日経225は、別名「日経平均株価」とも呼ばれる日本の代表的な株価指数の1つだが、その採用銘柄や値動きの傾向について詳しく説明できる人はそれほど多くない。そこで本記事では日経225に組み入れられる企業の選定方法やチャートの見方などの基本事項を詳しく解説する。併せて日経225に投資する方法も確認するので、資産運用の1つとして検討しよう。

目次

  1. 日経225とは
  2. 日経225の構成と選出方法
  3. 日経225とTOPIXの違い
  4. 日経225のチャートの見方
  5. 日経225に投資する方法4つ
  6. まとめ:自分のスタイルにあった方法で日経225に投資してみよう

日経225とは

差金決済取引とは? FXでも使われる仕組みとデメリット・リスクを解説
(画像=chachamal/stock.adobe.com)

日経225は、日経平均株価とも呼ばれる日本を代表する株価指数だ。株価指数は、組み入れられた銘柄の株価の動きを数値化したもので、対象となる取引所における株価の動きを長期的に評価する材料となる。そのため、日本の株式市場の動向を示す日経225や米国市場の動きを表すNYダウなどの値動きは、経済状況を測る指標として多くの場面で活用されている。

また日経225は、先物取引などの商品名として使われる場合もある。先物取引は、特定の商品(原資産)を、将来のあらかじめ定められた期日に、現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引だ。日経225への投資を検討しているなら、先物取引の仕組みや特徴といった基本事項も知っておきたい。

日経225の構成と選出方法

株価指数である日経225は、日本経済新聞社が東証プライムに上場する約2,000企業の中から業種等のバランスを考慮して選んだ、日本を代表する225社の平均株価のことだ。東京証券取引所で株式が立会取引されている時間帯に、5秒間隔で算出、配信される。

株価指数の値動きは、どのような銘柄を組み入れているかによって変わってくる。ここでは、日経225における組入れ銘柄の構成比率および選出方法、入れ替えについて詳しく見ていこう。

日経225の構成比率

日経225は、市場流動性の高さを重視し組み入れ銘柄が選定される。日経225の総資産における、業種別のおおよその構成比率は以下のとおりだ。

▽日経225の総資産における業種別のおおよその構成比率

業種おおよその構成比率(%)組入れ銘柄一例
電気機器24.7・東京エレクトロン
・アドバンテスト
・京セラ
情報通信業12.0・ソフトバンクグループ
・KDDI
・NTT
小売業9.4・ファーストリテイリング
・イオン
・セブン&アイホールディングス
化学7.4・信越化学工業
・クラレ
・富士フイルムホールディングス
医薬品6.9・武田薬品工業
・塩野義製薬
・アステラス製薬
サービス業5.0・楽天グループ
・任天堂
・リクルートホールディングス
機械4.6・小松製作所
・ダイキン工業
・住友重機械工業
輸送用機器4.5・日産自動車
・トヨタ自動車
・川崎重工業
機密機器3.7・テルモ
・コニカミノルタ
・シチズン時計
食料品3.4・日清製粉グループ
・サッポロホールディングス
・ニチレイ
引用:「日経平均プロフィル | 構成銘柄一覧:日経平均株価」をもとに編集部作成。2022年6月20日時点。

日経225の構成比率は電気機器が最多でおよそ25%、次が情報通信業で約12%となっている。また、個別銘柄では、東京エレクトロンおよびファーストリテイリングがともに8%を超える構成比率で最多水準だ。次点には、ソフトバンクグループやKDDIといった情報通信銘柄が続いている。

日経225の選出方法

日経225に組み入れられるのは、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄のうち流動性が高いものだ。

流動性が高い銘柄は、需要と供給のバランスが良く、いつでもスムーズに売買できる。逆に、売りたいときに買い手が見つからず売却できなかったり、買いたいときに売り手がおらず購入できなかったりすると流動性が低い銘柄となる。

つまり流動性は、スムーズに取引ができる銘柄かを測るうえで重要な指標なのだ。

流動性が高い銘柄としては、多くの投資家が活発に取引をする大企業などが挙げられる。つまり日経225は、日本を代表する大企業を多く組み入れる点が特徴の株価指数だといえる。

日経225における構成銘柄の定期見直しと入れ替え

日経225の構成銘柄は、定期的な見直しと不定期の入れ替えが行われる。日本の株式市場を適切に表すための指数であり続けるために必要となるためだ。日経225の定期見直しと入れ替えについて、その内容を確認しよう。

・定期見直し
年に1回、原則として10月の初めに7月末を基準日として、構成銘柄の定期見直しが行われる。

定期見直しの目的は、市場の代表性の維持と産業構造の変化の折り込みだ。そのため、セクター(技術、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共の6つの分類)の銘柄数バランスを加味したうえで、流動性の低い銘柄が除外され、流動性が高い銘柄が新たに選定される。

選定された採用・除外銘柄は、学識経験者や専門家等の意見を参考に、日本経済新聞社が最終的に判断および決定を行う。なお、定期見直しで入れ替えられるのは、原則として3銘柄が上限だ。

・入れ替え
突発的な事由が発生した場合、定期見直し以外に組入れ銘柄の入れ替えが行われる場合がある。これを臨時入れ替えという。臨時入れ替えが行われるケースは以下の通りだ。

▽臨時入れ替えが行われる主なケース

・整理銘柄または特設注意市場銘柄に指定された
・被合併、株式移転、株式交換など企業再編に伴う上場廃止となった
・プライム市場以外の市場へ異動した

引用:日経平均プロフィル | 日経平均株価 算出要領(PDF)

除外銘柄が決定すると、原則として同一セクターに属する銘柄のうち、流動性が高い未採用の銘柄が補充される。入れ替えはあくまでも除外対象銘柄が発生した場合に行われるため、追加銘柄の組み入れのために銘柄の除外が行われることはない。

日経225とTOPIXの違い

日経225と同じく日本を代表する株式指数に、TOPIX(Tokyo Stock Price Index:東証株価指数)がある。それぞれの違いを確認しよう。

▽日経225とTOPIXの違い

日経225TOPIX
算出対象東証プライムを代表する銘柄2022年4月1日時点の東証第一部構成銘柄
銘柄数225銘柄約2,200銘柄
算出元日本経済新聞社東京証券取引所
表示単位ポイント
タイプ株価平均型時価総額加重型
特徴株価の高い銘柄の影響を受けやすい時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい
引用:「JPX日本取引所グループ | TOPIX(東証株価指数)」および「日経平均プロフィル | 日経平均株価」をもとに編集部作成。2022年6月20日時点。

TOPIXとは

TOPIXとは、東京証券取引所(東証)が毎営業日に1秒間隔で算出・発表している株価指数だ。2022年6月時点では東証第一部に上場していた銘柄が継続採用されているが、2022年4月1日の新市場区分施行を受けTOPIXの組入れ銘柄も順次見直しが行われる予定となっている。

具体的には、流通株式時価総額100億円未満の銘柄については、2022年10月末~2025年1月末までの四半期毎に段階的に構成比率を引き下げる予定だ。移行完了後における構成銘柄の選定方法については、市場関係者の意見を募ったうえで決定することになっている。

TOPIXでは、以下の場合に銘柄の追加が行われる。

▽2022年10月末~2025年1月末までのTOPIXの追加銘柄の条件
・プライム市場へ新規上場または市場区分変更をした場合
・TOPIX構成銘柄を旧会社とするテクニカル上場の場合

▽テクニカル上場(てくにかるじょうじょう)

上場会社が非上場会社と合併することによって解散する場合や、株式交換、株式移転により非上場会社の完全子会社となる場合に、その非上場会社が発行する株券について、上場廃止基準に定める流動性基準への適合状況を中心に確認し、速やかな上場を認める制度です。

引用:JPX日本取引所グループ | 用語集

また、以下の事案が発生したときには組入銘柄から除外される。

▽2022年10月末~2025年1月末までのTOIPXの除外銘柄の条件
・整理銘柄に指定された場合および上場廃止した場合
・特設注意市場銘柄に指定された場合

日経225とTOPIXの値動き

日経225とTOPIXでは、値動きの傾向に違いがある。東証プライム市場の代表的な225銘柄を組み入れる日経225は、株式市場全体の値動きを大まかに把握するのに適しているとされる。ただし、流動性の高さを組入銘柄の条件としているため、株価が高い大型株の値動きの影響を受けやすい。

TOPIXは時価総額によって構成比率が決まるため、時価総額が大きな銘柄の影響が大きくなる。ただし、組入銘柄数自体が日経225よりも多いため、日経225と比較すれば1銘柄の値動きが指数全体に及ぼす影響は限定的だ。そのため、TOPIXに大きな値動きがあったときは、市場全体に何らかの動きがあったときだと考えられるだろう。

日経225のチャートの見方

日経225の値動きを知るには、チャートの見方を知っておくことが重要だ。ここでは、チャートの基本事項と見方を解説する。

株価チャートとは

株価チャートとは、1日や1週間、1ヵ月といった一定期間の株価をグラフにし、過去の値動きを見やすく図表化したものだ。過去の株価に対する現在の株価水準や過熱感、トレンドの把握に利用される。

日経225をチェックするときのポイント

日経225をチェックするなら、ぜひ「トレンド」の読み取りにチャレンジしよう。トレンドとは、株価の方向性や値動きの傾向のことだ。トレンドには以下の3つがある。

▽日経225のチェックに使える3つのトレンド
・上昇トレンド
・下降トレンド
・もみ合い

・日経225をチェックするときのポイント1:上昇トレンド
上昇トレンドは、株価が右肩上がりに上昇するときにあらわれるチャートだ。高値は前の高値よりも高く、安値も前の安値よりも高いチャートとなる。

▽上昇トレンド

上昇トレンド
(画像:編集部制作)

上昇トレンドかどうかを判断するには、安値と安値を結んだサポートライン(下値支持線)を確認しよう。価格がサポートラインを割り込まない間は、それ以上の価格の下落はないとされる。ただし、ひとたびサポートラインを下回ると相場トレンドが転換し、価格が下落に向かう可能性がある点は知っておこう。

・日経225をチェックするときのポイント2:下降トレンド
下降トレンドは、株価が右肩下がりに下降するときにあらわれるチャートだ。高値は前の高値よりも安く、安値も前の安値よりも安いチャートとなる。

▽下降トレンド

下降トレンド
(画像:編集部制作)

下降トレンドかどうかを判断するには、高値と高値を結んだレジスタンスライン(上値抵抗線)を確認しよう。価格がレジスタンスラインを上回らない間は、それ以上の価格の上昇はないとされる。ただし、株価がレジスタンスラインを超えた場合には相場トレンドが転換し、価格が一気に上昇する可能性がある。

・日経225をチェックするときのポイント3:もみ合い(横ばい)
もみ合いは上昇トレンドでも下降トレンドでもなく、一定の値幅内を行ったり来たりする横ばいの値動きをいう。売り手と買い手の競り合いによって均衡状態が続き、相場の方向性が定まらない状況となる。

▽横ばい

横ばい

日経225のチェックに役立つローソク足の見方

日経225を見るなら、チャートの基本であるローソク足(ローソクあし)を知っておこう。ローソク足とは、始値および高値、安値、終値といった4つの価格を1本の線で表したものだ。1つひとつの形がローソクに似ているため、ローソク足チャートと呼ばれる。

▽ローソク足の例

ローソク足では、始値より終値が高い場合には柱(実体)部分が白抜きの陽線で描かれる。一方、始値より終値が低いときには、柱(実体)部分が黒塗りの陰線で描かれる。

ローソク足は、その日の株価の値動きやトレンドを視覚的に把握することができるチャートだ。投資をするならぜひ積極的に活用したい。

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ローソク、ヒゲ、陽線、陰線…。はじめての「株価チャート」の読み方

日経225に投資する方法4つ

日経225に投資する方法はいくつかあるが、今回は「投資信託」「ETF」「先物取引」「CDF取引」の4つを紹介する。それぞれの特徴と取引方法を確認し、投資スタイルや投資方針に合ったものを選ぼう。

日経225に投資する方法1:日経225に連動する投資信託

日経225に投資する方法の1つめは、投資信託の利用だ。投資信託は、多くの投資家から集めた資金を運用会社(ファンドマネージャー)が運用し、利益を投資家に還元する金融商品だ。

運用を専門家に任せられることに加え、ネット証券等では100円から購入できる商品であるため、投資初心者や投資にかける時間が取れない人でも始めやすいとされる。

・日経225と連動する投資信託の種類と特徴
投資信託は、ファンドマネージャーの運用方針に則って投資が行われる。日経225に投資する場合は、日経225に連動する運用を目指すインデックスファンドを選ぼう。日経225に連動するインデックスファンドは複数あるが、ファンドによって信託報酬や乖離率(指数との変化率の差)が異なる。

・日経225と連動する投資信託で得られるリターン
日経225に連動する投資信託で期待できるリターンは、購入時より高い基準価額で売却することで得られる売却益だ。

投資信託のなかには、ファンドの運用で得た利益を分配金として投資家に還元するファンドもある。しかしインデックスファンドは、分配金の支払いによってファンドの資産が減り指標との連動が崩れるのを防ぐため、分配金の支払いをしないものが多い。よって、インデックスファンドへの投資では、値上がり益の獲得が主なリターンとなる。

・日経225と連動する投資信託でかかるコスト
投資信託では、以下の3つの手数料がかかる。

▽投資信託にかかる主なコスト
・購入時手数料:購入時に金融機関に支払う手数料
・信託報酬:運用時に支払う手数料
・信託財産留保額:売却時に支払う手数料

購入時手数料は、投資信託を購入する金融機関によって異なるため事前に確認が必要だ。信託報酬は、投信を保有する期間、常に必要な手数料だ。インデックスファンドは比較的信託報酬を低めに設定していることが多いが、ランニングコストとなるためできるだけ抑えたい。

そして信託財産留保額は、売却時にファンドに支払う手数料である。手数料額はファンドにより異なるため、申込時に確認しよう。

▽日経225と連動する投資信託TOP5(純資産額が大きい順)

ファンド名純資産額リターン3年信託報酬(税込み)
インデックスファンド2252,312億円8.870%0.572%
日経225ノーロードオープン2,174億円8.440%0.550%
ニッセイ 日経225インデックスファンド2,013億円8.620%0.275%
MHAM 株式インデックスファンド2251,619億円8.850%0.550%
三菱UFJ インデックス225オープン1,148億円8.880%0.682%
引用:日本経済新聞をもとに編集部作成。2022年7月26日時点

日経225に投資する方法2:日経225に連動するETF(上場投資信託)

日経225に投資する方法の2つめは、ETF(イーティーエフ:上場投資信託)だ。ETFは、金融商品取引所に上場している投資信託であるため、市場で直接取引ができる。つまり、指値注文や成行注文などによるリアルタイムな売買が可能だ。

・日経225と連動するETFの種類と特徴
ETFは投資信託のインデックスファンドとよく似ているが、先述の通りリアルタイムな価格で取引ができるため、より積極的に運用できる。最小投資額は、原則として1口数万円程度からだ。しかし単元未満株を利用すれば、100円からの投資も可能である。

・日経225と連動するETFで得られるリターン
日経225と連動するETFも、分配金が支払われるものは多くない。そのため主に狙うリターンは、値上がり益となる。

・日経225と連動するETFでかかるコスト
ETFでは、以下のコストがかかる。

▽ETFでかかる主なコスト
・取引手数料
・信託報酬

一般的な投資信託とは異なり直接市場で売買するETFでは、販売会社に支払う購入時手数料は発生しない。その代わり、取引する証券会社に売買時に支払う取引手数料が必要だ。また信託報酬もかかるが、販売会社に支払う部分がなくなるため、一般的な投資信託より低い設定であることが多い。

▽日経225に連動する主なETF(純資産額の大きいトップ5)

ファンド名純資産額乖離率信託報酬(税込み)
(NEXT FUNDS)日経225連動型上場投信 『愛称:NF・日経225 ETF』7兆6,897万円-0.04%0.20%
上場インデックスファンド2253兆4,574万円0.01%0.25%
ダイワ 上場投信-日経2253兆4,778万円0.04%0.13%
MAXIS 日経225上場投信 三菱UFJ国際 国内大型グロース1兆7,428万円0.01%0.19%
iシェアーズ・コア 日経225ETF9,140万円-0.05%0.05%
引用:「モーニングスター | ファンドランキング」をもとに編集部作成。2022年7月26日時点

乖離率とは、ファンドが指標とする指数の動きとファンドの値動きにどのくらいの乖離があるかを表すものだ。乖離率が少ないほど、指標と連動しており運用がうまくいっていると考えられる。

日経225に投資する方法3:先物取引

日経225に投資するなら、先物取引を活用する方法もある。先物取引とは、「あらかじめ決められた期日にあらかじめ決められた価格で売買することを契約」する取引だ。そのため、決済方法や取引できる期間といった仕組みが一般的な現物株取引とは異なる。まずは、先物取引の特徴を確認しよう。

・日経225の先物取引の特徴1:「売り」と「買い」のどちらでも取引をスタートできる
先物取引の大きな特徴の1つが、「売り」と「買い」のどちらからでも取引をスタートできる点だ。現物株取引は取引時に株式と代金の受け渡しを行うため、「買い」からしかスタートできない。

一方、株価指数を投資対象とする先物取引は、契約時に有価証券と代金のやり取りが発生しないため、買いと売りのどちらからでも取引が可能である。

売りからの取引を開始できることで、将来価格が下がりそうな局面でも運用を始められるため、現物取引よりも投資のチャンスが多い投資方法だといえるだろう。

・日経225の先物取引の特徴2:株価指数先物では差金決済が行われる
差金決済が行われるのも、先物取引の大きな特徴だ。差金決済とは、取引時に商品や現金の受け渡しを行わず、反対売買によって算出された差額で決済が完了する取引をいう。

たとえば、1,000円で買いの先物取引を行ったとする。期日に価格が1,200円に上昇した場合、利益の200円の受け渡しだけで決済は完結する。損失が出た場合も損失額の支払いだけですむため、投資資金が少ない人でも比較的大きな取引ができるだろう。

・日経225の先物取引の特徴3:限月(げんげつ)が設けられている
限月(げんげつ)が設けられているのも、先物取引の特徴である。限月とは、契約の期限が満了する月のことだ。日経225先物取引の限月は3、6、9、12月で、満期日にはSQ(Special Quotation:特別清算指数)により清算される。

なお、先物取引では必ずしも満期日まで契約を継続する必要はない。買いの場合は転売、売りの場合は買戻しをすることにより、満期日前に先物契約を解消することも可能だ。

・日経225の先物取引の特徴4:レバレッジをかけた取引ができる
レバレッジ取引ができるのも、先物取引の大きな特徴の1つだ。レバレッジ取引とは、証拠金を預け入れることで、その数倍の売買ができる投資方法である。

たとえば、200万円の取引を希望する場合、レバレッジ20倍なら10万円(200万円÷20倍)の証拠金で投資をスタートできる。てこの原理のように少ない元手から大きな取引を実現できるのが、レバレッジ取引の魅力だといえるだろう。

ただし、レバレッジをかけた取引では、思わぬ値動きなどにより大きな損失を被る可能性がある。最初は、低レバレッジからチャレンジすると安心だ。

・日経225先物の特徴5:「日経225先物(ラージ)」と「日経225mini」がある
日経225先物には、「日経225先物(ラージ)」と「日経225mini」の2つの商品がある。それぞれの違いを以下で確認しよう。

▽日経225先物と日経225miniの違い

日経225先物日経225mini
取引単位1,000倍100倍
1枚当たりの取引金額(一例)2,600万円260万円
レバレッジ約22倍約22倍
1枚当たりの証拠金額(一例)118万円11万8,000円
引用:「第一プレミア証券 | 日経225(日経平均株価)とは?」をもとに編集部作成。2022年7月26日時点

日経225先物の最低取引単位は、価格の1,000倍だ。そのため、仮に日経225先物の価格が2万6,000円とすると、2,600万円が最低取引単位となる。実際には約22倍のレバレッジ取引ができるため、取引に必要な証拠金額は約118万円(2,600万円÷22倍)となる。

日経225miniの最低取引単位は、100倍である。日経225miniの価格が2万6,000円とすると、260万円が最低取引単位だ。22倍のレバレッジで取引を行う場合、取引に必要な証拠金額はおよそ11万8,000円となる。

資金力が少ない投資家や投資初心者は、まずは日経225miniを選んで少額から先物取引にチャレンジするのがおすすめだ。

日経225に投資する方法4:CFD取引

日経225には、CFD(Contract For Difference:差金決済)を通じても投資可能だ。CFDとは、取引開始時と終了時の価格差により決済が行われる「差金決済デリバティブ取引」の1つである。日経225CFDの取引は、「取引所CFD」もしくは「店頭CFD」で行われる。

本記事では、各株価指数提供会社から正式なライセンスを受けた取引所CFD「くりっく株365」で取り扱われている「日経225CFD」の商品概要や特徴を確認しよう。

▽日経225CFDの概要

日経225CFD
取引単位100倍
1枚当たりの取引金額(一例)270万円
レバレッジ20~60倍程度
1枚当たりの証拠金額(一例)9万5,000円程度
取扱手数料
(税込み)
SBI証券156円
岡三証券156円
ひまわり証券147円
auカブコム証券156円
限月最長15カ月
引用:「くりっく株365 | 「くりっく株365」と「日経225mini」の違い」、および「SBI証券」「岡三証券」「ひまわり証券」「auカブコム証券」の手数料に関するページをもとに編集部作成。2022年7月26日時点。

日経225CFDなら、日経225miniよりも少額での投資が可能だ。限月が最長15ヵ月と長いことで、より柔軟な投資が可能なため、投資初心者はCFDから始めてみてもよいだろう。

まとめ:自分のスタイルにあった方法で日経225に投資してみよう

日経225は、東証プライムに上場する約2,000企業の中から流動性と業種等のバランスを考慮して選ばれた、日本を代表する225社の株価指数だ。

日本の株式市場の動向を測る指標として、多くの場面で利用される。チャートをうまく読み取ることで、下降トレンドや上昇トレンドといった株価の動向を知ることができるだろう。

日経225に投資するには、「投資信託」「ETF」「先物取引」「CFD」の4つの方法がある。少額から手間を抑えた投資をしたいなら、投資信託やETFがおすすめだ。手持ちの資金以上の取引による大きなリターンを狙いたいなら、レバレッジ取引ができる先物取引やCFDも選択肢となる。

ただし、先物取引やCFDは損失が大きくなる可能性もあるため、最初は少ないレバレッジからの投資にチャレンジしてみよう。