この記事は2022年3月10日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=PIXTA)

2022年3月10日(木)の午前11時すぎに外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は1カ月ぶりに116円台を回復しており、年初来高値の116.35円前後をうかがう展開となりそうだ。

ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退する中、株価が大きく反発するとともに米債利回りが上昇。原油価格は急落しており、金融市場ではウクライナ危機を受けたリスク回避モードの大規模な巻き戻しが起きているようだ。

2022年3月10日(木)は、一部に停戦合意への期待が浮上しているウクライナ情勢とともに、米2月消費者物価指数(CPI)の結果に注目。

市場予想は前年比プラス7.9%となっており、約40年ぶりの高い伸びを記録した前月(+7.5%)から、さらに加速する見通しだ。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比プラス6.4%に加速する(前月プラス6%)と見られている。

CPIの発表を受けて米債利回りの上昇が続けば、米ドル/円は1月と2月にそれぞれ上値を抑えられた116.35円付近の突破を試す可能性もあるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円が116円台を回復する中、ユーロ/米ドル相場は不安定な展開が続きそうだ。

2022年3月9日(水)は1.1ドル台を回復して大きく反発したが、ECBが3月10日(木)の理事会でスタンスを再びハト派化させるのではないかとの観測がくすぶっており、本日3月10日(木)は上値が重い動きになっている。

理事会後のラガルドECB総裁会見は、米2月CPIの発表と同じ時刻にスタートする。米CPIは伸びが加速する公算が大きいだけに、ラガルド氏の発言がハト派的と受け止められればユーロ安・ドル高に振れやすくなりそうだ。

▽ユーロ/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。