清水洋介,投資戦略
(画像=VectorSpace / PIXTA)
日経平均 2万8,257.25円(▼76.27円)
為替 1ドル=114.85円
売買高(東証一部、以下同) 12億2,657万株
売買代金 2兆8,125億3,800万円
値上り銘柄数 538銘柄
値下り銘柄数 1,557銘柄
騰落レシオ(25日) 90.48%

市況概況

堅調な始まりで戻りを試す動きだったが、米金利上昇などを嫌気して売られ、軟調

米国市場は休場、欧州株は高い、金融政策決定会合の結果発表を控えている。そんななかで、買い先行になった。指数に影響の大きい銘柄が買い戻された結果、指数を押し上げて堅調な地合いに。しかし、「金融政策決定会合の結果を見たい」ということで、さすがに上値は重く、指数は小動きだった。

昼に金融政策決定会合の結果が発表されると、「特に何も変わらないが、景気見通しを引き上げた」ことなどが好感されて買われ、上値を試す動きに。しかし、寄り付きからの買い戻しが一巡になると、大阪でのオミクロン株の感染爆発や米国金利の上昇が見られたことで、売り急ぐ展開へ。今度は大きく下押した。

昨日の終値を下回り、節目とみられる2万8,000円を意識するところでは、買戻しが入って指数は下げ渋った。

小型銘柄は売り一巡となって、一時、大きく上昇。しかし、最後は手仕舞い売りに押されて冴えないものが多くなった。東証マザーズ指数は堅調、二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調だった。先物はまとまった売り買いが散発的に見られて指数を右往左往させる要因になった。保ち合い相場が前提で、上がれば売られ、下がれば買われるということなのだろう。

注目された日銀の金融政策決定会合の結果は、想定通り「何も変わらない」ということだった。まだ「異次元緩和」を続けているという体で、実際には金融緩和の終了に近づいているだろう。物価の上昇にしても楽観的に見すぎている感があり、まだまだ会合のたびに波乱がありそうな感じ。ここからは決算動向を気にしながらの動きになるだろう。

テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線や基準線、雲に上値を押さえられた形になった。再度下値を試すことはあるだろうが、保ち合い相場が続いている。

あれやこれやと一言

日銀の金融政策決定会合の結果が発表されたときは買いが優勢になったが、すぐに一転して売り急ぐ展開に。「米国の株価指数先物が売られている」とか「米国金利が」といっていたが、やはり想定通りの日銀の対応で金融緩和の終了を気にすることになったのだと思う。

当面は日銀の金融政策決定会合のたびに波乱となりそうだが、基本的には金融緩和の終了を織り込むということになる。これから12月決算銘柄なども含めて、決算発表が本格化してくる。業績が芳しくない理由として売り上げが伸びない、あるいはコストが増加した、などということになれば、相場全体が下押すということがありそうだ。

コストプッシュ型のインフレ、つまりはスタグフレーションということだが、「これ以上、金融政策では緩和のしようがない」ということになれば手の打ちようがない。中国の景気鈍化や米国の利上げなども当然、企業業績に影響するだろうし、目先は保ち合い相場だが波乱含みということだ。

2018年の2月のように「波乱の前の嵐の静けさ」というような気がする。来週の米FOMC(公開市場委員会)が終わってホッとしたところで、米雇用統計などをきっかけに売られるということもあるかもしれない。ただ、それまでは売られすぎ銘柄の修正高、買われすぎ銘柄の修正安ということで保ち合いが続くだろう。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。