2022年1月14日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

現時点で、殆どの市場参加者が「インフレに対応して米金利が上昇する」と考えていると思う。それがマーケットのコンセンサスになっているといえる。ただトレードする時に問題になるのが、ドル金利の上昇でドルは本当に上がるのかという点だ。米ドル/円に関しては、あまり異論はなく、ドル金利の上昇が急ピッチであれば、グロース株の急落を招き、それが資源国通貨円の売り圧力となる。豪ドル/円を筆頭に、クロス円の急落に連れ、米ドル/円は反落する可能性があるということはマーケットである程度警戒されている。 これに加え、マーケット参加者の中には、金利上昇が本格化する初動では、株の動向に加え、米ドル/円が下落する傾向があるとの指摘もある。これは米10年債利回りの上昇過程で、債権の投げ売りが持ち込まれることにより、その円転による円買いが出るのではと見られている。これに加え本日14日(金)にブルームバーグが気になるレポートを出していた。それはドルと米国債利回りの関係に亀裂が生じ始めたというもの。

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市場では今年最大4回の利上げが織り込まれているものの、ブルームバーグ・ドル指数はほぼ2カ月ぶりの水準に低下。モルガン・スタンレーはドル上昇分の大半が織り込み済みだと指摘しており、投資家はドルの軌道を見極める上でFOMCの政策の先を見越す必要があるかもしれない。(出所:ブルームバーグ)
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<米2年債利回りとブルームバーグドルインデックスの相関チャート>(出所:ブルームバーグ)

米2年債利回りとブルームバーグドルインデックスの相関チャート>(出所:ブルームバーグ
(画像=ブルームバーグ)

現在の為替相場の戦略やスタンス

今年2022年に入って、確かに2年債利回りが急騰するのに追随してドルは下がっている。この相関が今後もトレンドとして継続できるかどうかにマーケットは注目しているともいえる。ドル金利が下がれば、米ドル/円の上値が重くなることは変わらないが、米2年債利回りが上昇しても、当面米ドル/円が値を下げるのであれば、米ドル/円を押し上げる要因は極めて限定的ということになる。スタンスは変わらず、米ドル/円の戻り売り。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。