この記事は2022年3月16日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年3月16日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄 トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年3月15日(火)に再開されたロシアとウクライナの停戦協議は目立った進展はなく、戦争の長期化が懸念される。
ただ、ウクライナ情勢にマーケットがだいぶ慣れてきたこともあり、過度な反応は示しておらず、リスクオフの円買いは限定的だ。
そうした中、米ドル/円は足元の米長期金利が2.1%付近の高水準で推移しており、日米の金利差拡大から上昇している。
明日3月17日(木)日本時間未明、FOMCを迎えることになるが、パウエルFRB議長が議会証言で発言した0.25%の利上げがメインシナリオ。
マーケットが反応するポイントとなるのは、FOMCメンバーが予想するドットチャート(金利見通し)でタカ派とハト派どちらに振れるかだろう。
また、インフレの圧力が強まるなか、一気に0.5%の利上げするサプライズも頭の片隅に入れておきたい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
ウクライナ情勢を考慮するとFOMCでFRBが極端なタカ派になることは想像しづらい。
足元で米ドル/円が急上昇していることもあり、短期的にはセルザファクトのようなドル売りの値動きに警戒だろうか。仮にインフレと戦う姿勢を示すのであれば、トランプラリーで付けた118.66円を試しに行く展開もある。
FOMCではややダウンサイドを意識しているが、どちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨みたい。一方で、欧州通貨に関しては、まだ強気というわけにはいかない。
ウクライナ関連のヘッドライン翻弄される展開が続くが、ユーロが上昇する局面ではやはり戻り売りが第一感だ。ユーロ/米ドルであれば1.1ドル台から売り場を探してみたい。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。