「貯蓄から投資へ」「老後2000万円問題」など、自助努力で資産を増やしていくためのメッセージを耳にする機会が増えて久しい。これまで円預金しかしてこなかったような人でも、円預金以外で資産運用を始めたり、検討したりしていることだろう。

株式や投資信託、国債、不動産、暗号資産、F X、外貨預金など運用には多くの選択肢がある。初めてであれば尚更のことだが、運用を始めるにあたって、深い知識やまとまった資金が必要なのではないかなど、あれこれ考えてしまいどこから手をつけるべきか悩みがちだ。

そこで、数ある運用方法の中でも「外貨預金」から始めてみることをおすすめしたい。今回は、外貨預金が資産運用デビューに向いている理由や外貨預金の魅力、始め方について解説しよう。

外貨預金が資産運用デビューに向いている2つの理由

手軽に始められる外貨預金で資産運用デビュー ! 投資の世界を広げよう
(画像=DragonTiger8 / stock.adobe.com)

・理由① 取り組みやすい

銀行口座を開設し、そこに預金するという仕組みは外貨でも円でも変わらない。慣れ親しんだ比較的シンプルな構造なので始めやすく、あまり手間がかからない。為替レートの変動を見ながら、「換え時だ」と思ったタイミングで外貨に交換し、預金として保有していればよい。

また、外貨預金を始めるにあたっての最低預入額は、金融機関にもよるが1補助通貨~1通貨 (米ドルの場合0.01ドル~1ドル) からとなっている。少額から始められることも運用デビューに向いている理由のひとつだ。ちなみに、外貨で定期預金を始めたい場合は「米ドルは1,000 米ドル以上、ユーロは1,000ユーロ以上」というように、最低預入額が定められているので、詳細は金融機関のホームページなどで確認すると良いだろう。

・理由② 運用&外貨の壁を越えられる

外貨預金を始めることで投資に関する2つの壁を超えることができる。前述の取り組みやすさによって、これまでなかなか踏み切れなかった“資産運用を開始する”という壁を比較的簡単に越えられることは大きな一歩になる。加えて、外貨投資を始めるという壁も同時に越えられる点も見逃せない。

外貨預金をきっかけに投資への興味が広がり、様々な投資を始めたいと思ったときに、あまり抵抗なく外国株式や外国債券などを選択肢として考えることができるだろう。外貨投資は、株や債券などの値動きによる利益に加えて為替の変動による差益も期待できる。外貨預金を始めることで、投資の選択肢が一気に広がるのは大きなメリットだ。

外貨預金の3つの魅力

・魅力① 高めの金利

外貨預金なら、保有期間中にも預金利息がつく。通貨にもよるが、外貨預金は円預金よりも金利が高いものが多い。メガバンクの日本円の普通預金金利は0.001%だが、ネット系銀行の米ドル普通預金では、金利0.01%というのが概ねの相場だ。 (ともに2021年11月29日執筆時点) 。銀行によっては0.06%や0.1%といった高めの金利を設定している場合もある。

例えば、日本円で普通預金に1年間100万円を預け入れた場合、前述の例にあげた金利0.001%の場合、利息は10円にしかならない。これが米ドル預金なら、金利0.01%で利息は100円、0.06%なら600円、0.1%なら1,000円と、円預金と比べると大きな違いが出てくる。

新興国通貨であれば1%以上の金利を得られるものもある。「金利が高い通貨を買うべき」というわけではないが、保有中に得られる金利が高めであることは外貨預金のメリットのひとつだ。

・魅力② 為替の変動

外貨預金の魅力に為替の変動がある。円高の時に外貨に換え、円安で払い戻すことで利益を得られる。例えば、2020年12月末に投資元本10万円で米ドル外貨預金を始めたとしよう。2020年12月31日の「米ドル・日本円」の為替レートの終値は103円24銭だ。単純計算で、約968米ドルを購入できたことになる (為替手数料などは考慮しない) 。

2021年11月29日の執筆時点では、113円52銭前後まで円安ドル高が進んでいるので、保有している米ドルの日本円の価値は約11万円になっている (968米ドル×113円52銭=約10万9,887円) 。為替手数料などを考慮しなければ、約10ヵ月で10万円が11万円に増えた計算だ。この為替差益に加えて金利による利益も受け取れるのが外貨預金の良いところだ。

しかも、投資家はこの10ヶ月の間、定期的な口座確認やマーケットの状況確認に多少の時間を使った程度だ。大きく時間をかけなくて良いというのは魅力だ。

・魅力③ 様々な種類の通貨から選べる

通貨にはどのようなものがあるのか、簡単に解説しよう。米ドル、ユーロ、英ポンドは世界を代表する先進国通貨であり、ほとんどの金融機関で取り扱いがあるだろう。豪ドル、NZドル、カナダドルも前述の3通貨ほどはメジャーではないが、一般的に先進国通貨として認識されている。南アフリカランドやトルコリラ、メキシコペソなどは新興国通貨と呼ばれ、金利は高い場合が多いが、先進国通貨より金利や為替レートの変動幅が大きいといわれている。先進国通貨と新興国通貨にリスクを分散させて預金しておくことが可能だ。

外貨預金の始め方

それでは、外貨預金はどのように始めればよいのだろうか。まずは、金融機関で外貨預金口座を開設する必要がある。金利など金融機関によって異なる部分をよく比較し、口座開設を申し込もう。そこに日本円を入金し、タイミングを見て外貨に交換して預け入れるという流れだ。

「どのような通貨が用意されているか」も重要だ。口座を開設する前にしっかり確認して、「口座を開設したが、自分が購入したい外貨の取り扱いがなかった」ということがないようにしよう。

投資の世界を広げよう

ここまで、外貨預金が資産運用デビューにおすすめである理由や外貨預金の魅力について解説してきた。資産運用と外貨投資に同時デビューできる点は「外貨預金をきっかけに資産運用に慣れることで、投資の世界が広がる」という大きなメリットにつながる。前述のとおり、外貨預金は仕組みが比較的シンプルなので、投資初心者でも取り組みやすい。資産運用デビューや外貨投資デビューに外貨預金を始めてみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


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