トータルブレインケアがユニコーンで株式投資型クラウドファンディング(ECF)を利用して2回目の資金調達を行います。そのため評判や実績をまとめてみました。
1回目の募集では⽬標募集額を大きく上回っています。資金調達後は想定を上回るスピードで提携企業が増えており、今回さらなる事業拡大のため2回目の資金調達を目指します。
トータルブレインケアは産官学連携で共同開発したクラウドシステムのCogEvo(コグエボ)で収集したビックデータを分析、活用し「だれもが自分らしい生涯現役」の実現を目指しています。
CogEvoはパソコンやタブレットなどのデバイスからサイトへアクセスすることで利用できます。
誰でも簡単に認知機能のチェックとトレーニングをすることができ、医療介護分野や自治体などから需要が高まっています。
ゲーム感覚で気軽に認知機能を測定することができ、病院で診察を受けるよりも心理的ハードルが低く、自分の特性と変化を知ることができるツールだと言われています。
認知機能の見える化に取り組む企業になり、高齢化社会や超高齢化社会といった近い現実に関係がある企業となっています。既に認知症の問題はメディアで騒がられていますからね。
目次
トータルブレインケアは認知機能の見える化を行う企業!CogEvo導入が加速
トータルブレインケアのCogEvo(コグエボ)は医療現場や研究機関に認められた製品です。
認知症や高齢化による認知機能の低下が社会問題になっているため期待されているようです。
製品紹介などは上記動画を見ていただくとわかりやすいと思います。
医療機関や老人保健施設などで利用されているサービスになります。今後は多様な企業と提携し共同開発を行うことで、高齢者だけではない幅広い層へサービス提供が可能になるそうです。
CogEvoは、継続的に利用することで様々な認知機能の変化を早期にチェックすることができます。少子高齢化社会では必需品なのかもしれません。また、問題が見つかれば改善点などを促すことができます。
2025年には認知症患者が700万人に上ると内閣府が発表しているため、同社製品にも期待が高まっているのかもしれません!
前回の募集が2021年7月なので短期間での資金調達を実施します。
今回の上限募集は5,500万円となっており、発行者が1年間に資金調達できる金額1億円未満を意識した募集のようです。
また、投資家が投資できる金額は同一の会社につき1年間に50万円以下と決まっているためご注意ください。
企業概要を詳しく調べてみました
トータルブレインケアの企業概要を調べてみました。公式ページを確認すると既に出来上がっている感があります。
ECFを行う企業のホームページは事業に専念するばかりに後回しになる企業が多い印象があります。同社の場合はホームページ経由の新規獲得も見込めそうです。
CogEvo(コグエボ)を導入すると導入金額の3分の2が補助させるチャンスがあると公式ページに書かれています。IT導入補助金が活用できるそうです。
独立行政法人中小企業基盤整備機構の後押しがあるのは魅力だと思います。
項 目 | その内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社トータルブレインケア |
本社住所 | 〒650-0046 兵庫県神戸市中央区港島中町四丁目1番1 |
代表者名 | 河越眞介 |
設立年月日 | 2015年11月2日 |
決算期 | 10月 |
事業内容 | 認知機能に関するクラウドシステム「CogEvo®」の販売や認知機能等に関するプログラムの開発事業 |
資本金 | 76,910,000円 |
発行済株式数 | 284,476株 |
主要株主 | ・河越眞介(代表取締役)54.35% ・親族株主 21.97% ・役員等株主 10.33% ・個人株主 11.25% ・株式投資型クラウドファンディング個人投資家 2.1% |
調達した資金は開発費や人件費、広告宣伝費に利用される予定となっています。
今回の募集金額は1株当たり10,000円となっています。前回の募集では1株当たり7,500円でした。数ヶ月の差で2,500円の差が出ています。それだけ企業価値が上がったと考えられます。
発行済株式数284,476株から時価総額を計算すると約28.4億円となります。
募集画面には「新たな成長フェーズに入った」とあります。成長ステージはシリーズA~Bと言ったところでしょうか。
前回の募集資料には自己資金、会社クレジットを背景に補助金、助成金、共同研究開発資金、資本性ローン等で3.5億円の資金調達を行っているとあります。
トータルブレインケアのビジネスモデルと特徴を考察!
同社のCogEvoは簡単に認知機能のチェックとトレーニングすることができるツールです。超高齢社会や労働人口の減少といった社会課題を解決することが考えられています。
認知機能を5つに分類し専門家が監修した12種の楽しいタスクで、エビデンスに基づいた質の高いトレーニングを提供しています。
高齢化は現実問題として認知症患者の増加につながると思います。日本では大きな社会問題と言えます。
同社製品を利用することで改善にどれだけ役に立つのかはわからない部分もありますが、医療分野や介護分野での導入が進んでいるそうなので効果はあると考えられます。
自治体でも導入が進んでいるとされているため期待できそうです。ただ類似品は出てくると思います。
CogEvoはゲーム感覚で測定できるとあります。自分自身で5分程度で測定できるそうです。メンタルヘルス対策に取り組む企業も増えていると思うので上場できるように頑張って頂きたいと思います。
大手企業と販売契約を結び、医療や介護業界での販路拡大に取り組んでいます。その効果もあり現在も新規提携が進んでいるようです。
ただ事業拡大には資金が必要になります。提携企業からの資金調達も今後行われると思います。
ビジネスモデルはCogEvoの販売ライセンス数に応じた売上と固定収益になります。今後は他のソリューションと連携することで新たな価値提供も目指します。
三菱ケミカルホールディングスグループと「CogEvo Medical」を開発販売予定となっているのは好材料だと思います。
また、「健康経営・ヒヤリハット」の分野に進出し「スポーツ・ヘルスケア」「ソリューション連携」なども同時に研究が進められています。
競争の優位性は産官学での導入や共同開発の実施などになると思います。
SOMPOホールディングスや国立長寿医療研究センターとの共同開発がユニコーン公式サイトで取上げられています。
売上が急増し対応しきれない状況となっているそうなので人材への投資も考えられているようです。
トータルブレインケアの業績と上場(IPO)を行う時期を確認してみました
前回募集時の業績と比較をしてみるとあまり数値の変化はないようです。直近の売上高と営業利益の数値が少し上下している程度です。
概ね順調に事業が進んでいると考えられます。
2024年10月基準で新規株式公開(IPO)を行う目標があり、2026年10月期には売上高20億円を目指すそうです。
売上から考えると2024年の数値では厳しい印象を受けます。東京証券取引所の市場再編がプラスに動けば可能なのかな?と思うところはあります。
上場を行うならグロース市場になりそうです。
同社が対象としている「認知機能評価・トレーニング市場」は世界的に拡大が見込まれています。医療や介護業界での販路拡大につながるような提携が既に行われ、販路戦略も既にでき上がっているようです。
フクダ電子や電通国際情報サービス(電通グループ)など大手企業との販売契約も行っているようです。
そして、個人投資家から資金を調達するのは今回で最後になるとアナウンスされています。同社の置かれている状況はわかりませんが、株式投資型クラウドファンディングを行わなくてもよい段階にあるのかもしれません。
もしくは上限募集額を達成すると考えているのかもしれません。現時点でベンチャーキャピタルからの資金は行われていないようです。
トータルブレインケアの株主優待とエンジェル税制適用について調べた結果
株主優待について調べてみたところ毎年10月末日に株主名簿に記録された方が対象となっています。
投資を行ってもすぐに株主優待を貰えるわけではないようです。
株主優待の内容は投資金額に関わらず「CogEvo®パーソナル 無料チケット」の贈呈となっています。登録から1年以内が無料となっています。
実際にサービスを利用することで認知機能の変化をリアルに体感することができます。
まとめると以下のようになります。
株主優待制度 | その内容 |
---|---|
対象となる方 | 本クラウドファンディングに投資を行い毎年10月末日現在の株主名簿に記載又は記録された株主様が対象 |
株主優待の内容 | 株数(投資金額)に関わらず「CogEvo®パーソナル 無料チケット(ただし、登録時から1年以内)」の贈呈 |
株主優待の時期 | 来年度以降も毎年「CogEvo®パーソナル 無料チケット(1年間有効)」をメールにて送付予定 |
また、本クラウドファンディングはエンジェル税制優遇措置Bが適用されることになっています。
設立10年未満の企業が対象となり、対象企業への投資金額全額をその年の株式譲渡益から控除できます。控除対象となる投資額の上限はありません。
過去にユニコーンで取り扱われた案件を下記にご紹介しています。面白いビジネスを手掛ける企業が多く興味があれば是非チェックしてみてください。
【過去のECF案件】
1. プロテクトワン(Protect ONE)
3. プリベントサイエンス
4. ヴァズ(Vuzz)
トータルブレインケアに投資を行っても問題がないのか?評判と実績まとめ
1回目の資金調達から成長していることが伺えます。また取引先企業などから実績を認められ「新たな社会インフラ」の期待がもてるといった話も出ているようです。
今後売上の急拡大が予想され、組織の充実とシステム開発の加速化などが必要な段階となっているようです。
詳しい内容は上記動画で説明されています。
大手企業との提携が現在も進行中となっていることから業績への期待があります。「ILS TOP 100 STARTUPS」にも4年連続で選出されているそうです。
過去にワールドビジネスサテライトでも同社のCogEvo(コグエボ)が紹介されていました。直近でもNHKや化学工業日報などに掲載されています。メディアへの露出も多いようです。
項 目 | その内容 |
---|---|
プロジェクト名 | 【第2回】多様な企業とのアライアンスによって新たな成長フェーズに入った「トータルブレインケア」 |
目標募集額(株数) | 10,000,000円(1,000株) |
上限募集額(株数) | 55,000,000円(5,500株) |
募集価格 | 1株当たり10,000円 |
申込単位 | 10株 |
最低申込金額(株数) | 100,000円(10株) |
上限申込金額(株数) | 500,000円(50株) |
申込期間 | 2022年3月02日~2022年3月06日 |
募集要項は上記のようになります。
ユニコーン第35号案件は実績ある企業なので人気が見込めそうです。日本ハムやNTT西日本、アシックス、グッドライフデザインなどの企業と協業も進んでいるとあります。
疫病予防や健康維持・向上を目的としたセルフケアマネジメントは普及しつつあるそうですが、認知機能を日常生活の場で測定できるツールは存在しないそうです。
そのため同社製品が好まれているのかもしれません。コロナ以前の業績に回復したことも好材料だと思います。
高齢化社会が加速すると考えられているため、医療機関や研究機関からの支持も高まっているようです。
第1回で投資を行っている方は33%程度の成長と株価から考えることもできそうですね。ユニコーンから上場(IPO)を行う企業が出てくることを期待したいと思います。