証券業界、いや、もう少し間口を拡げて資産運用業界としても同じことだが、実に面白いというか、奇妙に感じるのは、どのような状況でも「投資行動(アクション)」を喚起するような雰囲気を醸しだしているように感じることだ。たとえば、株価が上がれば上がったで、より盛り上がるようにどこからともなくお囃子(おはやし)が入るし、下がれば下がったで「いまこそ○○投資!」みたいな話が湧き上がる。最近では「バリュー投資」も注目されているようだ。もちろん、株価が上昇している場面では逆に警戒心を煽るコメント、すなわち「バブルだ」とか、「大暴落が来る」といった、一見すると慎重で冷静を装う意見も散見されるのだが、結局は「売る」というアクションを求めているような印象を受ける。

投資信託,バリュー投資
(画像=metamorworks / pixta, ZUU online)

このような書き方をすると、「それがビジネスなのだから当然だろう!」と反論する声も聞こえてきそうである。ならば、筆者としては上記と金融機関各社がWebサイト等で公表している「フィデューシャリー・デューティー宣言(お客様本位の業務を運営するための明確な方針)」との整合性を聞いてみたくなる。