ホンダが2022年9月に発売予定の新型シビック・タイプRを初公開。エクステリアとインテリアのデザインを披露するとともに、ダイナミクス性能の進化点を公表
ホンダは2022年7月21日、新型シビック・タイプRをオンラインで初公開。エクステリアとインテリアのデザインを披露するとともに、ダイナミクス性能の進化点を公表し、合わせて2022年9月の発売を予告した。
今回の発表では、新型シビック・タイプRのグランドコンセプトを「Ultimate SPORT 2.0」とし、従来モデルのコンセプトである「Ultimate SPORT」をさらに進化させ、速さと走る喜びを極めたピュアスポーツ性能を目指したとアナウンス。そして、スポーツモデルの本質的価値である「速さ」と官能に響く「ドライビングプレジャー」の高次元の両立を、タイプRの提供価値に掲げた。
まずはデザイン面の特徴を見ていこう。
基本フォルムは現行シビックの5ドアハッチバックボディをベースに、タイプRとしての走行性能を高めるため、さらにロー&ワイドなパッケージを追求。また、広い水平視野角を持った視界とすることで、高い車速域においてもドライバーに情報がダイレクトに伝わるプロポーションを構築した。
エクステリアについては、圧倒的な速さと美しさを兼ね備えたデザインを目指す。ボディと一体となったワイドフェンダーはサイドパネルから美しく流れるような造形とするとともに、フロントからリアに抜ける一連の空気の流れをコントロールすることで空力性能を向上。
また、赤いHバッジやTYPE Rのロゴ、逆L字型のデイランプを配したLEDヘッドライト、メッシュタイプのフロントグリル、ダクト部を逆台形に拡大したうえで空力性能を高めたバンパー、アルミ製のフロントフード、専用リアスポイラー(グロスブラック)+アルミダイキャストステー、グロスブラック・リアディフューザー内に組み込んだトリプルエキゾーストシステムなどを配して高性能と個性を主張する。
ボディカラーには、タイプRの象徴的なカラーであるチャンピオンシップホワイトに加えて、新色としてソニックグレーパールを追加。ほかにクリスタルブラックパール、フレームレッド、レーシングブルーパールをラインアップした。
内包するインテリアは、ドアを開けた瞬間に気持ちが昂るような赤いシートとフロアカーペットを採用するとともに、インパネまわりは運転に集中できるようノイズレスなブラックを基調とする。また、フロントシートはサーキットでの限界走行時においても安心して身体を委ねられるよう多面体の3D形状で身体をサポートすると同時に、摩擦係数の高いラックススエードの表皮を採用することでコーナリングや急な加減速時などの高G状態での身体の滑りを低減した。
一方、メーターには通常の表示に加えて+Rモードを設定した専用10.2インチデジタルグラフィックメーターを採用。サーキット走行などにおいて、ドライバーが必要な情報をいかに瞬間認知できるかを重視し、上部にはエンジン回転数やレブインジケーター、ギアポジションなどを配置し、下部をマルチインフォメーションディスプレーとすることで車両情報を任意に表示できるようにアレンジする。さらに、レブインジケーターは注視しなくても感覚的に認識できる点灯式を採用し、瞬間的に情報を視認でき、気持ちが高揚するデザインとした。
装備としては、赤ステッチを施したアルカンターラ巻き専用ステアリングホイールやアルミ製シフトノブ、偏光ガンメタリック・インストルメントパネル&ドアパネル、シリアルナンバー入りアルミ製プレート、アルミ製センターコンソールパネルなどを標準で装備。機能面では、Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器〈ナビゲーション連動〉やアクティブサウンドコントロール、ドライブモードスイッチ(INDIVIDUALモード/SPORTモード/COMFORTモード)、+Rモードスイッチ、レブマッチシステム、専用データロガー Honda LogR(ホンダ ログアール)などを組み込んだ。
ダイナミクス性能に関しては、圧倒的な速さを追求するとともに、運転時におけるあらゆるフィーリングを磨き上げ、FF最速を目指す“Fastest(ファステスト)”、痛快なドライビングフィールで運転することに夢中になる“Addicted Feel(アディクテッド フィール)”、高速安定性と信頼感に満ちた“Secure Feel(セキュア フィール)”の具現化を開発の目標とする。
Fastestでは、これまでのタイプRを上回るパフォーマンスを目指して、小型軽量化し回転レスポンスを向上させた新開発モノスクロール・ターボチャージャーを組み込んだ専用の2.0L VTECターボエンジンを搭載し、より高出力・高レスポンスの実現を極限まで追求。
一方、Addicted Feelでは速さを追求するだけでなく、ドライビングに夢中になれるよう、思い通りに操ることを目指したハンドリングや、足裏に吸いつくようなスロットルワークによるドライバビリティを磨き上げるとともに、6速MTの操作感とレブマッチシステムを進化させることで痛快なドライビングフィールを成し遂げる。そしてSecure Feelでは、洗練されたデザインとしたうえでさらなる空力進化を図り、前後バランスの良いダウンフォースの発生と、空気抵抗の低減を両立。
また、軽量かつ高剛性のボディにより、高速走行時における高い安定性を実現する。さらに、リアルタイムにクルマの機械的な運動情報や自分自身の運転操作による車両の挙動などを知ることができるHonda LogRを活用することで、ドライビングスキルの向上や走行映像のシェアなど、ドライバーとクルマがひとつとなったドライビングプレジャーをユーザーに提供する仕組みを採用した。
走行関連の装備面については、専用サスペンション(前デュアルアクシスストラット/後マルチリンク)や19インチリバースリムアルミホイール(9.5J×19)+265/30ZR19 93Yスチールラジアルタイヤ(ミシュランPILOT SPORT 4S)、Brembo社製フロント大径ベンチレーテッド2ピースディスクブレーキ(Φ350mm)およびBrembo社製フロントアルミ対向4ポットキャリパー、ヘリカルLSDなどを採用している。
なお、ホンダは6分25秒あまりのワールドプレミアのアーカイブ映像をYouTubeで公開している。
(提供:CAR and DRIVER)