VXを推進する4つの関連技術
VXを推進するための関連技術は、以下の4つだ。
- XR関連技術
- デジタルツイン
- 5Gネットワーク
- デジタルヒューマン
XR関連技術
XR(クロスリアリティ)とは、仮想空間と現実世界を組み合わせ現実世界にはないものを知覚できる技術だ。XRを構成する技術としては、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などが挙げられる。
・VR(Virtual Reality)
仮想現実に入り込み現実世界のような体感を得られる技術だ。専用のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を利用しゲームやメタバースでも活用されている。
・AR(Augmented Reality)
現実世界を拡張して現実世界の風景に仮想の視覚情報を表示する技術。身近な例としては、スマホゲームの『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』などで目の前の景色にポケモンやピクミンを表示する機能が挙げられる。
・MR(Mixed Reality)
VRは仮想空間寄り、ARは現実世界寄りとすると、MR(Mixed Reality)は両者を融合した体験を得られる技術だ。代表例としては、「Microsoft HoloLens」が挙げられる。専用のHMDを着用すると現実世界にホログラフィックの3D映像が出現し実際に操作可能だ。MRの世界をイメージしやすいテレビドラマとしては、2022年4月にNHKで放送された『17才の帝国』が挙げられる。
ドラマのなかでは、実験都市の住人がスマートグラスをかけて現実空間に出現した映像を操作し政治AI「ソロン」とコミュニケーションを取る様子が描かれている。
デジタルツイン
デジタルツインとは、リアルタイムで現実世界のさまざまなデータを収集し、仮想空間に現実世界を再現する技術。「現実世界の双子を構築する」という意味でデジタルツインと呼ばれるようになった。デジタルツインを実現する技術としては、AIやIoT、ARなどの技術が挙げられる。デジタルツインは、デジタル上に現実世界を描写することで業務の効率化やコスト削減などが可能だ。
デジタルツインの利用例としては、商業施設やビルなどの建設への活用が挙げられる。建設予定地にIoTセンサを設置し周辺の動き(人や乗り物など)をリアルタイムに再現するという。また仮想空間に街を構築しリアルタイムにデータを収集して交通渋滞や災害のシミュレーションを行う自治体もある。
5Gネットワーク
5Gネットワークとは、「第5世代(5th Generation)移動通信システム」を利用したネットワークの総称。5Gネットワークは、高速かつ大容量の通信が実現できる。VXを支える各種技術は、非常に多くのデータをやり取りしなければならない。5Gネットワークのように高速かつ大容量の通信網は、VX実現のために必要不可欠なインフラ技術といえる。
デジタルヒューマン
デジタルヒューマンとは、バーチャルヒューマンとも呼ばれ、CGとAIにより人間に酷似した姿と動作を実現する技術だ。代表的な例としては、バーチャルモデルとして活躍する「imma」や、アパレルブランド「GU」のデジタルヒューマン「Yu」などが挙げられる。