本記事は、福山貴義氏の著書『ビビリ投資家が考えた、買ったら永遠に売らない株投資法』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
チャートってなに?
チャートは正式には「株価チャート」といい、株価の動きを分かりやすくするためにグラフ化して表したものです。
チャートはいわゆる折れ線グラフなのですが、多くの場合、ただの折れ線ではなく株価チャートならではのローソクという記号を用いて表されます。
ローソクとは、1日、1週間、1か月、1年など、任意に設定した単位期間中、最初についた値段を始値(はじめね)、最後についた値段を終値(おわりね)、最も高い値段を高値(たかね)、最も安い値段を安値(やすね)として、それらを1本のローソクのように見立てた棒状の図で表したものです。
ローソクひとつ当たりの期間が1日のものを日足(ひあし)、1週間のものを週足(しゅうあし)、1か月のものを月足(つきあし)、1年のものを年足(ねんあし)と呼んでいます。
ローソクには2種類あり、始値よりも終値のほうが高い場合を陽線(ようせん)、始値よりも終値のほうが安い場合を陰線(いんせん)といいます。
このローソクを時系列に沿っていくつも並べた形で表されるものをローソク足チャートといい、株価チャートといえば通常はこのことを指します。
チャートを見れば時間の経過とともに株価がどのように上がったり下がったりしてきたのかが一目瞭然になりますので、株式投資を行う際には必ず必要なものといってよいでしょう。
チャートはヤフーファイナンス他の一般ウェブサイトで無料で見ることができるほか、SBI証券等のネット証券会社に口座を開設していれば、証券会社が提供する高機能チャートも無料で使用することができます。
値動きのイメージをつかもう
チャートを実際に見てみると、なにやらギザギザの線が山を描いたり谷を描いたりしているのがわかると思います。
いろんな企業のチャートを見てみると、それぞれに描くギザギザの形が異なっていることに気付くでしょう。
- ①山が低くて谷も浅く、ギザギザの幅があまりなくて横1本の線のように見えるもの
- ②山は高いが谷も深く、ギザギザの幅が大きくて心電図のように見えるもの
- ③山の高さも谷の深さもほどほどで、中くらいのギザギザが横に走っているもの
これらは、企業によって株価の動き方が違うということを示しています。
①の企業は株価の変動が少なく、一気に上がったり一気に下がったりということがほとんどない。
②の企業は株価の変動が激しく、一気に上がったと思えば一気に下がるということを繰り返している。
③の企業は株価の変動がそれほど激しくなく、適度な上がり下がりを繰り返している。
おおむねこのようなことが読み取れると思います。
このように、購入を検討している株がどのような値動きをするのか、チャートによって予めそのイメージをつかんでおくことによって、購入後に不必要に動揺したり狼狽してしまったりするのを避けることができます。
トレンドを読み取ろう
そしてもう1つ、とても大事な作業があります。
それはチャートに示されているギザギザからトレンドを読み取るということです。
トレンドというのは株価の動きをざっくり見た場合の趨勢のことで、
- ざっくり見た場合、ギザギザは右上に向かっている(上昇トレンド)
- ざっくり見た場合、ギザギザは右下に向かっている(下落トレンド)
- ざっくり見た場合、ギザギザは真横に向かっている(もみ合い)
おおむねこの3つに大別することができます。
株価はこの3つのステージを繰り返しながら変化していくものなのです。
そして購入するタイミングという観点からすると、ベストな購入タイミングは「下落トレンドが上昇トレンドに変わる瞬間(大底(おおぞこ)といいます)」ということになります。
もし本当に大底で株を買うことができたならば、これから上昇トレンドに入るわけですから、株価が購入価格よりも下がってしまうという心配をすることなく、安心して保有を続けることができるからです。
しかし、残念なニュースがあります。
それぞれのステージがどれくらいの期間継続するのかは誰にも分からないのです。
上昇トレンドが下落トレンドに変わるポイント(天井)、またはその逆で下落トレンドが上昇トレンドに変わるポイント(大底)、もみ合いを脱して上昇トレンドに転じるポイントなど、いわゆるトレンドの転換点を予測することは誰にもできません。
チャートを分析する際はこのことを必ず覚えておいてください。
チャートに慣れてくると、トレンドを読み取ることに長けてきて、自分は転換点を予測することができるという錯覚にとらわれる人が少なからず出てくるからです。
「もう少し下がれば上昇トレンドに変わるはずだから、その時点で買おう」
このように考える人は、結局いつまでたっても株を買うことはできません。
株価がどこで下げ止まるかは誰にも分からないからです。
買った株が値下がりするのは誰だって嫌に決まっていますから、もう下がらないという確信を得てから購入したいと思う気持ちはとてもよく理解できます。私も同じです。
けれども、これまでお話してきたように、そんな確信を得ることなどけっしてできないのです。
それが転換点かどうかは後になってみてはじめて分かることであり、事前に知ることはできません。
ですから、本書でお伝えしてきた企業分析をきちんと行ったうえで、永遠を目標とした保有に値するとの判断を下したのであれば、チャートに拘泥して機を失してしまう前に、つまり待っているあいだにいつの間にか大底は過ぎ去っていて、株価が上がり始めてしまった、となってしまう前に、素早く購入することが大切です。
避けるべきタイミング
購入するのにベストなタイミングは大底であると分かった。
しかし、大底を予測することは不可能だということも分かった。
では、結局私たちはいつ株を買えばよいのか。
答えは「最悪のタイミングを除いていつでも」です。
チャートはその最悪のタイミングを知るためだけに利用するのです。
最悪のタイミングとは「株価が大きく上昇したその直後」です。
チャートを見て、直近で株価が急激に上昇しているようであれば、落ち着くまで購入を見送ります。
急激な上昇後は急激に下落する可能性が高いからです。
それさえ避ければ、あとはいつ株を買ってもかまいません。
上昇トレンドのなかでも、下落トレンドのなかでも、もみ合いのなかでも大丈夫です。
「よし!」と気合を入れて、注文ボタンをクリックすればよいのです。
永遠を目標に保有するのですから、株を買って1か月後、半年後、1年後に株価がどうなろうと気に病むことはありません。
そんなことを気に病む暇があったら、企業の活動や業績をしっかりとフォローし、自分が描いたストーリーに変化はないかを見守り続けることに時間を費やすべきです。
思い出してください。
株価は長期的には必ず企業の業績に追随します。
年度ごとの多少の浮き沈みはあれども、利益が順調に成長しているのであれば株を保有し続けていて大丈夫です。
利益が順調に増大しているにもかかわらず株価が下落することがありますが、それも気にしないで大丈夫。
徹頭徹尾、株価ではなくビジネスにフォーカスすること。
これが、買ったら永遠に売らない株投資法で成功する秘訣です。