資産管理のアドバイザーとして確かな広がりを見せているのがIFA(金融商品仲介業者)だ。IFAとはIndependent Financial Advisorの略で、特定の証券会社などに縛られることがない独立したファイナンシャルアドバイザーを指す。
日本証券業協会が発表している「金融商品仲介業者の登録外務員数」を見ると、2011年6月末は2,275人だったが、2022年6月末時点では5,558人まで増えている。「IFAという言葉を聞く機会が飛躍的に増えた」と感じている人も多いのではないだろうか。
そこでZUU onlineでは、IFAに関する連載を立ち上げ、各企業がどのような特徴や信念を持って資産管理をアドバイスしているのか探っていく。今回は株式会社W&P 代表の三枝浩紀氏に話を聞いた。
「IFAならお客様と一生涯のお付き合いができる」ことに強い魅力を感じた
―― 簡単に御社の概要と自己紹介をお願いできますでしょうか。
当社は金融商品仲介業を営んでいるIFAでして、渋谷駅徒歩6分のところに本社があります。設立は2019年7月なのですが、仲介業のライセンスを取れたのが2020年6月で、2年半ほどIFA事業を展開させていただいています。
大阪と福岡にも拠点があり、提携している証券会社は楽天証券、あかつき証券、アイザワ証券の3社です。所属IFAは私を含めて約30名で、お預かり資産の合計は約150億円です。
私自身は2006年にみずほインベスターズ証券(現みずほ証券)に入社し、8年ほどリテール営業に従事していました。そのあと2年間、従業員組合の仕事だけをやらせていただく機会があり、そのあとは本社の企画部門や人事部門を担当しました。その後、縁あって2021年に当社に参画したという流れです。
―― Webサイトを拝見すると「COOの土井亮太氏が株式会社W&Pを創業した」と書かれています。三枝さんはどのような経緯でW&Pに参画することになったのでしょうか?
土井とは前職の従業員組合時代からの仲で、彼が一足先にIFAとして独立しました。なぜ私がIFAに転身したかというと、IFAのほうが長期的にお客様と信頼関係を築いて、よりお客様のために貢献できると思ったためです。
これは私自身が(大手証券会社の)営業マンだったときから感じていたことですが、命の次に大切と言われている“お金”を扱う職業ですから、お客様と信頼関係を築くためには相応の時間がかかります。しかし、大手証券会社にいると「やっとお客様と深い関係になれて、いろいろなご相談をいただけるようになった」というタイミングで、転勤の辞令が出ることも少なくありません。当時は3〜4年周期で転勤することが一般的でした。
担当が変わること自体は悪ではありませんが、担当が変わると、これまでとは違う商品が提案される場合もあります。お互い人間ですから、どうしてもウマが合わないという可能性も出てきます。そこで違和感を感じてしまうお客様は一定数いらっしゃいます。実際、私も転勤後に「前任地で担当していたお客様」から(現在の担当の頭越しに)ご相談のお電話をいただくことが何度かありました。
そのようなジレンマを感じていたときに、一足先に独立していた土井から「IFAならお客様と一生涯のお付き合いができる」「IFAなら本当の意味でお客様ファーストのビジネスができる」と聞かされて、強い魅力を感じました。そのような縁があり、この株式会社W&Pに参画させてもらったのが2021年です。
―― 現在は代表取締役CEOという立場ですが、三枝さんもオーナーシップ(自社株)を保有しているのでしょうか?
はい、保有しています。土井の他に照井紗貴子という共同経営者もおりまして、3人でおおむね3分の1ずつという出資形態を取っています。