この記事は2022年11月8日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年11月8日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週4日(金)からユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルの反発が始まっている。米金利が上がっている中でのことなので、説明のつかない動きだ。おそらく、もう11月なので、年末前のポジション調整に絡むものだと考えている。

今年2022年は、多くのマクロヘッジファンドは儲かっており、そのなかでもドルロングの利益がかなりの大部分を占めているようだ。そのため感謝祭前に手仕舞ってしまい、パフォーマンスをロックしようという動きではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先日のFOMCでは、かなりハト派的な声明文と、タカ派的なパウエルFRB議長会見、という2つのメッセージがあった。会見のほうが後なので、多くの人は先に発表された金利上昇のほうがインパクトがあったかと思う。

しかし、最終的に重要なのは、おそらく会見(文書)のほうなので、中間選挙が終わることもあり、12月以降米国の金融引き締めはかなりスローダウンするのではないかと考えている。インフレ対策一辺倒ではなく、周辺国やシステミックリスクを引き起こさないように配慮する方向へシフトし、それによるポジション調整もあるのではないだろうか。

英ポンド/米ドルなどは特にショートが大量に積みあがっているので、突発的な上昇に注意が必要だ。英ポンド/米ドルの日足チャートを見るときれいなトレンドラインが引けるのだが、このトレンドラインを上回ると、思わぬショートカバーなどで1.2000ドル方向への上昇も考えられるため警戒したい。

▽英ポンド/米ドルの日足チャート

221108shimaL
(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。