことができます。

(計算式)
寄付金控除=寄付金の額(所得金額の40%を限度)- 2,000円

ふるさと納税で寄付した金額のうち、所得税で還付を受けることができない額は、住民税で控除(還付)を受けることができます。

つまり、ふるさと納税を利用すれは、実質2,000円を負担するだけで、さまざまな返礼品を受け取ることができるのです。

返礼品も、お米、肉、魚、野菜、酒、うどんなどのような食料品から、食事券や施設の利用券など多種多様です。

ふるさと納税は、返礼品をもらえた上で、節税もできるのですから、お得な制度と言えるでしょう。

例えば、10万円のふるさと納税をして2万円相当のお米セットをもらった場合には、10万円- 2,000円=9万8,000円の税金が、所得税と住民税で還付や控除された上で、2万円相当のお米セットをもらうことができます。

ただし、もともとの納税額以上に、所得税や住民税で税金の還付や控除を受けることはできませんので注意が必要です。

そのため、ふるさと納税を行う際には、所得税や住民税の納付税額も予想して計画的に行う必要があります。

ふるさと納税のウェブサイトなどでは、利用限度額の試算を行うことができるようになっていますので、ウェブサイトを利用して試算すると良いでしょう。

なお、ふるさと納税の寄付先の市区町村が5か所以内で確定申告不要のサラリーマンは、「ワンストップ特例制度」を利用することができます。

所得税の確定申告での手続きが不要で、住民税だけでふるさと納税にかかる税金の控除(還付)を受けることができる制度です。

ふるさと納税する市区町村が5か所以内の場合には、この「ワンストップ特例制度」を利用すると、税金の還付手続きがとてもラクですので、利用されると良いでしょう。

まとめ:ふるさと納税はお得。確定申告不要のサラリーマンは、ワンストップ特例制度でラクに還付手続きを受けよう

Q:iDeCo(個人型確定拠出年金)って節税になるの?

A:掛金の支払いの全額を所得控除の対象にできるので、節税にもなるよ

iDeCo口座での株式投資信託などの運用益には、運用期間中は所得税がかからないので、老後の資金運用という観点で、とてもお得な制度です(運用期間終了後の取扱いは、Q13をご参照ください)。

さらに、iDeCoにはメリットがあります。1年間の掛金全額を小規模企業掛金等控除として所得控除することができるのです。

毎年の掛金(6万円~81万6,000円)の全額が所得控除の対象になります。例えば、年間50万円の掛金を支払っていて所得税率が30%の場合には、1年間に50万円×30%=15万円の節税効果があります。

さらに、20年間に渡り掛金を支払い続けた場合には、15万円×20年=300万円の節税効果になります。

ただし、iDeCoにもデメリットがあり、60歳までの運用期間中は、原則として、支払った掛金の引き出しをすることができないのです。

そのため、緊急にお金が必要になっても引き出しができませんので、注意が必要です。余裕資金を運用する際に、iDeCoを検討すると良いでしょう。

まとめ:iDeCoは、掛金全額が所得控除の対象となるのでお得

サラリーマンの副業の税金が全部わかる本
大橋弘明(おおはし・ひろあき)
税理士 中小企業診断士 ファイナンシャルプランナー(1級FP技能士・CFPR認定者)港総合会計事務所・パートナー
1974年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。地方銀行、会計事務所、税理士法人勤務を経て、現職。シンクタンク、商工会議所、区役所などにおいて、会社や個人の税務相談業務に数多く従事する。モットーは、「開業や副業で、人生を豊かに」。サラリーマンの独立開業や副業支援に力を入れており、これまでに支援した人数は、500人を超える。

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