定款をスムーズに作成する3つの方法
定款の作成には手間がかかるものの、工夫をすれば作業時間を大幅に短縮できる。ここからはスムーズに作成する方法をまとめたので、手間を省きたい場合はぜひ参考にしてほしい。
1.テンプレート(ひな形)を活用する
インターネット上で公開されているテンプレートを活用すれば、必要な情報を記載または入力するだけで定款を作成できる。必須項目の記載漏れも防げるので、印刷できる環境がある場合はテンプレートを積極的に活用したい。
ただし、テンプレートには「株式会社向け」や「合同会社向け」など、複数のタイプが存在する。また、テンプレートによって用意されている項目や文面が異なるため、設立する会社の種類や状況に合わせて使用するものを選ぼう。
2.自動作成システムを活用する
自動作成システムとは、必要な情報を入力するだけで独自の定款を自動作成してくれるサービスのこと。基本的な項目は網羅されているため、相対的記載事項や任意的記載事項が多い場合であっても問題なく活用できる。
ただし、定款の自動作成システムは有料であることが多く、サービスによっては他商品(会計ソフトなど)とセットになっている。そのため、各サービスのサポート内容や料金を細かく比較した上で、目的にぴったりなものを選ぶことが重要だ。
3.専門家に相談する
定款の作成にあたって不安を感じている場合は、専門家への相談もひとつの手になる。具体的な相談先としては、中小企業診断士や弁護士、行政書士、司法書士などがあり、相談先によっては作成を代行してもらうことも可能だ。
特に資本金額や発起人、株式に関する取り決めなどが多い場合は、さまざまな専門知識が求められる。専門家でないと作成が難しいケースも多々あるため、不安や悩みが生じたら無理をせずに相談することを検討しよう。
作成した定款はいつまで保管する?提出が求められた場合の対処法
起業時に作成した定款は、設立する会社が1部、公証役場が1部を保管する規則になっている。このうち、公証役場に提出したものは20年間保管されるが、会社で保管するものは期限が決められていない。
つまり、定款は会社を続ける限り保管するものなので、万が一紛失したらすぐに再発行をする必要がある。手続きは公証役場で行えるが、この方法で再発行されるものは原始定款のみであり、変更が加えられた現行定款は再発行できない。
なお、国や自治体などから定款を求められた場合は、原本証明つきのコピーを提出することが一般的だ。定款は外部への持ち出しが望ましくない重要書類なので、取り扱いや保管場所には注意が必要である。