この記事は2022年3月8日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


羊飼いのFX20220308
(画像=PIXTA)

2022年3月8日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんに聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週の米ドル/円は「上がりたいけど上がれない」という状況。何もなければおそらく116円台まで上昇していたと思われる。

ウクライナの件でユーロが激しく売られており、避難通貨として円が買われるため、結果、ユーロ/円が一番落ちる形になっている。それを筆頭に英ポンド/円も上値が重く、オセアニア通貨以外のクロス円の売りが優勢。

ウクライナの件で、決済通貨としてドルの価値や需要が増しているため、安全通貨という捉え方での「有事のドル買い」現象が起こっている。

その一方で「避難通貨としての円買い」の動きがある。よって、米ドル/円に関しては、互いの買いで引っ張り合っており、値動きのない展開となってしまっている訳だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジはワイドで113.8~116.8円。ただし下値サイドは114円のミドル割れてマックス下がった場合の想定のため、通常で考えると114.2円付近までの下落といったところだろう。

そして上値サイドは116円のミドルを超えた場合の想定。よってコアレンジは114.2~116.35円。戦略的には下がったところを買いたい。

クロス円は戻りを売りたいという意識が確かにあるので、ユーロ/米ドルなどは完全に戻り売りだと思う。米ドル/円に関しても確かに上値が重いので売りたくなるところだが、ここのところほぼ下がらないことを考えると、やはり押し目を買ったほうが回転はいいような気がしている。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像==羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。