本記事は、野呂エイシロウ氏の著書『副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略』(プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネス,トーク
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

「結論の先出し」で関心を引く会話術

近頃はビジネスの世界でも「結論を先に出す」ことがスタンダードになっています。

それこそプレゼンを例に挙げてみても、様々なファクターを30分もかけて説明し、最後に「だから当社はAを提案します」と結論づけても、その結論に至るまでのプロセスを理解してもらうことなど難しいと思います。

それよりも、「Aにすべきです」と結論を先に伝え、その理由をあとから積み上げていったほうが確実に納得してもらえるでしょう。

実は、テレビの世界も似たところがあります。バラエティ番組やワイドショーのコメンテーターは、まず「これは、わたしは反対ですね」と結論を先に述べて視聴者をコメントに引きつけてから、「だってこうじゃないですか」と理由を説明することが常道です。

また、マツコ・デラックスさんのコメントに「斬れ味がある」と感じるのも、マツコさんが結論の先出しを意識しているからです。「バカね」「だからあんたはダメなのよ!」「わかるわぁ〜」「すごい好き」と短くインパクトのある言葉で賛否をズバッと示すことで、ユニークな持論をきちんと視聴者と共感できるように、話の流れを順序立てているのです。

もしマツコさんが、「これってこうじゃない?」→「でも、人ってこうなのよ」→「だからあなたはダメなのよ」と結論を後出しにしていたら、リズムが悪く、おもしろみが薄れてしまいます。ともすれば説教くさく、陰険いんけんにも映ってしまうかもしれません。

みなさんの会話でも、まず結論の先出しをすると、自分の発言に注目を集められ、リズムよく、わかりやすく展開することができて効果的です。

「なにをいいたいのかわからない話」ほどつまらないものはありません。そんな話し方をしているようでは、「で、結局なんなの?」と結論を急せかされて空気は悪くなるだけです。いいアイデアや意見があっても、最後まで聞いてもらえなければ「意見がない」のと同じことなのです。

また、空気が停滞した会議では、結論をズバッと示すことが場に刺激を与え、リズムや空気感を生み出すことにもつながります。「あなたがいると会議が盛りあがるよ」といってもらえたら、確かな貢献として評価されたということです。

副業は、自己PRがすべて。――「稼ぐ人」が実践する成功戦略
野呂エイシロウ
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家としての活動を開始し、『ザ! 鉄腕! DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験! アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』といった数々の人気番組を手掛ける。
30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントヘ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに生かすなど独自の手腕を発揮。
これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐にわたる。
著書に、『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣』(すばる舎)、『「話のおもしろい人」の法則』『心をつかむ話し方 無敵の法則』『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(すべてアスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)などがある。

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