清水洋介,投資戦略
(画像=VectorSpace / PIXTA)
日経平均 2万8,478.56円(▼9.31円)
為替 1ドル=115.90円
売買高(東証一部、以下同) 12億8,905万株
売買代金 3兆128億2,300万円
値上り銘柄数 853銘柄
値下り銘柄数 1,218銘柄
騰落レシオ(25日) 105.05%

市況概況

昨日の反動で買い先行も買い気に乏しく冴えない展開

米国株は引き続き売られたが、夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物が堅調だったこともあり、買い先行になった。昨日の大幅下落の反動から堅調になり、戻りを試す動きに。上値が重くなると手仕舞い売りを急ぐ動きなどがあって、冴えない展開になった。昨日の終値を下回るとさらに売られたが、「売り手が多い」というよりは「買い手がいない」という状況で下げは限定的だった。

昼の時間帯は、いったん売られたものの買戻しが見られた。後場に入ると再度、戻りを試す動きに。それでも昨日の終値である2万8,500円水準を意識すると上値が重く、指数は小動きで、全体として冴えない展開になった。

3連休と米国の雇用統計の発表を控えて、持高調整の売り買いはあったが「ある程度、調整は終わった」という感じで、ほとんど動きはなかった。前場同様、売られるというよりは「買われない」ということで、最後には買戻しが入り、昨日の終値とほぼ同じ水準で引けになった。

小型銘柄の売りはまだ続き、総じて冴えない展開に。下げ渋るものは散見されたが、東証マザーズ指数は大幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均も軟調。先物はまとまった売り買いが比較的少なく、売りが売りを呼ぶようなことも、買いが買いを呼ぶような展開もみられず、方向感に乏しかった。

月初の買いが続くことは期待されたが、期待外れになって売り急ぐ展開に。日経平均VIはそれほど上昇せず、売りが売りを呼ぶような展開ではなかったが、買い手不在のなかで手仕舞い売りにじりじりと押されるという状況だった。買われすぎ銘柄の修正が一段落するまでは冴えない展開になるのだろう。

テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線や基準線を割り込みかけている感じ。ここで反発にならないと再度下値を試すことになるだろう。遅行スパンがローソク足にサポートされるような場面がでてくるかもしれない。

あれやこれやと一言

「米国株安に連れ安とならないか」と思われたが、相変わらず買われすぎ銘柄の修正安は続いており、指数の上値が重く、上値の重さが嫌気されると一気に売られる、ということ。金融緩和の縮小が始まったことやオミクロン株の感染拡大が続くなかで「買えない」ということなのだろう。

売り急ぐ動きはなく、日経平均VIは落ち着いているのだが、少なくとも「積極的に買い上がる」とか「売られた銘柄から買っておこう」というような雰囲気はなく、買い気に乏しい展開。戻すところでも空売りが積み上がらず、買戻しは入らないということで、指数はさらに下押す懸念もでてきそう。

売り急ぐ動きがないだけに、逆に「ちょっとした売りがあると一気に下落する」という状況だ。下がるから売るということなのだろうが、空売りでなく、買っては売りということで、なかなか戻さない。当面は2万9,000円あたりまでしか戻さないのだろう。

逆に、きょうみたいに2万8,500円を割り込むと「さらに売られる」ということになる。今度は2万8,500円が上値になるのかどうかを確認したい。一旦、2万8,000円を割り込むような場面があるのではないかと思う。いずれにしても金融政策に神経質な動きが続くということだ。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。