この記事は2022年2月16日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=PIXTA)

2022年2月16日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ロシアのウクライナ侵攻に関するヘッドライン相場で、上下に振らされる展開が続いている。

2022年2月15日(火)は「ウクライナ付近に配備していたロシア軍の一部が撤収」とのヘッドラインが流れたほか、プーチン露大統領から緊張緩和に向けた前向きな発言が聞こえてきた。これにより、リスクオフの巻き戻しから米ドル/円、クロス円が買われた。

ロシアは落としどころを探しているように思えるが、バイデン米大統領が「16日(本日)にもウクライナ侵攻開始の恐れがある」と指摘しており、マーケットの警戒感が完全に払しょくされたとはいえないだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本来であれば、米長期金利が上昇する中、日銀が「指値オペ」で金利上限を抑える状況下では日米の金利差を背景に米ドル/円ロングを意識したい。しかし、マーケットがウクライナ情勢一色なだけに、ヘッドライン相場にもう少し付き合う必要がある。

ただし、本当にウクライナ侵攻とならない限り、米ドル/円が沈み続けることはない。チキンレースが続くのであれば、下がったところは慎重に拾っていきたい。

また、明日2月17日(木)日本時間早朝は、FOMC議事録要旨が控えており、金融引き締めに関する具体的な内容が伝われば、来月のFOMCに向けて0.5%の利上げが意識され、ドル高に反応するだろう。

一方、米引き締め加速はリスクオフの円高も一緒についてくるので、米ドル/円は悩ましいところ。米引き締めによるリスクオフの場合は豪ドル/米ドルショートのほうが正当化されやすいかもしれない。

▽豪ドル/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。