この記事は2021年11月29日に「The Finance」で公開された「ベルフェイスから読み解く金融機関のオンライン商談(非対面営業)導入事例」を一部編集し、転載したものです。


長らく変化の少なかった金融領域の営業にも、新しい潮流が訪れている。まだ記憶に新しい菅元総理のゼロ・エミッション表明などを受け、金融が将来に果たせる役割を一社員が真剣に考える時代になった。顧客の購買体験(CX)を含め、重要なきっかけとなったのが「非対面営業」を可能とするソリューションの登場だ。本稿では、オンライン営業システム「bellFace(ベルフェイス)」の事例をもとに、オンライン営業の導入をきっかけとして起こった改革の事例を解説する。

目次

  1. FFG証券「契約手続きをオンライン完結させた証券会社の改革」
  2. SMBC日興証券「オンラインを取り入れて掴んだ顧客の確かな感触」
  3. ZuttoRide「新卒営業が新規事業で成果を上げる!録画機能活用法」
  4. SMBC信託「お客様自身の購入のハードルが下がった」

※本稿は記事内でベルフェイス株式会社のサービスを紹介しております。

FFG証券「契約手続きをオンライン完結させた証券会社の改革」

ベルフェイスから読み解く金融機関のオンライン商談(非対面営業)導入事例

FFG証券は、福岡銀行を中心とするふくおかフィナンシャルグループの証券会社だ。

コロナ禍はもちろん、広い商圏に対応するために営業効率が悪くなっている課題への対応を検討していた。“非接触対面型営業”の実現を期してオンライン営業システムbellFace(ベルフェイス)を導入。高い営業生産性を求めて改革が始まった。

しかし、決してすべてを一律にオンラインに変えたわけではなく、顧客の希望に合わせて臨機応変に活用しているという。面白いのは、このホスピタリティやCXの部分だけでなく、「事務処理の改革」もセットで行っている点にある。すなわち、目論見書(有価証券の重要事項説明書)の電子交付だ。

紙とはんこの文化だったところから、提案から契約まで一気通貫で完了するよう金融当局と交渉し、bellFaceを用いた目論見書電子交付を認められたことで活用の幅が拡大した。これはさらに見方を変えると、目論見書における誤送付などのミスリスク防止、つまりガバナンスの強化に繋がっている。

また、年間2万冊発行していたあの分厚い目論見書の冊子をなくせたということは、膨大な紙資源を削減できたということでもある。営業の生産性だけでなく、前後のオペレーション改革も環境への寄与面も、非常に意義のある好事例である。

SMBC日興証券「オンラインを取り入れて掴んだ顧客の確かな感触」

ベルフェイスから読み解く金融機関のオンライン商談(非対面営業)導入事例

同じ証券会社でも、三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBC日興証券は、顧客体験の変化に強い価値を感じているようだ。

従来、人の力に頼っていた顧客接点の課題を、オンラインを取り入れることで効率的に解決し、また電話だけで完結していた顧客には「担当の方ってこういう顔だったのね」、直接面談をしていた顧客にも「これならいつも会わなくても大丈夫ですね」などと、確かな感触を得ている。

ただすべてをオンラインにするわけではなく、オフラインの良いところも組み合わせたハイブリッドのような形を検討するという。

コロナ以降の成果をあげている営業組織の大きな共通点として、対面・非対面をうまく使い分けるハイブリッドな営業スタイルをとっているという特徴が挙げられる。自社の顧客の希望や特性、あるいは効率や対応スピードなども合わせて作り上げる混合型だ。

デジタル時代だからすべてをデジタルにするのではなく、デジタル時代なりの在り方を作り上げることが求められている。

ZuttoRide「新卒営業が新規事業で成果を上げる!録画機能活用法」

ベルフェイスから読み解く金融機関のオンライン商談(非対面営業)導入事例

比較的若い企業から、新しい取り組みもご紹介させていただこう。

バイクや自転車向けの車両保険を中心に事業を展開するZuttoRide株式会社は、全国のバイク/自転車販売店に営業活動を行っている。コロナをきっかけに、訪問営業の課題を解決できないかとオンライン営業の導入を決めた。

1日の平均商談件数2倍や遠隔地の契約が決まったなどの成果もあるが、何より素晴らしいのは、2020年入社で異動してきた新卒営業社員が次々と契約を決められている点にある。

仕掛けはこうだ。bellFace(ベルフェイス)に付属の録音録画機能を使って、マネージャー職社員の営業録画を見せ、さらに自分自身の商談の録画を見せることによってまた気づきを得る。もちろん資料を工夫するなど他にもやったことはあるが、これで営業スキルが向上することはもちろん、キャリアの可能性を拓くことが実証された。

どの企業でも“即戦力”がほしい時代である。「少しでも売上が欲しいのにのんびりと教育に時間をかけてなどいられない」という現場の本音はもっともだろう。そんなときに、録音録画機能を使い「営業部長の虎の巻」をそのままインストールした社員がいたら、スタートラインはもちろん、成長スピードが違うのは自明である。

成長できる仕組みの差は、その後のキャリアの持続性にも大きな差を生むだろう。

SMBC信託「お客様自身の購入のハードルが下がった」

ベルフェイスから読み解く金融機関のオンライン商談(非対面営業)導入事例

最後に銀行の事例を1つ紹介しよう。

SMBC信託銀行は、実店舗が少なく、もともと24時間対応の電話窓口を持つことを強みの1つとしていた。

しかし、一方でどうしても電話だけのサポートでは難しい状況もあり、年配の顧客などはこれまで1時間かかっていたところが、30分ほどに短縮されるようになったという。売上としての成果も出ており、(電話のみの場合と比較して)成約率は5割増、オンラインだけで契約成立するばかりか、電話との比較で約2倍、億近い取引や外貨建ての数十万ドルという金額の取引事例も複数出ているという。

顧客の年齢層は20~80代と幅広く、明らかに取引の入口から出口まで一貫してサポートできる体制が作れたことの成果が出ている成功事例である。


[寄稿]依田 昂騎
ベルフェイス株式会社 サステナブル推進プロジェクトリーダー
コミュニケーション領域のクリエイティブディレクター、マーケターとしてキャリアを重ねた後、2020年よりベルフェイスに参画。企業のコンサルタント・アドバイザーとしても活躍中。
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