オンラインドクター.com(オンラインドクタードットコム)がユニコーンで株式投資型クラウドファンディング(ECF)を利用して資金調達を行います。そのため評判や実績を投資家目線でまとめたいと思います。
目標募集額や事業計画、サービス内容などもチェックしてみたいと思います。上場(IPO)は2026年9月期を目指すそうです。
資料では日本一忙しい小児科医とも称される鈴木幹啓氏によって設立された企業とあります。同社公式サイトでもそのように書かれています。
医者がなぜクラウドファンディングを利用した資金調達を行いたいのか? と疑問が湧きます。
メディカルプラットフォームの「イシャチョク」を利用すれば、「いつでも」「どこでも」自分にあった医療機関へアクセスが可能になるため利用者にはメリットがありそうです。
しかしオンライン診療は診療報酬点数が現時点では低いため進まないと言われています。さらにシステム導入費用の問題もあるようです。
同社はユニコーン第36号案件になり取扱い案件もだいぶ増えてきました。今回も深掘りしてみたいと思います!
オンラインドクター.comは何を解決できる企業なの? オンライン診療のマッチングサービス
オンラインドクター.com(オンラインドクタードットコム)は医療業界のDXを推進し、オンライン診療を実施している医療機関の見える化を行います。
初診からオンライン診療を受けられる仕組みを構築し、医師の患者獲得機会を増やすためのサービス提供なども今後展開していくそうです。
サービス内容を調べると、予約不要でラディアル型オンライン診療により患者が必要な時に、必要な場所で、いつでもすぐに医療機関とマッチングできる世界を目指しているとあります。
ラディアル型とは何なのか? と思い調べると、ラディアル(Radial)が「放射状の」という意味になるそうです。
患者の所在地から放射状に医師が患者を救うイメージからラディアル型と呼ばれるそうです。ネットで調べるとオンラインドクター.comのホームページで説明が行われていたため間違いないと思います。
コロナ自宅療養者への対応も可能となっているそうなので資金調達のタイミング的には良さそうです。
2021年11月に「イシャチョク®」をリリースし2022年1月には「ラディアル型オンライン診療」をリリースしています。
今後は「イシャチョク®薬局」「イシャチョク®保険」のリリースも予定しているそうです。イシャチョクのホームページではオンライン診療アプリの掲載も複数確認できています。
同社が解決したい課題は「イシャチョク®」を浸透させオンライン診療を当たり前の世の中にすることです。
オンライン診療を実施している医療機関は約15%と低く、さらにビデオ通話システムの導入は約5%となっている現状がそこにはあります。
ユニコーンの資料によれば患者の約70%がオンライン診療を望んでいるそうです。患者の中にはオンライン診療で済ませたいケースもあると思います。都心ほどその傾向が強いと思います。
医療機関から考えると診療報酬点数の問題やシステム導入費用で課題があると思います。また、固定客を失う可能性も出てくると思います。
驚いたのはオンライン診療を現在利用している方や過去に利用していた方を合わせると18%になることです。数年後にはオンライン診療が当たり前になりそうな気がします。
また、利用したいと考えている方が大半となっているため、医師と患者で大きなギャップがあるとわかります。
どのように浸透していくのかは現時点で定かではありませんが、政府の後押しがあれば一気に浸透する可能性があります。
ただシステムに対応できないクリニックや小さな病院は淘汰される可能性もあります。厳しい時代だと思いますが、少子化からもわかるように合理化できない企業は生き残れない時代が迫っています。
企業概要を詳しく調べてみました
オンラインドクター.com(オンラインドクタードットコム)のホームページを確認すると主要メンバーの肩書に驚きます。
楽天株式会社や株式会社電通グループ、放送作家、米系証券会社ゴールドマンサックスなどの経歴を持った方が掲載されています。
ホームページも今風の作りとなっており、メディアに掲載されたことを前面に出しているような作りだと個人的に感じました。
項 目 | その内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社オンラインドクター.com |
本社住所 | 〒108-6028 東京都港区港南2丁目15番1号品川インターシティA棟 28階 |
代表者名 | 鈴木幹啓 |
設立年月日 | 2020年10月09日 |
決算期 | 9月末 |
事業内容 | 病院・診療所等の医療施設に関するアプリケーション及びポータルサイトの企画、開発、運営等 |
資本金 | 30,000,000円 |
発行済株式数 | 100,000株 |
主要株主 | ・鈴木幹啓(代表取締役)99.2% ・その他株主 0.8% |
株式投資型クラウドファンディングで調達した資金の使途は広告宣伝費、研究開発費、運転資金となっています。
募集前の時価総額は1株当たり6,400円となっているため、発行済株式数100,000株から計算すると約6.4億円となります。
代表の鈴木幹啓氏は現役の医師になり、医学界で権威を持った著名な医師との繋がりも多いそうです。
それと調べていてわかりましたが従業員数は14名となっていました。
オンラインドクター.comのビジネスモデルと特徴を考察!
同社が運営するイシャチョクは、予約不要のラディアル型オンライン診療サービスを提供します。
患者はクラウド上の仮想待合室に待機する仕組みになり、手の空いた医師の診察を受けることができます。医療圏30分(30km)内の病院で診察を受けることができるそうです。
テレビにも頻繁に取り上げられている企業のため既にご存知の方も多いかもしれません。
同社サービスでは診察の予約をすることなく診療を受け決済まで済ますことができます。医師は手の空いた時間に診察が可能なため、新規患者をオンラインで獲得することができます。
これらにより、これまでオンライン診療が広がらない原因とされていた、対面診療より診療報酬点数が低いことなどのデメリットを解決できるとされています。
ある程度患者にオンライン診療が認知されれば収益化が加速すると思いますが、地方だと都心のようにスムーズに受け入れられるのかは未知数のところがあります。
しかし、時代はオンライン診療を必要としていると個人的にも感じます。
また、オンライン診療アプリを提供している企業が10社以上存在しシェアを競っているそうです。
同社サービスではアプリを横断して検索でき、アプリのダウンロードや診察の予約をすることができるようになっています。
この他、法人向けオンライン医療相談サービスを2022年3月中に開始するそうです。医師の空き時間に医療相談をしてもらい、診察圏内であればそのままオンライン診療に移行することができます。
競争の優位性では予約不要のオンライン診察がこれまでにない新しいプラットフォームとなるそうです。
初診でもオンライン診療を受けやすくするために「患者カルテ庫」を展開し、特許も出願中となっています。
患者カルテ庫は患者の保険証や健診結果、カルテなどの医療情報をクラウド上で管理することによって、QRコード1つで医療機関へ共有することができます。
初診からオンライン診療を受けるための厚生労働省のガイドラインにマッチするシステムになります。
クラウド上で管理することは便利だと思いますが、これまで失敗してきた地域医療連携システムの構築までたどり着けるのか? と心配な面もあります。
地域医療連携システムとは、複数の医療機関施設をインターネット回線で接続するサービスです。いずれできると思いますが、同社が先駆けとなれば面白いと思います。
オンラインドクター.comの業績と上場(IPO)を行う時期を確認してみました
投資家が一番気になっている業績などを確認してみました。業績は2022年9月期で売上約1.59億円、営業利益約‐1.15億円となる予想がでています。
医療系向けのサービスのため金額も大きいようです。上場(IPO)を行う時期は2026年9月期を目指しています!
2026年9月の売上高予想は約160.7億円、営業利益約58.9億円となっています。もし同社が想定するようなペースで業績が進めば上場は簡単だと思います。
新奇性あるサービスのため期待したいと思います。
コロナ禍でオンライン診療が加速化し今後も市場規模を広げ、日本国内では2023年に500億円を超えるそうです。また、2035年には900億円を超えると試算されています。
さらに、イシャチョクは第5期(2024年10月)以降のフェーズ2で総合メディカルプラットフォームを、第8期(2027年10月)以降のフェーズ3ではOMO型企業への発展を目指しているそうです。
オンラインドクター.comの株主優待とエンジェル税制適用について調べた結果
株主優待とエンジェル税制適用について調べてみました。本案件に投資を行ってもすぐに株主優待は貰えません。
株主優待の対象になる方は、毎年9月末日現在の株主名簿に記載された株主が対象になります。
株主優待の内容は株数(投資金額)関わらず、イシャチョク内で利用できるイシャチョクポイント1,000ポイント分の贈呈となっています。有効期間はポイント付与後180日です。
株主優待の時期を調べると初回だけ2022年9月以降の発送となり、翌年からは毎年11月以降の発送を予定しています。
エンジェル税制適用を調べると、エンジェル税制優遇措置A及びBの適用が予定されています。
エンジェル税制優遇措置Aは上記画像にも書いてあるように、対象企業への投資額から2,000円を引いた額をその年の総所得金額から控除できます。注意点としては控除対象となる投資額の条件が決められていることです。
エンジェル税制優遇措置Bは対象企業への投資額全額をその年の株式譲渡益から控除できます。こちらは控除対象となる投資額の上限がありません。
また、過去にユニコーンで実施された株式投資型クラウドファンディングを下記記事でご紹介しています。
・トータルブレインケアの記事へ
・理研ワールドの記事へ
・トレスバイオ研究所の記事へ
オンラインドクター.comに投資を行っても問題がないのか? 評判と実績まとめ
オンラインドクター.com(オンラインドクタードットコム)への投資は著名人が経営する企業案件となっているため人気が見込めそうです。
目標募集金額は最低960万円となっているため超えてくると考えています。
金額的には代表者が知り合いに話すだけで集まりそうな気がします。エンジェル投資家がECFを通して投資を行いたいのかは別だと思いますが、代表者の周りには出資希望者が多いのでは? と感じます。
同社ではYouTubeチャンネルで「ザ・ドクターインタビュー」の運営も行っています。イシャチョクの公式サイトでは多くの動画が紹介されています。
気になる方は視聴してみましょう。フリーアナウンサーの松本志のぶ氏との対談となっています。
動画作成を行うだけでも費用がかかるはずです。
項 目 | その内容 |
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プロジェクト名 | “オンライン診療が当たり前に受けられる世界へ“ 「イシャチョク®」で医療業界に変革を起こす「オンラインドクター.com」 |
目標募集額(株数) | 9,600,000円(1,500株) |
上限募集額(株数) | 51,360,000円(8,025株) |
募集価格 | 1株当たり6,400円 |
申込単位 | 15株 |
最低申込金額(株数) | 96,000円(15株) |
上限申込金額(株数) | 480,000円(75株) |
申込期間 | 2022年3月10日~2022年3月14日 |
募集要項は上記のようになります。
病院の課題を熟知する現役医師が運営する「オンラインドクター.com」に興味がある方は出資をご検討してみては如何でしょうか。
患者と病院の双方の悩みを解消するプラットフォームは、新型コロナウイルス感染症をきっかけとしてその必要性が顕著化していると考えられます。
IT化が遅れている医療業界でもクラウド化やDX化が進むことで、これまでと違った需要が発生する可能性を秘めています。
いずれ同社のようなシステムは必要になると個人的にも思いますが、今現在がビジネスチャンスなのかはわかりません。
ただメディアに取り上げられることも多いため医療業界の変革につながる可能性は十分あると考えています。何か変えていかないと医療業界の変革は難しいですよね。
と言うことで行動力や訴求力のある経営者が運営する「オンラインドクター.com」に出資を行ってみたい方はご検討ください。