シェアサイクルのメリットとデメリット
シェアサイクルの利点や欠点はどのようなものがあるのか。
メリット:利用の手軽さ、公共交通機関の代替やSDGs推進にも
比較的安価な料金で、スマートフォンなどを通して手軽にレンタルできるのが大きな利点だ。特に、短時間で短距離の移動と相性が良い。通勤通学はもちろんのこと、仕事の外回りや観光地での利用にも適しているだろう。多くのサービスで、24時間いつでも借り出せる点も便利だ。
また、公共交通機関を使うことによる混雑や遅延を避けたいときにもおすすめだ。新型コロナウイルス感染拡大が懸念される現状では、「密」の回避にもなる。目的地の近くに電車やバスの路線がない場合の代替交通手段としての需要も高い。
さらに、利用状況によっては、自身で自転車を所有する場合に比べてコストを低く抑えられる場合もある。購入費用やメンテナンス、駐輪場代などの費用がかからないためだ。自転車は自家用車など他の移動手段に比べて環境にやさしく、SDGsの面からも評価が高い。
デメリット:ポートが少ない地域や長時間利用には向かないことも
ユーザーが集中したり、再配置が追いつかなかったりして自転車が足りなくなる場合や利用したい場所にポートがないと使いづらい点がデメリットだ。都市部を除くと、シェアサイクル自体が普及していない地域も少なくない。
また、エリア外を含む広範囲や長時間の利用を前提とする場合は向かないこともある。ただしサービスによっては、24時間や72時間など長時間利用向けの料金プランを設けていることもある。
どのような用途や理由で利用される?
一般財団法人「自転車産業振興会」は2021年2月に、定期、不定期を問わずシェアサイクルを利用している600人を対象に「シェアサイクル利用実態調査」を実施した。調査によると、シェアサイクルの利用用途は「近い距離の移動」が62.3%で最も多かった。続いて「他の交通手段がない目的地の移動(28.5%)」、「買い物(23.7%)」となっている。
利用する理由は「自分で自転車を持たなくて良いから(49.5%)」「利用方法が手軽だから(37.3%)」「24時間貸出・返却できるから(28.7%)」との回答が上位を占めた。
東京近郊のシェアサイクルを紹介
都内近郊で展開している主なサービスについて、利用方法や提供エリア、料金と特徴を紹介する。
ドコモ・バイクシェア
NTTドコモグループの企業が運営する。最初の30分が月に何度でも無料になる月額プランや法人会員プランもある。各種保険がついているのも安心だ。
ハローサイクリング(HELLO CYCLYNG)
ビジネスユーザーを対象とした、法人向けの支払いプランがある。営業所間の移動や顧客の訪問時などの利用方法が推奨されている。
ピッパ(PiPPA)
月額プランや長時間利用向けのデイパスもある(一部地域は対象外)。短時間、長時間のどちらでも利用しやすい。
コギコギ(COGICOGI)
上記エリアの他、下呂温泉や石垣島、伊勢など有名観光地で重点的に展開している。半日〜2日の長時間「乗り放題」を前提とした料金体系だ。月額サービスもある。
ループ(LUUP)
電動アシスト自転車だけでなく、電動キックボードも選べる点が特徴的だ。一定回数無料で利用できる「タダ乗りフェス」を開催している期間もある。