この記事は2022年3月2日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年3月2日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄 トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年3月1日(火)はロシアがウクライナ首都・キエフに攻撃を行ったと伝わり、円・米ドル以外の主要通貨が売られた。
3月2日(水)はロシア・ウクライナ間の停戦協議の2回目が行われるので期待はしたいが、今のところリスクオフ巻き返しの流れにはなっていない。また、主要国が行うロシア経済制裁の影響で足元のドルの需要が増加していることなど金融市場の情勢も著しい。
そうした有事下で、2日(水)日本時間夜はパウエルFRB議長の議会証言が予定されている。マーケットのメインテーマからそれてしまったが「FRBの3月利上げ・金融引締め継続」というメインシナリオに変化がないのかを確認することになるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
有事下で米ドル・日本円ともに買われやすい展開のため、米ドル/円は方向感がでにくい流れが続いている。通常のリスクオフとは異なり、地政学リスクが主導なのでドルが選好されやすい局面が増えそうだ。
一方で欧州通貨はロシアとの関係が近いだけに売られやすい。現在の状況ではユーロ/米ドルやユーロ/円のショートが第1感になるが、ユーロ/米ドルは2020年5月ぶりに一時1.11ドル割れまで売り込まれているので突っ込んでつかまりたくはないところ。深追いするのであれば、走りそうなところで短期売買に限定したい。また、ヘッドライン1つで上下どちらにも吹っ飛ぶ相場なのでポジションサイズを抑える必要がありそうだ。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。