子どもの教育費はこれで万全。JAの教育ローンがなぜ使いやすいのか
(画像=PIXTA)

入学金、授業料、下宿代……子どもの成長にともなって、教育費の負担は想定以上に増えがちだ。そこで念頭に入れておきたいのが「教育ローン」である。国の教育ローンや各銀行の教育ローンなど、さまざまな種類があるなか、「JAの教育ローン」がじつは便利で使いやすいことをご存知だろうか。地域を問わず、また上限も1,000万円までと、意外と知られていないJA教育ローンの魅力を解説する。

目次

  1. 「JAの教育ローン」とはどんなもの?
  2. 使いやすさで選びたい、JA教育ローン選択のポイント
  3. 申し込む前に確認。JAの教育ローンのメリットとデメリット
  4. JAの教育ローンはどんな人に向いている?
  5. JAの教育ローンはどうやって申し込む?
  6. JAの教育ローンは担当者に直接会って相談できる
  7. まとめ:じつは身近な金融機関「JA」。使いやすい教育ローンはぜひ利用したい

「JAの教育ローン」とはどんなもの?

子どもの教育費を用意するための選択肢の1つに「教育ローン」がある。教育ローンは、進学する子ども本人がお金を借りる「奨学金」とは違い、親が子どものために借りるものだ。

農業従事者でなくても利用できるJAの教育ローン

JAとは「農業協同組合(農協)」のことを指す。主に農業従事者向けに農業経営の改善指導や農畜産物の共同販売などの事業を行っているが、金融サービスも提供している。

JA、信連(信用農業協同組合連合会)、農林中央金庫の3段階にて構成する金融グループが「JAバンク」だ。JAバンクでは通常の銀行のように、口座を作ったり、定期貯金をしたり、ローンを組んだりすることができる。「農家専用」と思われがちだが、農業従事者でなくても利用できることに注目したい。

JAで扱っている教育ローンは、入学金・授業料・下宿代など子どもの教育にかかるあらゆる費用に充てられるのが特長だ。

教育ローンの中には、学費など「学校への支払いが認められる場合だけ」と用途が限定されているものもあるが、JAの教育ローンなら子どもへの仕送りなども含め幅広く「教育にかかわるすべての費用」に利用できる。高校や大学だけでなく、幼稚園への入園でも利用可能だ。

JAは、全国47都道府県、580以上の組織があり、それぞれでローンの金利など融資条件が異なる。これは、JAが各JAそれぞれの自主運営のうえで成り立っているからだ。

使いやすさで選びたい、JA教育ローン選択のポイント

教育ローンはJAに限らず、国やさまざまな金融機関で取り扱われているが、それぞれに金利や限度額、利用できる人の地域が限定されているなど、条件が異なる。利用できる金融機関からじっくり比較して「我が家にぴったり」の教育ローンを見つけたい。教育ローンを選ぶときのポイントは、以下のとおりだ。

借りやすさ:大きな金額でも借りられるか

まず気になるのが、借りられる人の条件や、借りられる金額の上限だ。特に、私立や医療系の進学先を検討している場合や海外留学の予定がある場合などは、学費が高額になりがちなので、大きな金額でも借りられるかは必須の確認事項だ。

一般的な教育ローンでは上限が「300万円」程度とされていることも多いが、JAなら最大1,000万円までの融資が可能。しかも、年収の上限がなく、担保や保証人も不要だ。ちなみに、国の教育ローンには年収の上限があり、一定以上の収入の方は借りられないので注意しよう。

申し込みやすさ:いつでもどこでも申し込めるか

教育ローンは大きな金額が動く取引だけあって、手続きが煩雑な場合もある。ただ近年は、いつでもどこでもオンラインで手軽に申し込める教育ローンも増えてきており、申し込みやすさも確認したい。

JAでは、JAネットローンホームページから仮申込みが24時間365日いつでもでき、仮審査までオンラインで済むので便利だ。

使いやすさ:手軽に利用しやすいか

教育ローンは、住宅ローンのように大きな金額を一度借りられるタイプと、限度額の範囲内で何度も借りたり返したりを繰り返せるタイプがある。いつどれくらいのお金が必要になりそうか、予測して都合のよい方を選ぶとよい。

利用しやすいという点でいえば、限度額の範囲内で何度も借りたり返したりできる都度借入タイプ(当座貸越型)に注目したい。JAの教育ローンではカード型と呼ばれる教育ローンだ。

教育にかかる費用は、入学金や授業料だけではない。教科書代、課外活動費、通学費なども当然必要だ。もちろん食費や住居費など、日々の生活を送るための費用もかかる。

日本学生支援機構の調査によれば、私立大学生の1年間の学費・生活費の平均は以下のとおりだ。

費目内容例平均費用
学費授業料・その他の学校納付金122万3,800円
修学費・課外活動費・通学費15万100円
生活費食費・住居・光熱費32万1,100円
保健衛生費・娯楽/嗜好品費・その他の日常費33万8,600円
合計203万3,600円
出典:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」

学校に納める費用は学校案内などを見れば正確にわかるが、それ以外の費用は正確に読むのが難しい。急な仕送りが必要な事態になったり想定以上の出費がかさんだりする可能性も充分ある。

学費だけでなく教育に関連するなら幅広い用途が認められること、いつでもカードで引き出して使えることは、実は学生生活においては重要な使いやすさとなるのだ。

JAバンクのカード型(当座貸越型)は、上限が「最大700万円」になるが、ローン専用のカードで限度額の範囲内において何度でも引き出すことができる。また、全国のATMで利用できるので利便性が高い。

返しやすさ:返済の負担を抑えやすいか

お金を借りるとき「問題なく返していけるかな」「返済できなくなったらどうしよう」と不安になる人もいるだろう。返済の負担を抑えるには、できるだけ金利の低いローンを選びたいところだ。

そのほか、お金がかかる在学中は利息のみの返済で済むタイプや、親にもしものことが起きたときにその後の返済が不要になるタイプの教育ローンなども、不安軽減に役立つだろう。

JAの教育ローンは、在学期間中は利息のみ支払って、卒業後から元金の返済を始めることも可能だ。

申し込む前に確認。JAの教育ローンのメリットとデメリット

ここで、JAの教育ローンの特徴を整理しておきたい。利用を検討する前に、メリットはもちろん、デメリットを知っておくことも大切だ。

JAの教育ローンのメリット1:大きな金額でも借りやすい

JAの教育ローンで借りられる金額は、一括借入の一般型(証書貸付型)の場合に「1,000万円」が上限となる。もちろん審査があるので、すべてがこの金額を借りられるとは限らないが、トータルの学費や1人暮らし費用などがかなりかさんでしまうときにも頼れるローンといえるだろう。

また、カード型(当座貸越型)の上限は「700万円」となるが、一般の教育ローンに比べれば、やはり大きな融資上限額であり、ATMから引き出せるなど利便性は大きく向上するため、こちらも有力な選択肢となりそうだ。

JAの教育ローンのメリット2:申し込みやすい

JAの教育ローンは、農家の方以外の人でも、地域にJAがあれば申し込みが可能だ。前述のとおり、全国47都道府県、580以上の組織があるため、地域により申し込みができないケースは少ないだろう。JAの教育ローンなら、仮申し込みの手続きは24時間365日いつでもインターネットで済ませられ、申し込みやすいところも魅力だ。

JAの教育ローンのメリット3:手軽に使える

JAの教育ローンには、ATMでいつでもお金を引き出しができるカード型のローンもあり、注目だ。カード型なら、一括借入の一般型とは違い、限度額の範囲内で必要なときに必要な分だけ借りたり、奨学金のように毎月少しずつ借りたりすることもでき、使っていない分の利息は払わずに済む。前述のように、教育にかかわる下宿代やゼミでの活動費などにも使える用途の広さも大きな利点だ。

JAの教育ローンのメリット4:返済の負担を抑えやすい

金利は各JAによって違うが、少額だけ借りる場合でも金利が高くならない傾向がある。具体的な金利はJAごとに異なるが、確認し、申し込みや相談をしてみる価値は充分ある。

また、在学中は利息分の返済のみにすることもできるので、ゆとりをもって返済計画を立てられる点もポイントとなりそうだ。「子どもが卒業して就業したあと、家族で協力して返済する」といったことも検討できるだろう。

そして、JAの教育ローンでは、もしものときにローンがなくなる団信(団体信用生命共済)付きを選ぶこともできる。これは、がんや心筋梗塞など「9大疾病」の際には返済が免除されるものだ。

生活習慣病は年々増加傾向にあり、年齢とともにリスクも上がる。「自分にもしものことがあったら子どもは……。」と不安になる親も多いだろう。団信付きは「加入できるのは50歳まで」など条件があるものの、こうした選択肢が提供されているのはJAの教育ローンの大きな特徴だ。

JAの教育ローンのデメリット1:来店が必要になることが多い

JAの教育ローンは、仮申込みから仮審査まではインターネットで済ませられるが、その後に最終的な契約をするときにはJAの窓口まで出向く必要がある(一部のJAを除く)。

手間と時間がかかるが、最終的な条件や契約内容を、対面でじっくり説明してもらえるのは、ローン契約やオンライン契約が不安な人にとってはメリットにもなるだろう。

JAの教育ローンのデメリット2:地域によっては取り扱いがないことも

全国47都道府県、580カ所以上の組織があるJAだが、それでも、住んでいる地域によっては「JAがない」「JAはあるが教育ローンを扱っていない」「金利がほかのJAより高い」という可能性もある。JAネットローンホームページなどで地元のJAを検索して、情報を得るようにしよう。

【参考】地元のJAを探せるJAネットローンホームページ

JAの教育ローンのデメリット3:「国の教育ローン」より金利が高い

金利の低さもあり、利用者数が多い「日本政策金融公庫の教育一般貸付(通称:国の教育ローン)」を検討している人もいるだろう。金利以外において、JAの教育ローンとの違いは、主に次の2点だ。

 JA
借りられる金額の上限1,000万円原則350万円
親の年収の上限なしあり
(高年収だと利用できない場合がある)

国の教育ローンは金利も低く、地域を問わないことから、借りやすさにおいてメリットがある。しかし上記のとおり、借りられる金額の上限は「350万円」とJAに比べて低く、年収の制限もある。また、JAの教育ローンにおける「カード型」のような利便性の高い融資サービスもない。利用には、ご自身の状況や必要な教育費との関係から、よく検討をしたいところだ。

JAの教育ローンはどんな人に向いている?

ここまで説明してきたように、JAの教育ローンは、地域を問わず、年収制限もないので、多くの人にとって便利に使える選択肢となりそうだ。特に、以下のような人には向いているといえるだろう。

・安心して教育ローンを利用したい人
・年収が高すぎて公的なローンを利用できない人
・多額のお金が必要な人
・返済の負担を抑えたい人

JAの教育ローンはどうやって申し込む?

ここからは実際に「JAの教育ローンを利用したい」ときにどうすればいいのか、手順を解説しよう。

申し込む前に、必要な金額をシミュレーションしておこう

まず、教育費としていくら必要になりそうか試算してみるのがおすすめだ。入学案内や預金通帳などを見ながら、いくら借りればいいのか考えておこう。

先述のとおり、学費以外にもさまざまな費用が必要になる。「子どもが安心して学生生活を送るための費用」として幅広く捉え、よくシミュレーションしておきたい。

JAの教育ローンの申し込み方法

申し込みから契約までの流れは、基本的に以下のとおりだ。

・STEP1:最寄りのJAを確認
まずはJAバンクの公式サイトなどで、自分の住んでいる地域のJAを調べよう。教育ローンの取り扱いがあるか、金利や利用条件はどうか、窓口がどこにあるのかもあわせて確認しておく。場合によっては金利などの条件がホームページに記載されていないこともあるので、電話などで確認をしておくとよいだろう。

【参考】地元のJAを探せるJAネットローンホームページ

・STEP2:仮申し込みの手続きをする
金利などの条件を確認して問題なければ、仮申し込みに進もう。Webの申し込み画面から、住所や氏名など必要事項を入力して送信しよう。一部、Webでの申し込みに対応していない場合は、書類などのやりとりについて、電話で連絡し確認したい。

【参考】JAネットローン 教育ローン

・STEP3:審査結果を待つ
申し込み時に入力した情報をもとに、JA側で審査が行われる。審査に通過できないと、融資を受けることはできない。審査結果は、Webでの申し込み時に入力したメールアドレスにメールが届く、もしくは電話での連絡となる。受付完了後、1~3営業日程度で連絡が来るので確認しよう。

審査には一定の時間がかかるので、進学費用を借りるなら受験日よりも前に、できるだけ早く申し込んでおくとよいだろう。

・STEP4:JAの窓口で正式な手続きをする
仮審査に通過したら、正式に契約を行う。近くのJAの窓口へ行き、手続きをしよう。このとき、以下のような資料の提出を求められるので、忘れずに持参したい。

・本人であることを確認する書類:運転免許証、健康保険証など
・所得に関する書類:源泉徴収票、確定申告書の控えなど
・扶養状態を確認する書類:住民票、健康保険証など
・合格通知書、入学案内書および募集要項、納付通知書、賃貸契約書
・そのほか、JAが指定する書類

ここで本審査が行われ、融資が確定することになる。

申し込んだ教育ローンが一括借入の一般型(証書貸付型)であれば、手続きののち、借りたお金が指定した銀行口座に振り込まれることになる。カード型(当座貸越型)の場合は、ATMなどでお金を借りられるカードが自宅に届くので確認しよう。

JAの教育ローンは担当者に直接会って相談できる

JAの教育ローンは、本契約前の最後の段階で、担当者と対面で話す機会がある。不安なことやわからないことがあれば納得いくまで話を聞いて、契約前に解消しておくようにしよう。もちろん、申し込むか迷っている段階で相談しに行くことも可能だ。対面で相談できるメリットは最大限に活かして、借り入れの申し込みを行いたい。

まとめ:じつは身近な金融機関「JA」。使いやすい教育ローンはぜひ利用したい

JA(農業協同組合)は、「相互扶助の精神」を大切に、地域・農家・利用者のくらしを守ることを目指している団体だ。JAの教育ローンは、そんなJAならではの利便性の高いローンだ。金利も比較的抑えられており、融資限度額の上限も高く、年収の上限もないので、地域にJAがある人ならまず確認したい。

一部に出資金の預託を求められる場合もあるが、総じて農業に従事していなくても利用できる。「子どもの教育にお金がかかる」「学費に対し、しっかり準備したい」と思ったら、ぜひ一度近くのJAをチェックしてみたい。