この記事は2022年3月9日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=PIXTA)

2022年3月9日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ウクライナ情勢に振り回される日々が続いているが、2022年3月8日(火)はポジティブな材料が聞こえてきた。「ウクライナがNATO加盟を断念した」とか「EUが大規模な債券共同発行を計画している」といった報道だ。

それらが好感され、ユーロが買い戻された。明日3月10日(木)に行われるロシア・ウクライナ外相会談を控え、わずかだが、希望の光があるだろうか。

一方で、英・米はロシア産原油禁輸を発表したほか、民間企業でもマクドナルド、スターバックス、コカ・コーラ、ペプシコなどがロシアからの一時撤退を発表している。

好悪入り乱れたヘッドラインに予断を許さない状況が続く。

現在の為替相場の戦略やスタンス

安全通貨として属性が近い米ドル/円は方向感がでにくいが、本格的な有事下ということでややドル買いに分があり、ジリジリと上昇し116円台が視野に入ってきた。

米ドル/円は今年に入って116円台が鬼門になっており、その都度、反落しているため、116円付近では何度かショートできるチャンスがあるかもしれない。もっとも、年初来高値の116.34円を超えてくると1つ上のレンジに上がるので、米ドル/円ショートはあくまで短期限定の戦略となる。

一方、ユーロ/米ドルは、3月8日(火)のポジティブなニュースも聞こえてきたほか、急落の自律的な反発もあって1.09ドル台まで戻している。ユーロ/米ドルは1.1ドルあたりから戻りを狙うか、新安値を切ってくるならショートでついていけそうだ。

また、ショート目線のプレイヤーが多いので局地的にショートが切らされ、大きく反発するイメージも残しておきたい。ヘッドライン1つで流れが変わる相場なので、状況に合わせて対応していくしかないだろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。