株価ボードを見る人たち
(画像=VectorSpace/PIXTA)
日経平均 2万6,526.82円 △50.32円
為替 1ドル=115.51円
売買高(東証一部、以下同) 14億4,822万株
売買代金 3兆4,497億9,900万円
値上り銘柄数 1,733銘柄
値下り銘柄数 400銘柄
騰落レシオ(25日) 105.81%

市況概況

ウクライナを巡る混乱を消化しきれず小動き

週末の米国株は大幅高になったが、その要因である「ウクライナとロシアの停戦」は見送られた。ロシアの銀行がSWIFTから遮断されるということで、その影響を見極めたいということで売り先行になった。

週末に大幅高になった反動で「指数に影響が大きい銘柄」に大きく下げるものが見られた。ウクライナ情勢について様々な情報が流れるなかで反応しきれず、「値上がり銘柄数」が「値下がり銘柄数」を大きく上回った状況で指数は冴えない展開に。「買われすぎ銘柄」の買い戻し一巡後の手仕舞い売りに押された。

昼に売り急ぐことはなかったが手仕舞い売りに押されるものは多かった。後場は、再度、安値を試すように始まった。

それでも「ウクライナとロシアの協議が行われる」ということが好感して値持ちがよく、買い戻しがあって、逆に前場の高値を試す動きが見られた。それでも節目とみられる2万6,500円を超えると、戻り売りに押されて上値は重く指数は小動きだった。

小型銘柄は買い戻しが優勢で、大きく戻るものが目立った。東証マザーズ指数や二部株指数は大幅高、日経ジャスダック平均も大幅高に近いところまで上昇となった。

先物は手仕舞いの売り買いが中心という感じで、大きく方向付けるようなことはなかった。朝方は指数を押し下げるような売りはあったが、まとまった売り買いが断続的に見られるようなことはなかった。

米国市場に反発するというよりは、先週末の大幅高の反動やウクライナ情勢に反応して動かないという感じ。目先の需給だけでの動きであり、先を見ての方向感はなく、目先の持高調整に終始している状況だ。

金融緩和の終了や、ロシアの銀行の懸念などから買えない状況は続くと思われ、戻れば売りという状態には変わりないだろう。

テクニカル分析

日経平均
特に方向感は見られず、まだまだ25日移動平均線や基準線に上値を押さえられるような相場が続くだろう。25日移動平均線や基準線が底入れとなるにはもう少し時間がかかるので冴えない展開が続きそうだ。

あれやこれやと一言

ロシアの銀行がSWIFTから遮断されるというニュースや、様々なウクライナ情勢に、日本市場は反応できなかった。今後の、ウクライナとロシアの協議の結果やロシアの行動、そしてSWIFT離脱の影響を欧州市場などで、どのように反応するかが注目される。

SWIFTからの離脱が取り沙汰されていないようにもみえるが、日本では反応しきれていないだけで、世界的なインフレの助長や金融不安にも繋がりかねないのではないかと思う。どっちに転んでもインフレ懸念が増大することになるので、米FOMC(公開市場委員会)が近づくとさらに売られるのではないかと思う。

様々なリスクが交錯しており、市場では「何を見て、どう動けばいいかわからない」ということだろう。しかし、買われすぎ銘柄の修正安は続き、世界的なインフレは継続、金融緩和の終了が懸念されるということには変わりがない。

ウクライナ問題は新たな局面に見えるが、実際には何も変わらない。インフレへの警戒と、好調な企業業績の「どちらが勝っているのか」ということで、買われすぎ銘柄の修正安はまだまだ続くだろう。つまり、指数の上値は重いということだ。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。