株価ボードを見る人たち
(画像=VectorSpace/PIXTA)
日経平均 2万6,844.72円 △317.90円
為替 1ドル=115.03円
売買高(東証一部、以下同) 12億4,716万株
売買代金 3兆344億円
値上り銘柄数 1,170銘柄
値下り銘柄数 938銘柄
騰落レシオ(25日) 105.74%

市況概況

ウクライナ問題が小康状態で月初の買いで大幅高

米国市場はまちまちだったが、ウクライナ問題が小康状態になっていることや金融緩和の終了懸念が薄れたことで、買い先行になった。

目先的に大きく売られていた「買われすぎ銘柄」が買い戻され、寄り付きの買いが一巡した後も堅調な展開になった。

節目とみられる2万7,000円を付けると手仕舞い売りに押されたが、月初の買いが入ったようで大幅高水準で値持ちがいい展開は続いた。

昼は若干、手仕舞い売りに押される形に。後場は指数が小動きになった。再度、2万7,000円を試すほどの買いは入らず、かといって手仕舞い売りを急ぐでもなく、指数は小動きだった。

引けを意識する時間帯からはまとまった売りに押されるものが見られ、上げ幅は縮小、後場の安値圏での引けになった。しかし、月初の買いは最後まで続き、大幅高だった。

小型銘柄は買い戻しによって大きく上昇するものが目立った。東証マザーズ指数を筆頭に、二部株指数や日経ジャスダック平均もそろって大幅高だった。

先物は手仕舞い売りやヘッジ売りをこなして買い戻しや月初の買いが入り、指数を押し上げる場面があった。断続的な売り買いは見られず、大きく方向感をだすようなことはなかった。

ウクライナ問題や米国の利上げ懸念、ロシアの銀行からの金融不安など、買えない材料は山ほどあるのだが、売り一巡感からの買い戻しや月初の買いが入って、総じて堅調に。

買い戻しを急ぐ動きなどがあって、指数を押し上げ、悪材料がなくなったかのような雰囲気になっている。月初の買いが一巡した後は、再び「買われすぎ銘柄」を中心に売られることになるだろう。

テクニカル分析

日経平均
25日移動平均線や基準線に上値を押さえられた形だが、とりあえずは堅調な展開になった。2万7,000円という水準が節目になっている感じで、ここから再び下値を試すことになるのだろう。

あれやこれやと一言

ウクライナの件や、ロシアの銀行の問題などがあるにも関わらず、大きな上昇になった。目先的に大きく売られたものが多いことや、月初の買いが入って指数を押し上げた。「金融緩和の終了が遅れる」という見方も悪材料ではなく好材料とされたのだろう。

しかし、現実を見ると、とてもではないが買えない銘柄は多いし、株式市場全体のリスクはまだまだ大きい。ウクライナでの戦争による企業業績への影響、そして金融不安、さらには中国などを巻き込んだ紛争の拡大などが懸念され、金融緩和の終了が始まるところで「買えない材料」がプラスされることになる。

本日の大幅高は、何か悪材料が解決したということでの巻き戻しではない。ここから「買われすぎ銘柄」が買い直される材料はなく、米国の利上げがなくなり、インフレ懸念が薄れることでもない限り、上値は買えないだろう。

日経平均は、とりあえず2万7,000円水準まで戻したということで、達成感がでてくる可能性はある。ここから2万7,500円程度まで上昇が期待されるものの、その上は厳しいのではないだろうか。ここで空売りが積み上がるようであれば上値も期待できるだろう。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。