IFAは、Independent Financial Advisorの略で、日本では独立系ファイナンシャル・アドバイザーとも呼ばれる。日本のIFAは、複数の証券会社や銀行と業務提携しているため、特定の金融機関の商品に縛られない、独立した資産運用のアドバイスを行えることが特徴である。本記事ではIFAの種類と、IFAを利用する際にかかる手数料について紹介する。

目次

  1. IFAへの相談に手数料はかかるのか?
  2. IFAを利用してかかる手数料の具体例
  3. 手数料体系に応じたIFAの選び方
  4. そもそもIFAとは?
  5. まとめ

IFAへの相談に手数料はかかるのか?

IFAへの相談に手数料はかかる? 料金相場と2つの手数料体系を解説
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IFAに相談すると、どのような手数料がかかるだろうか。日本のIFAでは、IFAが所属するIFA法人にもよるが、原則として相談自体は無料で行っているところがほとんどである。つまり、顧客としてIFAを利用した場合、IFAに直接報酬を払うことはない。

株式の購入時などに手数料が発生する

IFAがどこから報酬を得ているかというと、顧客が金融商品を購入した時に支払う取引手数料からだ。

IFAの顧客は、資産運用のアドバイスを実行する際、IFAが業務提携をしている証券会社に口座を作り、金融商品を購入する。証券会社で取引を行うと取引手数料が発生し、その手数料の一部がIFAに支払われるのだ。

一部のIFAはコンサルティング料がかかる場合も

ここまで紹介したとおり、大半のIFAは顧客と証券会社を結ぶ仲介者として資産運用のアドバイスを行い、金融商品を販売することで手数料を得ているため、相談自体は無料で利用することができる。しかし、中には金融商品の販売に重点を置いておらず、相談自体に「コンサルティング料」が必要になるIFAもある。

IFAを利用してかかる手数料の具体例

実際にIFAを利用すると、どの程度の手数料がかかるだろうか。ここでは日本のIFAの大半を占める「コミッション型」に加え、「フィー型」といわれるIFAの報酬体系と、その手数料の具体例についても紹介する。

コミッション型

顧客がIFAに直接報酬を払うのではなく、顧客が株や投資信託などの金融商品を購入する際に発生する取引手数料からIFAに手数料が支払われる報酬体系を、「コミッション型」または「コミッションベース型」という。日本のIFAの大半はこの「コミッション型」だといわれている。

顧客が自身ですべての投資判断を行う取引、たとえばインターネットでの売買などに比べ、IFAを利用した取引では取引手数料が高くなる。つまりこの取引手数料の差が、IFAを利用することによる手数料といえる。

ここでは、具体的なIFAとして、SBI証券と楽天証券のIFAコースの手数料を紹介する。

まず、SBI証券と提携しているIFAに相談する場合、「IFAコース」と「IFAコース(プランA)」の2種類のコースが用意されている。

▽SBI証券と提携するIFAに相談する際利用できるコース

IFAコースSBI証券と提携するIFAで、電話等による投資相談が受けられるコース。
IFAコース(プランA)顧客1人ひとりにIFAの担当者がつき、投資スタイルに合わせて担当者からの電話、訪問によるアドバイスや投資情報の提供を受けながら取引ができるコース。
※出典:SBI証券

上記を見てもわかるように、IFAコース(プランA)の方が、IFAからより細かなサービスを受けることができる。現物株式の取引手数料を例に、それぞれのコースの手数料を比較したのが以下である。

▽SBI証券の現物株式取引手数料の比較

約定代金インターネットコースIFAコース(インターネット手数料)IFAコース(プランA)
〜5万円55円484円約定代金の1.265%
(最低手数料2,750円)
〜10万円99円
〜20万円115円
〜50万円275円
〜100万円535円870円
〜150万円640円1,090円約定代金の0.99%
+2,750円
〜500万円1,013円1,640円
〜1,000万円約定代金の0.77%
+1万3,750円
〜3,000万円約定代金の0.6325%
+2万7,500円
〜5,000万円1,070円1,650円約定代金の0.4125%
+9万3,500円
〜1億円29万9,750円
〜3億円約定代金の0.176%
+16万2,800円
〜5億円約定代金の0.11%
+36万800円
〜10億円約定代金の0.088%
+47万800円
10億円〜約定代金の0.066%
+69万800円
※出典:SBI証券

アドバイスがまったく受けられないインターネットコースに比べると、IFAと電話相談ができるIFAコースでは取引手数料が高く、個別に担当者が付くIFAコース(プランA)ではさらに高額になっていることがわかる。つまり、これらの差額がIFAを利用することによる手数料といえるだろう。

次に、楽天証券と提携しているIFAを利用する際の手数料を見てみよう。楽天証券ではIFAコースAとIFAコースBが提供されている。なお表中の超割コースとは、IFAによるアドバイスが受けられないコースである。

▽楽天証券の現物株式取引手数料の比較

約定代金超割コース
IFAコースB
IFAコースA
〜5万円55円2,750円
(最低手数料)
〜10万円99円
〜20万円115円
〜25万円275円
〜50万円約定代金の1.1%
〜100万円535円
〜150万円640円約定代金の0.9625%+2,200円
〜200万円1,013円
〜300万円約定代金の0.88%+3,850円
〜400万円約定代金の0.8250%+5,500円
〜500万円約定代金の0.77%+7,700円
〜1,000万円約定代金の0.66%+1万3,200円
〜2,000万円約定代金の0.605%+1万8,700円
〜3,000万円約定代金の0.55%+2万9,700円
〜5,000万円1,070円約定代金の0.33%+9万5,700円
〜1億円27万5,000円
1億円〜約定代金の0.11%+17万7,100円
※出典:楽天証券

楽天証券では、IFAによるアドバイスが受けられない超割コースと同等の取引手数料で取引が行える「IFAコースB」が提供されている。ただし、楽天証券の手数料コースは、IFA側がAとBどちらを採用しているかによって決まるため、SBI証券と違って顧客がコースを選ぶことはできない。

IFAコースBを採用しているIFAの方が取引手数料は低いが、相談料などが別途かかる場合もあるので、事前に確認しておこう。

フィー型

金融商品を販売することで報酬を得る「コミッション型」に対し、顧客の預かり資産残高に連動した形で手数料を受け取る報酬体系を、「フィー型」または「フィーベース型」という。

フィー型で提供される代表的なサービスに「ファンドラップ」がある。ファンドラップとは、顧客の資産運用に対する考え方やリスク許容度などをもとに、複数のファンド(投資信託)を組み合わせた資産配分を提案し、それに基づき証券会社が運用、管理を行うサービスだ。

資産を預けていれば専門家が運用を行うが、運用の方向性は顧客自身が決めるうえ、運用報告が定期的に行われるため運用状況もしっかりと把握することができる。

顧客自身が複数の投資信託の運用、管理を行う場合、購入時手数料や信託報酬といった手数料が発生するが、ファンドラップを利用した場合さらに「投資顧問料」がかかる。この投資顧問料がIFAを利用することによる手数料といえる。

SBI証券あるいは楽天証券では、提携しているIFAを通してファンドラップを利用することができる。具体的な手数料は次の通りだ。

▽SBI証券と楽天証券のファンドラップにかかる手数料

証券会社サービス名手数料
SBI証券ゴールベースラップ年率1.43%
楽天証券楽天IFAラップ【固定報酬】最大年率1.265%
または
【固定報酬】最大年率1.155%
+【成功報酬】運用益の5.5%
SBI証券楽天証券のサイトをもとに筆者作成

参考:対面型証券の手数料

証券会社の中には、実際に店舗で相談しながら金融商品を販売することに力を入れている「総合証券」と呼ばれる会社もある。顧客としては、実際に対面で相談することで、不明点を確認できるほか、購入間違いを防ぐことができるため安心感がある。

代表的な総合証券会社の対面での取引手数料は以下のようになっている。

▽総合証券会社の現物株式対面販売にかかる手数料

約定代金野村證券
(店舗取引)
大和証券
(支店担当者)
みずほ証券
(対面取引)[NM1]
〜50万円1.43%
(最低手数料2,860円)
1.265%
(最低手数料2,750円)
1.155%
(最低手数料2,750円)
〜70万円1.1%+1,650円
〜100万円0.946%+2,728円
〜300万円0.880%+3,388円0.968%+2,970円0.88%+2,750円
〜500万円0.847%+4,378円0.825%+4,400円
〜1,000万円0.704%+1万1,528円0.715%+1万5,620円0.693%+1万1,000円
〜3,000万円0.572%+2万4,728円0.5775%+2万9,370円0.561%+2万4,200円
〜5,000万円0.264%+11万7,128円0.33%+10万3,620円0.253%+11万6,600円
〜1億円0.110%+19万4,128円26万8,620円0.011%+23万7,600円
〜5億円29万8,320円28万1,600円
〜10億円33万1,320円
以降5億円ごとに
+3万3,000円
野村證券大和証券みずほ証券のサイトをもとに筆者作成

先に紹介したIFAを介した取引の手数料は、総合証券会社の対面での取引手数料と同程度の水準といえる。

手数料体系に応じたIFAの選び方

IFAは、報酬体系に応じ、IFAを通して金融商品を購入する際に取引手数料がかかる「コミッション型」と、運用を任せた資産額に応じて運用・管理手数料がかかる「フィー型」に大きく分かれる。

これらの報酬体系の違いによるIFAのメリットとデメリットを押さえておこう。

コミッション型のメリット・デメリット

コミッション型のメリットは、IFAという資産運用の専門家が金融商品に関する情報や分析を行い、顧客に商品を提案することにある。

投資には情報収集と分析が不可欠だが、普段仕事がある現役世代にとって、複数の会社や金融商品に関して常に情報を収集し、詳細な分析を行うことは時間的にも難しい。IFAを介することで、情報の収集・分析に費やす時間を省くことができる。

ただし、金融商品を売ることで手数料を得るコミッション型にはデメリットもある。

顧客が利益を得るのは運用がうまくいった場合、つまり商品が値上がりした時であるのに対し、IFAが利益を得るのは商品を売ったタイミングで、運用結果がどうあれ利益は変わらない。そのため、IFA側にだけメリットがあり、顧客にはデメリットとなる「利益相反」の取引を推奨される可能性がないとは言い切れない。

コミッション型の報酬体系で活動するIFAを利用する際は、この利益相反になる可能性があることはしっかりと認識しておきたい。

フィー型のメリット・デメリット

フィー型のIFAの報酬体系は、顧客の預かり資産残高に応じて手数料を受け取る。たとえばIFAが預かり資産の1%を報酬としていれば、資産5,000万円を預けた場合、年間50万円が報酬となる。

フィー型のIFAのメリットは、IFAと顧客の目標が同じ方向を向いていることである。顧客側としては、当然自分の資産を増やしたいと思うだろう。一方、IFA側としても、顧客の資産が増えることで、自分が受け取れる報酬も上がる。つまり、IFAと顧客にwin-winの関係が成立するのだ。

デメリットとしては、コミッション型のIFAに比べ、短期的な成果が見えにくい点が挙げられる。フィー型のIFAは、顧客の目的に沿った資産運用を継続的に行っていくため、リターンが期待できる(=リスクがある)商品を単一で提案するのではなく、さまざまな商品を組み合わせて提案する必要がある。提案された商品で儲かったなど、わかりやすい結果が期待できないため、顧客としてはIFAの能力を判断するのが難しくなる。

そもそもIFAとは?

IFAを利用する際の手数料を紹介したが、そもそもIFAと他のお金の専門家の違いは何だろうか。

IFAが報酬を受け取る仕組み

日本のすべてのIFAは、証券会社や銀行などの「金融商品仲介業者」と業務提携を結び、株や投資信託の売買の仲介を行っている。業務提携を結ぶ金融商品仲介業者の数に制限はないため、複数の証券会社と業務委託契約を結ぶIFAもいる。

IFAが証券会社に所属するアドバイザーと異なるのは、証券会社と業務提携して報酬を受け取っているものの、証券会社から販売方針などの指示をされることがない点である。このため、証券会社が今販売したい商品にこだわることがなく、またノルマなどにより顧客の利益と相反する金融商品を販売する危険も軽減される。証券会社から独立性を保って顧客にアドバイスができるため、「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」と呼ばれるのだ。

まとめ

IFAがどのような専門家なのかということと、IFAを利用する際の手数料について紹介してきた。せっかく手数料を払うからには、なるべく自分に適した専門家を見つけたいところだろう。そのためにはそれぞれの専門家がどういう立場で、どのようなことを得意としているのかなどをよく知っておく必要がある。「ZUU Advisors」を利用すれば、複数の厳選されたアドバイザーから提案が届き、その中から自分が納得できる専門家を選ぶことができるため、まずはこういったサービスを利用してみるのもいいだろう。

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